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千両花嫁 とびきり屋見立帖
1,780円
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2008/05/29 |
JAN | 9784163270500 |
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千両花嫁
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千両花嫁
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商品レビュー
3.5
34件のお客様レビュー
先日読んだ「平成二十三年度 代表作時代小説」でこのシリーズを知り、早速、図書館で探してみたもの。過去に読んだ山本兼一さんの作品は、重厚で枯れた印象を持っていたのだが、本作は、やわらかくも力強い芽吹きのような明るさが感じられ、「とびきり屋」夫婦にすっかり魅了されてしまった。続編の三...
先日読んだ「平成二十三年度 代表作時代小説」でこのシリーズを知り、早速、図書館で探してみたもの。過去に読んだ山本兼一さんの作品は、重厚で枯れた印象を持っていたのだが、本作は、やわらかくも力強い芽吹きのような明るさが感じられ、「とびきり屋」夫婦にすっかり魅了されてしまった。続編の三冊を追加登録。 後から知ったのだが、作者は京都ご出身とのこと。本作の京ことばの心地よさと、絶妙な店の立地(舞台設定)は、作者ならではとあらためて納得。
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人に勧められて。自分では手に取らなかった作家さんだけどすらすらと読めて、夫婦の逞しさを幕末の中に感じられ面白い。
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先日「花鳥の夢」を読んだ時に巻末の著書紹介で興味を持った作品。 「千両花嫁」とはどういう意味か?と思えば、正にその通り。 主人公・真之介は奉公していた道具屋のお嬢様と恋仲になり主人に許しを請うと、主人は一年以内に自分の店を構え千両の結納金を持って迎えに来たら娘・ゆずをやると難題を...
先日「花鳥の夢」を読んだ時に巻末の著書紹介で興味を持った作品。 「千両花嫁」とはどういう意味か?と思えば、正にその通り。 主人公・真之介は奉公していた道具屋のお嬢様と恋仲になり主人に許しを請うと、主人は一年以内に自分の店を構え千両の結納金を持って迎えに来たら娘・ゆずをやると難題を吹っ掛ける。すると真之介、本当に道具屋を開業し一年で千両を作って持っていく。しかし主人は約束など知らんと二人の仲を許さない。そこで千両を置いてゆずとともに駆け落ちしてしまう。 表紙のほんわかした雰囲気とは裏腹に危なっかしい話なのだが、この先も道具屋商売ならではの様々な駆け引きが描かれる。また舞台設定も幕末の京都ということで新撰組や坂本龍馬、勝海舟など有名人が次々現れ物騒な事件も起こる。先に書いた、千両の結納金が新撰組に奪われたり奪い返したり、改めて結納金を納めに行けば突き返されたり、千両もの大金があちこち行って落ち着かないのも不思議。 真之介・ゆず夫婦の関係が面白い。 真之介は元々捨て子で老舗道具屋〈からふね屋〉に拾われて奉公人となり二番番頭まで登り詰めた叩き上げ。一方のゆずは〈からふね屋〉のお嬢様として生まれ育ちのんびりした風情。しかし道具の目利きはゆずの方が上で、いざというときの腹の据わり具合もなかなか。 立ち位置の違いから真之介がゆずをお嬢様として遠慮して扱っているのかと思えばそうではなく、夫として力強く引っ張る。と思えば真之介の窮地をゆずが救うこともある。 どちらが上とかどちらが引っ張るとかではなく、その時その時で助け合ったり背を押したり対等なのが良い。 時に喧嘩もするがそれもスパイス。二人の店〈とびきり屋〉の番頭始め奉公人たちも仲良く盛り立ててくれる。 先の新撰組は近藤勇と土方歳三が出てくるが、近藤勇は時に強引で刀の目利きが出来ないのを人のせいにしたりちょっと器が小さい。芹沢先生と呼ばれる巨漢はとかく意地悪で何かと金を寄越せと言う。 坂本龍馬はさっき言ったことをすぐに忘れるほど忙しない。頭の中も日本のことをあれこれ考えて忙しない。 様々なピンチを機転と度胸で乗り切る夫婦が面白いが、七話もあると似たパターンもあって少し中弛みもあった。 しかし終盤、真之介の出生に関わる曰くありげな布が出てきたり、ゆずの両親が二人の夫婦関係を許す兆しが見えてきたりと気になる展開に。 シリーズ作品らしく続編もあるので追いかけていきたい。これから時代と環境が激変していく中で道具屋という商売がどうなるのか、夫婦がどうなるのか。
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