商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 潮出版社 |
発売年月日 | 2008/07/19 |
JAN | 9784267017995 |
- 書籍
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こころと脳の対話
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こころと脳の対話
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商品レビュー
4.2
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河合隼雄先生と茂木健一郎先生の対談。 漢字が少なくて読みやすいようにみえて、中身は難解。河合先生すごい。仙人みたい。 あまり理解できていないかもしれないけど、河合先生がとんでもなくすごい先生なのは伝わった。 脳は、心とは別のもの。 ・自分たちが生きているということ自体、ものすごく無理をしている。それではもたないから、寝たときに調整する。 ・話の内容とこっちの疲れの度合いの乖離がひどい場合は、相手の病状は深い。 ・苦しんでいる人が来られたら、苦しみをとるんじゃなくて、苦しみを正面から受け止めるようにしている。 ・宗教と科学が接点を持つときに、僕は一番強力なのは仏教じゃないかと思う。
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河合さんが病気で倒れる4ヶ月前の対談が載っている。 茂木健一郎という人は脳科学者であるがとても宗教的な考え方をする人で、養老孟司さんと似ている。 茂木さんは、河合さんのフワフワした話を、茂木フィルターで読者にわかりやすく整えてくれるので、とてもわかりやすい。 「夢の話」と「関係性の話」が特にためになった。 ★夢の意味を自分で考えてみる 河合:簡単な例をいうと、僕がある人に「ちょっとお金を貸してほしい」といったとしますね。すると、その人は僕にとってはお金を貸してくれるかもしれない人だから、もうその時点で、その人を尊敬せざるをえないような気持ちでいっているんですね。だから、「親切そうな、いい人や」というのが、僕の意識的目的に適っているわけですね。 ところが、まさに僕のなかの「クオリア」では、「変なおっさんやな」というのも、やっぱりどこかでは思ってるわけです(笑)。しかしそれは意識化されない。「変なおっさんやな」というのと、「いい人や」というのは矛盾するわけでしょう。しかも、意識のうえでは矛盾せずに。そして帰って寝るでしょう。そしたら寝ているあいだ、その変なほうが動き出すんですよ。それを夢に見るんです。 わかりやすくいうと、僕らが生きているということ自体、ものすごく無理をしているわけでしょう。それを無理しているだけではもたないから、寝たときに調整するわけです、全体性のなかに。その全体性のなかに調整する動きを、脳のなかで視覚的に把握したものが夢ではないかと、僕はそう思ってるんです。 だから夢を見るということ自体が、ものすごい大事なことなんですね。それは解釈しなくてもええぐらいなんだけれど、解釈したほうがおもしろいと。いろいろ役にも立つし。夢を見なかったら、だんだんおかしくなってきますね。だから夢というものは、生きていくために必要なものだと僕は思っているわけです。それは一種の調整作用みたいなもの。 私:確かに、ストレスを相殺するような夢を見ているような気がする、ではそのストレスとは何かを考えても自分では答えが出せないことが多いと河合さんは言っている、それを探り出すのがカウンセラーの役目だとも。 ★「関係性」とは心のつながり 河合:わかりやすい例を挙げますとね、不登校の子どもさんに、「きみ、学校へ行ってないんだってね」と.「ではまず、玄関まで行きましょう」と.行ったら「えらかったね。じゃあ、次はあの角のところまで行きましょう」。また行ったら「えらかったね」とやるわけですよ。これが行動療法ですね。 それを実際、僕の知っている学校の先生でやった人がいるんです。そしたら、どんどん学校に近づいていくわけですよ。とうとう、学校の保健室まで行ったわけ。 そしたら、保健室にほかの先生がきて、「おい、なにをボヤボヤしとるんや。ここまでこれるんやったら、教室へ行って、勉強せい!」ってやったわけですよ。 そしたら、その子は家に帰って、もう学校にこなくなった。つまり、そこで関係性がパーン、と切れたわけですよ。 ここで大事なのは、「ここまで行った」「あそこまで行った」というのは、科学的、論理的にうまいこといってたんやない。それは、先生とその子との関係性で行われていた、ということなんです。 茂木:行動が切れたんじゃなくて、関係性が切れたということですね。 河合:こういうことを、僕は「関係性の科学」とか「新しい科学」とかいっているんですけれど、それをもっと考えないといけませんね。 私:この本を読んで、関係性を切らないことが重要と知ると、自分の言葉は切ってばかりいると感じた。つまり、他人を怒らせるような発言だ。 「関係性を切らない喋り」「関係性を切らない喋り」「関係性を切らない喋り」、いつも気にしてないと忘れる。(笑)
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河合隼雄先生と、茂木健一郎さんの対談は、スラスラ読めるて、とてもわかりやすく楽しい。 河合隼雄先生の書かれた本では、難しいと感じる部分でも、対談だからこそ、ストンと落ちる部分がある。 シンクロニシティ(ユング)、ただいること。が、腑に落ちた。 心理学を勉強し始めて10年近いが、...
河合隼雄先生と、茂木健一郎さんの対談は、スラスラ読めるて、とてもわかりやすく楽しい。 河合隼雄先生の書かれた本では、難しいと感じる部分でも、対談だからこそ、ストンと落ちる部分がある。 シンクロニシティ(ユング)、ただいること。が、腑に落ちた。 心理学を勉強し始めて10年近いが、河合隼雄先生がご存命の時に学びたかったなーと切に思えてくる。 第1回 心と脳の不思議 ユングは人間の何を見ようとしたか/学生時代の箱庭体験/安易に「言語化」することの怖さ/夢の意味を自分で考えてみる/心の盲点が夢に現れる/「気づき」の感覚を忘れた科学/「関係性」とは心のつながり/「愛は盲目」は脳科学的に正しい/「中心統合」の欧米、「中空均衡」の日本/「三年に一人、本物が出ればいい」/無用な決まりごとが多すぎる/「診断を下す」ことが患者を苦しめる/「私」とは「関係の総和」/変化という「可能性」に注目する/脳科学では心の一部分しか見えない/近代科学が排除してきたもの/ひとつの事例は普遍に通ずる/話を聞くだけで疲れてしまう人/人は極限で同じ心の動きをする 第2回 箱庭と夢と無意識 箱庭のなかの「生」と「死」/「わからない」ことを大事にする/ニワトリが牛耳る不思議な世界/箱庭をして帰って行ったゴリラ/世界全体を見ている「誰か」/そのアイテムを選ばせる「無意識」/東洋人の箱庭のには自然が多い/無意識につかみ出すとっかかり/「シンクロ」はどうして起こるか/非因果的連関をおもしろがる/因果のしがらみを解きほぐす/箱庭で体験するシンクロニシティ/世の中を縦糸と横糸で見てみる/関係性でのみ成り立つ確実性/科学主義との果てしない戦い/箱庭をしているときの脳活動/科学と「人生」との乖離/身の上話に夢中になる運転手/「運命の人」も文脈のせい? 第3回 「魂」を救う対話 脳治療の倫理的課題/脳科学に限界はあるか/夢の中で「意味」がつながるとき/自己矛盾を解決するための装置/言語に依存しすぎの現代人/相手の苦しみを正面から受け止める/「中心をはずさずに」/相づちの達人/相手の「魂」だけを見つめる/治療が必要かどうかの見きわめ/「偶然」というものを大事にする/何年も経って意味がわかる夢/全体に、平等に注意力を向ける/数学から心理学の世界へ/脳科学の「科学的真実」への疑問/現代人の不安の根本原因/「関係性」を扱う科学は生まれるか/答えを与えるより、悩みを共有する/「わかった気になる」落とし穴
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