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他者とは誰のことか 自己組織システムの倫理学
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他者とは誰のことか 自己組織システムの倫理学

大庭健【著】

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他者とは誰のことか 自己組織システムの倫理学

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 勁草書房
発売年月日 2008/05/20
JAN 9784326152285

他者とは誰のことか

¥3,630

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2012/06/21

ルーマンの社会システム論の立場から、人間の行為と社会が織り上げる倫理的関係の基礎を考察している。 第1部では、人間の行為が社会の中でどのように受け取られ、どのように社会に影響を及ぼすのかを論じている。いまだまどろみの中にある乳幼児は、自己の前にくり広げられる世界のうちに一定の規...

ルーマンの社会システム論の立場から、人間の行為と社会が織り上げる倫理的関係の基礎を考察している。 第1部では、人間の行為が社会の中でどのように受け取られ、どのように社会に影響を及ぼすのかを論じている。いまだまどろみの中にある乳幼児は、自己の前にくり広げられる世界のうちに一定の規則性を見いだしてゆき、やがて再認の対象である〈もの〉を発見するに至る。だが、それはいまだ〈汝〉ではない。〈汝〉の「振舞い」は、単なる規則的運動ではなく、信念や意図に基づく「行為」とみなされる必要がある。それだけではない。〈汝〉は、みずからの行為が信念や意図に基づいていることを、〈私〉が理解していることを知っているのでなければならない。そうでないと、〈汝〉が〈私〉に向けて行為をおこなうという事態は成り立たないはずだ。そしてこのこともまた〈私〉は理解しているのでなければならず、以下無限に反射されてゆく。したがって問題は、現に私たちがこのような事態に決着をつけており、社会的秩序が成立しているということを、どのように理解すればよいのか、ということになる。 著者は、〈私〉と〈汝〉が一定のコードを共有することで社会的な秩序が成り立っているという事態を、私たちがある者を〈異人〉として排斥し、またある〈異人〉を新たな〈汝〉として迎え入れるという出来事が交錯するプロセスだと捉えなおしている。 こうした考察を受けて第2部では、行為と社会との関係を社会システム論的な観点から解明する展望が示される。著者はL・ブリルアンの考えを受け継いで、乱雑なシステムが秩序化されたとき、そのエントロピー減少は「情報」によってもたらされたという考えを取っている。その上で、システムと環境の間でのエントロピーのやり取りを通じて自己組織化が生じる事態として、〈私〉と〈汝〉が相互に存在承認を求めて行為の理解可能性をたがいに限定しつつ秩序を形成してゆくプロセスを理解することが可能なのではないかという見通しを語っている。

Posted by ブクログ

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