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読書教育 フランスの活気ある現場から
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読書教育 フランスの活気ある現場から

辻由美【著】

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読書教育 フランスの活気ある現場から

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 みすず書房
発売年月日 2008/04/18
JAN 9784622073772

読書教育

¥2,640

商品レビュー

4

7件のお客様レビュー

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2021/03/16

若者の読書離れという問題はどこの国でもあるようだ。フランスではこの問題に対してどのようなことをしているのかが書かれていた。 序章でのパリ読書センターと学校がタッグを組んで行うワーク(小学校を縦割りにして、それぞれテーマに沿った本を読んだり議論したり、外に出掛けてみたり等)も面白か...

若者の読書離れという問題はどこの国でもあるようだ。フランスではこの問題に対してどのようなことをしているのかが書かれていた。 序章でのパリ読書センターと学校がタッグを組んで行うワーク(小学校を縦割りにして、それぞれテーマに沿った本を読んだり議論したり、外に出掛けてみたり等)も面白かったが、高校生ゴンクール賞は特に興味深かった。 日本でいう芥川賞の審査員が高校生になったものという感じで、授賞式にはメディアも多く押しかけるかなり規模の大きいイベントである。 作家にとっては生活のかかっている事でもあり責任あるイベントなので高校生たちも読書や議論に能動的になっていく。 後半にはクロノス賞とアンコリュプティブル賞も出てきて、こちらも審査員が小学生からお年寄りと多岐にわたるが作家でもなく何の利害関係のない人達なのが特徴である。 読書を無理強いされて楽しく読める人は中々いないと思うが、自分自身が審査する側になることで自然と積極的になれるのだなと思うし、本を読むことの楽しさを知れる良い機会だと思う。 家庭レベルでは難しくても大手書店や学校、NPO法人等が力を合わせて行うことで実現できるし、これだけ盛り上がるのは国全体として読書教育に熱心なのだなと感じた。 こういう取り組みを日本でもやれたらいいだろうなと思う。

Posted by ブクログ

2021/01/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

フランスには子どもが選ぶ本の賞 ・高校生ゴンクール賞 ・クロノス文学賞 ・アンコリュプティブル賞 がある。 〇まず「高校生ゴンクール賞」はゴンクール賞 (日本における芥川賞)の高校生版。 教育省とフナック書店によって成り立っている。 全国から参加希望校を募り、現在は54校(各1クラス) が参加する。ゴンクール賞候補作の12~15作品を 参加クラスの生徒が2か月にわたり対象の本を読んで 通常の授業を振り替えてディベートなどを行う。 この期間中に「著者との出会い」という著者との 集会も催される。最後に「クラスの三作」とクラス代表 1名を選ぶ。この代表が審査会場で高校生ゴンクール賞を決定する。 この賞に選ばれるとその本はかなり売り上げを 伸ばすそうだ。 毎年参加校が変わり、様々な高校(上流から底辺まで) が参加するので強豪校というものは存在せず、 癒着も発生しにくい。 「著者との集い」では生徒からの質問も受け付けられる。 「性描写が多いようですが、すべては性で説明できると思いますか」(P36) こんな質問、日本だったら絶対NGだろうなぁ。 〇「クロノス賞」は「老い」をテーマにした 作品に対する文学賞。選考者は全世代、 幼稚園児から高齢者まで。 老いという否定的なイメージを払しょくする ために創設された賞。 カッシャン市立図書館の会報に掲載された 13歳の子の詩がすばらしい。 「成長する、それは老いること、老いる、 それは成長すること 始まったものは必ず終わる だれでもいつかは去っていく しあわせでも、ふしあわせでも (中略) 限りなく続くものは何もない すべてに終わりがやってくる」 〇アンコリュプティブル賞は子どもが審査員。 幼稚園の部~中学四年生高校一年生の部まで 7つに分けられている。 フランスには学力の低い「教育優先地区」があり その地区ではアンコリュプティブル賞は重要な 教育的性格をおびる。 というのも、文字が読めない「アナルファベティズム」 文章が読めない「イレットリスム」ということばが あり、イレットリスムは社会問題である。 子どもたちへの読書へのいざないの方法は 「アニマシオン」と呼ばれている。 著者との出会いは極めて有効なアニマシオンである。 作品をめぐるアニマシオンは ・モノを作る ・作文のアトリエ ・ゲーム ・演じる パートナーシップによるアニマシオン ・書店訪問 ・図書館訪問 ・他の学校とのコンタクト フランスでは読書に意識を向けるための 社会の多大な努力があるのだと感じました。 日本で授業を読書のために何か月も振り替える のは無理だろうなぁと思いました((+_+))

Posted by ブクログ

2017/02/15

図書館で。 読書教育というよりはフランスの高校生ゴンクールなるものの紹介のようだなぁと思いながら読みました。日本で言う所の直木賞とか芥川賞を高校生が読んで選んだ、みたいなものなのかなぁ。 母語が違うって大変だしそう言う生徒が混在する教育現場は大変だろうな。日本も今は外国の方や外...

図書館で。 読書教育というよりはフランスの高校生ゴンクールなるものの紹介のようだなぁと思いながら読みました。日本で言う所の直木賞とか芥川賞を高校生が読んで選んだ、みたいなものなのかなぁ。 母語が違うって大変だしそう言う生徒が混在する教育現場は大変だろうな。日本も今は外国の方や外国人の父母を持つ子供が増えて来たとは思いますが基本は日本語での授業だけ、だと思うし。アメリカの高校はEsol( English for speakers of other languages )とかありましたが日本には日本語以外の母語を持つ子のための日本語教室なんて存在するんだろうか?なんて考えてしまいました。 でもまあ日本は識字率も高いし日本の若者は文字媒体を読むことにはあまり抵抗がないんじゃなかろうかと思います。文学を読んでいるかは謎ですが。でも今は漫画も読むのを億劫がる子も居ると聞くしスマホアプリとかゲームとかの方が勢いがあるから日本も次の世代の読者層を確率するための読書教育を考えた方が良いのかもしれない。読書してそれを発表する場が必要、というのは印象に残りました。日本も読書感想文とか課題図書を作らずに生徒に選ばせて好きなように発表させたらいいのになぁ。 例えばブクログのようなネットを使って発表した感想文とかを外部に読んでもらったり評価してもらうことも読書意欲に繋がると思う。自分が読んだ本を他の人はどういう評価をしているのかって気になるものだし。 そう言う意味では交流の場は学校や図書館などの空間で区切らずもっと自由でもいいんじゃなかろうかな、とかネットを使えばかなりローコストでも出来るんじゃないかな、なんて思ったりもしました。

Posted by ブクログ

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