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格差社会と教育改革 岩波ブックレット726
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格差社会と教育改革 岩波ブックレット726

苅谷剛彦, 山口二郎【著】

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格差社会と教育改革 岩波ブックレット726

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2008/06/05
JAN 9784000094269

格差社会と教育改革

¥616

商品レビュー

4

8件のお客様レビュー

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2018/05/21

後半の対談は今の政治状況と異なるので注意が必要だが、小泉改革―消費者主権的な自由主義・市場主義―が社会そして教育に与えた(悪)影響について、著者らのもどかしい思いも含めてわかりやすく示されている。前半でもっとも印象深い指摘は、冒頭の、「格差」の英訳に一番相応しいのは、「diffe...

後半の対談は今の政治状況と異なるので注意が必要だが、小泉改革―消費者主権的な自由主義・市場主義―が社会そして教育に与えた(悪)影響について、著者らのもどかしい思いも含めてわかりやすく示されている。前半でもっとも印象深い指摘は、冒頭の、「格差」の英訳に一番相応しいのは、「differential」でなく「inequality、不平等」だろう、という話。なるほどなと思った。また20頁あたりのPISAの分析、すなわち上位の成績は変わらないが、ボトム25%の学力低下が著しいという指摘も参考になった。

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2012/08/04

戦後、日本は教育に力を注いだ。当時、ヨーロッパでさえ中学校までの義務教育が行われていない国もあったが、日本はそれを実施した。それが基盤となって、奇跡の高度経済成長を成し遂げることになる。 この間、教育の地域格差は昭和30年代からあり、それを是正するのが文部省の課題であった。 しか...

戦後、日本は教育に力を注いだ。当時、ヨーロッパでさえ中学校までの義務教育が行われていない国もあったが、日本はそれを実施した。それが基盤となって、奇跡の高度経済成長を成し遂げることになる。 この間、教育の地域格差は昭和30年代からあり、それを是正するのが文部省の課題であった。 しかし、いまの教育格差は当時のものとは性質が異なる。成熟社会では価値観が多様化し、価値観が相対化され、何を目指して教育するのかが難しい。教育の意味、教育の効果を考え、あれもこれもと手を広げては、ますます教育の目的がわからなくなってしまう。だから、教育は「押し付け」であることを前提に、「何ができないか」を考えて方針を決めるべきと、苅谷氏は主張する。 いまの時代の、教育の目的は何か。教育は何かの目的のために行うべきだろうか。それとも教育それ自体を目的として行うべきだろうか。

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2011/09/19

本書は教育社会学者の刈谷剛彦氏が現在の教育を社会学の観点からひもとき、後半部分で政治学者の山口二郎氏と今後の教育のあり方について議論を交わしたものが掲載されているものである。 前半の刈谷氏の現在の教育の解説はとても魅力的なものである。当然ながら刈谷氏の意見に反対の意見もあるだろう...

本書は教育社会学者の刈谷剛彦氏が現在の教育を社会学の観点からひもとき、後半部分で政治学者の山口二郎氏と今後の教育のあり方について議論を交わしたものが掲載されているものである。 前半の刈谷氏の現在の教育の解説はとても魅力的なものである。当然ながら刈谷氏の意見に反対の意見もあるだろうから、それらをも参照して吟味する必要はあるかもしれないが、いずれにしても一読する価値はあるように思われる。 後半の山口市との対談は、政治学の観点とからめた教育のあり方に関する議論である。ここでも一見する価値のある箇所は随所に見られるように思われる。 ちなみに、本書は基本的に反ネオリベラリズムの立場から書かれたものである。人の価値観は人それぞれなので、これに賛同する人も入れば反対の人もいるだろう。(脱線するが)しかしながら本書のように自分たちの立場を明確にして議論する事は重要のように思われる。逆に、自分の価値を正しいと過信し議論する事は望ましいものとはいえない。

Posted by ブクログ

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