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インドのヒンドゥーとムスリム 世界史リブレット71
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 山川出版社 |
発売年月日 | 2008/03/31 |
JAN | 9784634347106 |
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インドのヒンドゥーとムスリム
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インドのヒンドゥーとムスリム
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インド大反乱の敗因を振り返る中でヒンドゥーとムスリムそれぞれの宗教的アイデンティティが明確化し宗教ナショナリズムが高揚してしまう。 ヒンドゥー教勢力ではヒンドゥー中心的な主張が影響を拡大し、今のヒンドゥー教は堕落に落ちていると指摘。原典のヴェーダに絶対的に従うべきとし偶像崇拝の否...
インド大反乱の敗因を振り返る中でヒンドゥーとムスリムそれぞれの宗教的アイデンティティが明確化し宗教ナショナリズムが高揚してしまう。 ヒンドゥー教勢力ではヒンドゥー中心的な主張が影響を拡大し、今のヒンドゥー教は堕落に落ちていると指摘。原典のヴェーダに絶対的に従うべきとし偶像崇拝の否定、他の宗教への優位性が唱えられた。 ムスリム勢力は大反乱に敗北後ムスリム貴族ら知識人が大打撃を受け後退していたが ヒンドゥー勢力に社会進出で遅れを取っていることへの危機感から教育制度が整えられた。後のムスリム連盟の下地となる。 一方で当時のインドムスリムは厳格にシャリーアを守っていた訳ではなく、聖者崇拝、ヒンドゥー教聖地巡礼、ヒンドゥー教の神々崇拝、ヒンドゥー教の祭礼への参加、カーストが残っていた。 そこでムガル帝国解体の原因はムスリムが堕落し真のイスラムが実施されていなかったからではないかとの認識に辿り着き、ムスリムの誤った慣習を正そうとするデオバンド運動が勢力を拡げた。これらのイスラム改革運動はヒンドゥー教と混然となっていたイスラムを引き離し、両者は明確に分かれる事となった。
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現代社会においてインドを理解するためには、宗教をテーマに歴史を遡って理解する必要がある。 本著は、平易な文章で、且つコンパクトに纏まっており、理解を助けてくれた。 ムガル帝国、またそれ以前からも、支配層という意味ではムスリムが圧倒していた中、なぜ、現在のインドがヒンドゥー教を中...
現代社会においてインドを理解するためには、宗教をテーマに歴史を遡って理解する必要がある。 本著は、平易な文章で、且つコンパクトに纏まっており、理解を助けてくれた。 ムガル帝国、またそれ以前からも、支配層という意味ではムスリムが圧倒していた中、なぜ、現在のインドがヒンドゥー教を中心として国家と成り立ったのか(特に昨今ではヒンドゥーによるナショナリズムが強くなっている)、素朴な疑問があったのだが、その答えを与えてくれる。 大きな流れを見ると、前近代においては、ムスリムとヒンドゥーは共生していて、その境目が曖昧だった。 また、ヒンドゥーは土着の生活習慣と密着していて、現代における”宗教(信仰)”とはことなるものであった。 その認識を大きく変えたのが、イギリスの植民地化であり、欧米主義的な近代化である。 イギリスが、統治の観点からも”宗教”による峻別を行ったこと、歴史的にイスラムに対する警戒感があったこと、インド人側もナショナリズムを宗教の括りで捉えようとしたこと、が影響している。 以下抜粋~ ・インドはさまざまな文化の「サラダボール」だ、といった人がいる。サラダボールは食材が一つに溶け合ってしまうわけではない(人種の坩堝とは違う)、しかし、混ぜ合わせると、それなりにまとまった料理になる。 ・そもそも、インドの中世で興亡を繰り返した王朝の支配層が、ヒンドゥー王朝とかイスラーム王朝とかというような自己認識をもっていたかどうか疑わしい。 ・インドの中世において、ヒンドゥー教の側でバクティ運動、イスラーム教の側でスーフィズムという、神秘主義の基盤に立つ信仰が、民衆の心をとらえたことは重要な現象であって、そのことが、対照的な性格をもつようにみえる二つの宗教が共生する、基礎的な条件の一つになったと考えられる。 ・宗派主義の登場の要因の一つが、大反乱(シパーヒーの反乱)の後、イギリスの政治的・文化的ヘゲモニーが、インド社会をすっぽりと覆い、全般的なものになったことである。しかもそれは、西欧の自己中心主義を、人種主義などの排他的なイデオロギー装置で武装する一方で、インドの多様な社会集団を科学的に定義し、境界線を固定化しようとする、硬直したものになっていた。 (国勢調査により宗教の分布を調べたことが決定的。それまではヒンドゥーとイスラームが曖昧だったケースもあった) ・19世紀後半の宗教・社会改革運動のなかから生まれた宗教ナショナリズムは、植民地的で(近代的な)政治制度のなかに根をおろし、20世紀における成長の足場をかためた。
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[ 内容 ] インドのヒンドゥーとムスリムの関係は多面的で複雑である。 そればかりでなく、それは非常にデリケートでホットな現代の政治問題でもある。 限られたスペースのなかで総花的に扱うと、舌足らずになり、一般の読者には非常にわかりにくく、誤解をまねく虞れさえある。 本書ではポイン...
[ 内容 ] インドのヒンドゥーとムスリムの関係は多面的で複雑である。 そればかりでなく、それは非常にデリケートでホットな現代の政治問題でもある。 限られたスペースのなかで総花的に扱うと、舌足らずになり、一般の読者には非常にわかりにくく、誤解をまねく虞れさえある。 本書ではポイントを絞り込み、そのかわり、できるだけ丁寧に説明する方法をとった。 インドのヒンドゥーとムスリムの関係は、兄弟や夫婦のそれに譬えられることがある。 彼らが、日本人には想像もつかないほど、複雑に入り組んだ関係にあることについて、理解を深めていく。 [ 目次 ] 文化の「サラダボール」 1 共生と習合 2 “近代”の到来と初期の改革運動 3 改革運動の新たな展開 [ POP ] [ おすすめ度 ] ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度 ☆☆☆☆☆☆☆ 文章 ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性 ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性 ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度 共感度(空振り三振・一部・参った!) 読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ) [ 関連図書 ] [ 参考となる書評 ]
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