地球温暖化と農業 地域の食料生産はどうなるのか？ 地球研叢書

渡邉紹裕【編】

• 販売会社／発売会社: 昭和堂
• 発売年月日: 2008/05/30
• JAN: 9784812208298

商品レビュー

2012/01/07

食料は人間と環境を直接結び付けているもの。かつ根源的な問題。
食料問題を生み出す根源的なものが農業。作物栽培を中心とする農業生産、遊牧を含む畜産、そして水産は安全で安心できる食料の基本にかかわる。

複雑な気候変動、その一要因は大気の変動に内在するカオスにある。
地球温暖化に伴う気候変動は、流域の気象。水循環に影響を与え、それは流域内の農地における作物育成や農業生産に影響を与えることになる。水利用の見直しが迫られている。
土地利用は社会全体の変化に密接に関係している。

地球の温暖化が地域の作物の生産量にどのような影響をもたらすかは、大気の状態が作物の生育に直接影響を及ぼすことからだけではなく、ほかの作物の育成ともかかわる作付け体系への影響を通してや、ほかの地域の生産が市場を通して影響したりするなど、作付け面積や生産への資材・労力などの投資の変化を通してもたらされる。

温暖化が地域の作物生産に及ぼす影響を経済学的な立場から予測評価する場合、これまでに比べて飛躍的に精度よく見通されるようになった将来の地域的な気候変動の情報を活かして、作物学的な作物育成への影響に、経済的そして精度・政策的な要因の影響を合わせて予測することが必要である。