商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 1984/04/01 |
JAN | 9784488213015 |
- 書籍
- 文庫
破戒法廷
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破戒法廷
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軽犯罪専門の老弁護士のもとに、大西洋横断客船内で発生したアメリカ人青年殺人事件が持ち込まれた。 犯行現場には、犯行を自供し、裁かれることを望んでいる、視覚、聴覚、言語能力の欠けたフランス人男性がいた!・・・三重障害者による不可能犯罪という怪異な事件に挑んだ老弁護士の執念、人間への...
軽犯罪専門の老弁護士のもとに、大西洋横断客船内で発生したアメリカ人青年殺人事件が持ち込まれた。 犯行現場には、犯行を自供し、裁かれることを望んでいる、視覚、聴覚、言語能力の欠けたフランス人男性がいた!・・・三重障害者による不可能犯罪という怪異な事件に挑んだ老弁護士の執念、人間への深い洞察力、奇跡の逆転劇に心震える、フランス法廷ミステリの秀作!〝この男は、何でも見抜いています。目も見えず、耳も聞こえず、口もきけないのに、彼がどれほどまで理解しているかを知ったら、まさに唖然としますよ・・・〟
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軽罪裁判所の弁護士ヴィクトル・ドリオは弁護士会長のミュニエから重罪裁判所の国選弁護人として依頼を受ける。過去、二人の弁護士が投げ出した依頼人をドリオに回したかっこうだった。 事件はアメリカからパリへ向かう船の中、目が見えず、耳も聞こえず、話すこともできない三重の障害を持ったフランス人のジャック・ヴォーティエが上院議員の父を持つアメリカ人、ジョン・ベルを殺害したというものだった。 ジャックは最初からジョンを殺害したと認めていた。三重の障害にもかかわらずジャックは専門の施設で十分な教育を受け、人並み以上の知性を身につけた。そして、自分をモデルとして三重の障害を持つ男を主人公とする小説を書き上げる。この小説は特にアメリカで評判となり、ジャックは妻のソランジュとともに五年間にわたるアメリカ公演を終えフランスに帰るところだった。ジャックに面会したヴィクトル・ドリオはジャックの容姿が”けだもの”のようだと感じる。そして、その印象のとおり暴行を受けそうになるが彼の弁護を引き受けた。 裁判は原告側証人被告側の順で証人を呼び進行する。原告側証人は船での犯行発見の経緯、その後の取り調べから、幼いころのジャックの凶暴性などを証言した。一方原告側証人は施設に引き取られてから教育を受け、小説を出版し、結婚を経てアメリカへ渡ったこと、また、ジャックが高い知性を獲得し、豊かな感受性を得た人間的な人物だったことなどを証言した。 最後の口頭弁論において弁護士のヴィクトル・ドリオは事件の真相を明らかにする。ジャックとソランジュがアメリカ公演をしている間に被害者ジョン・ベルと知り合いになっていた。ジョンは当時付き合っていたフィリスという女性と別れソランジュと不倫の関係を持った。ソランジュはこの関係を終わりにしようとアメリカを離れパリに帰るが、ジョンはおなじ船に乗り込み関係を迫った。ソランジュはジョンを説得しようと彼に会いに行くが、すでに彼は殺害されていた。ソランジュの不倫を内心疑っていたジャックは密かにソランジュの後をつけ、ジョンの死体を発見した。そこに凶器と思われるペーパーナイフとソランジュのものと思われるスカーフを発見し、妻がジョンを殺害したと誤解した。その結果ジャックは自分がジョンを殺害したと嘘の証言を行った。 しかし、実はフィリスは結婚しており、その夫アンリは自分の妻とジョンとの不倫を発見した。自分が船室付きボーイとして乗り込む船に、二人が客として乗ることを知った時、ジョンとソランジュに復讐することを計画した。ソランジュからスカーフを盗み、ジョンを殺害して犯行現場にそのスカーフを置いたというものだった。犯行の第一発見者を装ったボーイのアンリ・テラルが真犯人として逮捕された。 ジャックはソランジュの不倫を許し共に生きていくことにした。
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