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中世の覚醒 アリストテレス再発見から知の革命へ
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中世の覚醒 アリストテレス再発見から知の革命へ

リチャード・E.ルーベンスタイン【著】, 小沢千重子【訳】

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中世の覚醒 アリストテレス再発見から知の革命へ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 紀伊國屋書店
発売年月日 2008/03/31
JAN 9784314010399

中世の覚醒

¥3,960

商品レビュー

4.2

5件のお客様レビュー

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2014/06/30

中世ヨーロッパが暗黒時代からルネサンスを以って近代へ変容する様は人類史上の奇跡といっていい。ヨーロッパを形成する思想は疑いようもなくキリスト教に根差したものだが、そこにアリストテレスの知的再発見を伴い、宗教との棲み分けと補正を伴い、科学的進歩と文化的成熟を遂げた。本書はその歴史と...

中世ヨーロッパが暗黒時代からルネサンスを以って近代へ変容する様は人類史上の奇跡といっていい。ヨーロッパを形成する思想は疑いようもなくキリスト教に根差したものだが、そこにアリストテレスの知的再発見を伴い、宗教との棲み分けと補正を伴い、科学的進歩と文化的成熟を遂げた。本書はその歴史とプロセスを描き検証する。 とはいえ難解な本である。。。序盤のムスリムとの接触によるアリストテレスの再発見はダイナミズムを感じさせるが、全体を通して賢人アリストテレスがもたらした役割がいまいち読み解けなかった。トマスがアリストテレスの思考様式を再研磨し、オッカムが思考の剃刀により信仰と理性を断絶し、中世の知の覚醒をもたらした、ということか。 近くに再読してきちんと理解したい。。。

Posted by ブクログ

2012/06/20

 万学の祖とまでいわれる、アリストテレス。その著作が西ヨーロッパに再登場してからというもの、後世いかなる発見とも異なるインパクトもって社会の文化、制度に大きな、革命的な変化を与えることになった。    近代哲学の祖である。フランシス・ベーコン、ルネ・デカルトが科学革命を宣言するお...

 万学の祖とまでいわれる、アリストテレス。その著作が西ヨーロッパに再登場してからというもの、後世いかなる発見とも異なるインパクトもって社会の文化、制度に大きな、革命的な変化を与えることになった。    近代哲学の祖である。フランシス・ベーコン、ルネ・デカルトが科学革命を宣言するおよそ400年以上前から、近代的みなしうる合理的、現実主義的、経験主義的思想が席巻し、文化戦争の火付け役となっていた。    近代より前のこの「中世ルネサンス」こそ西ヨーロッパを覚醒したことによると唯一の転換点であったと認識してそう大過ないと思う。こうした見解はいまだ広く認知された歴史的パースペクティブとなってはいないものの、なるほど中世の覚醒とは、アリストテレス科学の受容と排斥をめぐるキリスト教徒との論争によってもたらされたものであり、知の歴史を決定的に方向付けた重大な出来事であったということがわかる。  結論からいえば、つまり神学は信仰と理性の調和を達成し得なかった。アリストテレス的キリスト教は二つの異なる宇宙観の対立を解決することはできなかったが、両者の間に創造的な緊張をもたらした。アリストテレスの伝統が廃れるにつれて、西ヨーロッパの文化はいつしか、論理的に思考する頭という理想と、情熱的に追求する心という理想に、しだいに引き裂かれることになった。

Posted by ブクログ

2011/11/28

 素晴らしい。イスラーム文化圏との接触により欧州で巻き起こった通称「十二世紀ルネサンス」。そこで再発見されたアリストテレス哲学が当時の哲学・神学、ひいては中世文化全体に与えた影響を時に俯瞰的に、時に微細に記しています。  ギリシャ哲学が再発見され、知的格闘を経てヨーロッパの文化...

 素晴らしい。イスラーム文化圏との接触により欧州で巻き起こった通称「十二世紀ルネサンス」。そこで再発見されたアリストテレス哲学が当時の哲学・神学、ひいては中世文化全体に与えた影響を時に俯瞰的に、時に微細に記しています。  ギリシャ哲学が再発見され、知的格闘を経てヨーロッパの文化圏に取り込まれてゆくプロセスには興奮すること請け合い。著者の筆は明晰かつ流麗であり、ページをめくる手を休めることが出来ません。上質な翻訳も読みやすさに一役買っています。  古代哲学、中世神学、そしてルネサンス期の科学革命。一見するとばらばらにしか思えないこれらが、アリストテレス哲学という糸で繋がっていることがよくわかる一冊です。また、中世(この用語も曖昧ですが)はキリスト教が支配する知的暗黒時代だった、という通念を見事にぶち壊してもくれるでしょう。  なお、四〜五世紀、東ローマ帝国で脈々と受け継がれていたギリシャ哲学がいかにして失われたか、という点にも一章を裂いております。ここだけでも大変にスリリングなので是非ご一読を。該当章のタイトル「レディ・フィロソフィーの殺人」はミステリめいていてちょっと素敵ですね。  類書で省略されがちな参考文献と注釈も完備。そのうえ文献の邦訳も網羅しているという仕事ぶりには頭が下がります。この分野に興味のある方はもちろん、とりあえず歴史が好きという方にも絶対のお勧めといえるでしょう。

Posted by ブクログ

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