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商品レビュー
3.5
8件のお客様レビュー
私は気持ちの揺れ動きを、正確に、できるだけ簡易な言葉で表現しようと努力する作家が好きで、この人もその系列だ。限定された人間関係で、相手に愛されるために自分を制限して相手の思う型になろうとする夏生は「生の喜び」を見出す。それが側から見て「違う」と思われても彼女の生きがいならそれでい...
私は気持ちの揺れ動きを、正確に、できるだけ簡易な言葉で表現しようと努力する作家が好きで、この人もその系列だ。限定された人間関係で、相手に愛されるために自分を制限して相手の思う型になろうとする夏生は「生の喜び」を見出す。それが側から見て「違う」と思われても彼女の生きがいならそれでいいのでは。いや、健康な体があれば違ったのだ。いや、もっと重い障害を得ようと誤って命を失くした人の気持ちも分かる。正解を見つけるのではなく、あなたはこう生きて幸せなのね、と認めることが大切なのか。価値観の沼にどんどんはまっていく。 もう一編は、新人、超新人の登場がまだよく腑に落ちないのでこれからもっかい考えるとして、萩尾望都も言ってたようにすごい母親については、ああ、分かるな、と思った。どの娘も母に対して同じように感じているのであれば、女は同性に対して支配しようとする本能がキツくあるのではないか、と思ってしまう。嫁姑も同様。母は話がわかるふりをして、娘が実践しようとすると上から虫をつぶすようにバンバン手のひらを広げて叩いてくる。それを思い出した。 95
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生々しくエグいはなしだが、サクサク読めた。二作品収録されているが、どちらも結末にもう一ひねり欲しい。
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歩くことも出来ず人工呼吸器が手放せない私。 双一郎に恋をし世界が広がる。パートナーとして苦楽を共にしたい、人間として生きたい。しかし双一郎が求めているのは人形のような相手。 一人でいる空虚さに押し潰されるより私は双一郎といることを選ぶ。心を持たない人形になって。それが私の生きてい...
歩くことも出来ず人工呼吸器が手放せない私。 双一郎に恋をし世界が広がる。パートナーとして苦楽を共にしたい、人間として生きたい。しかし双一郎が求めているのは人形のような相手。 一人でいる空虚さに押し潰されるより私は双一郎といることを選ぶ。心を持たない人形になって。それが私の生きている証拠だから。 愛の定義はそれぞれだがもっと別の生きている証はないのだろうか。ぞっとする愛の形だ。
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