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松本清張への召集令状 文春新書
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松本清張への召集令状 文春新書

森史朗【著】

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松本清張への召集令状 文春新書

979

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2008/03/20
JAN 9784166606245

松本清張への召集令状

¥979

商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2019/03/01

清張の兵隊へのとられ方は、大岡昇平のそれとよく似ている。30歳代、妻子持ち。恣意的であることをうかがわせる人選。生きて還ることが期待できず、遺された家族の苦痛や苦労がまじまじと想起される状況。絶望の大きさは計り知れない。 ひとの欲にまみれた描写の多い社会派作品を今に読むとき、清張...

清張の兵隊へのとられ方は、大岡昇平のそれとよく似ている。30歳代、妻子持ち。恣意的であることをうかがわせる人選。生きて還ることが期待できず、遺された家族の苦痛や苦労がまじまじと想起される状況。絶望の大きさは計り知れない。 ひとの欲にまみれた描写の多い社会派作品を今に読むとき、清張の軍隊経験やサラリーマン体験がそれら作品のバックグランドにチラ見えする。清張をとりまく世界にとって、個々人において悪意は確かに存在し、世間において陰謀は確かに存在している。

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2014/07/01

 清張という人の本や映画を同時代で読んだり見たりした人間と、かつての有名な作家として読む人の差は、司馬遼太郎等々他の人気作家の作品以上に落差が大きいように思う。  同時代に生きた読者にとっての清張の本の不気味さは主人公そっくりな人間が気が付いたら読者の身の回りのあちこちにいたとい...

 清張という人の本や映画を同時代で読んだり見たりした人間と、かつての有名な作家として読む人の差は、司馬遼太郎等々他の人気作家の作品以上に落差が大きいように思う。  同時代に生きた読者にとっての清張の本の不気味さは主人公そっくりな人間が気が付いたら読者の身の回りのあちこちにいたというところにあり、また映画やテレビ番組になった映像にしてもその時代を生き抜いたアクの強い役者がいくらでもいたところから、息を呑むような絵作りができたというところにあったのであろう。この絵空事で終わらせない点が他の追随を許さない清張の作品の迫力となっていると思われるのだが、本書は長年身近で清張の制作現場に立ち会っていた編集者が書いたものだけに、その間の呼吸がよく伝わってくる。

Posted by ブクログ

2013/06/21

理不尽で不正にまみれる当時の国家権力が、この反骨の作家を作り上げたのだと得心させられる。故に現在の私らは、この大作家による膨大な著作を楽しめるというわけだ。 偉いなあ、大日本帝国。 「遠い接近」という作品は未読だったので、探してみるのですが、どうやら廃刊となっているよう。古書店...

理不尽で不正にまみれる当時の国家権力が、この反骨の作家を作り上げたのだと得心させられる。故に現在の私らは、この大作家による膨大な著作を楽しめるというわけだ。 偉いなあ、大日本帝国。 「遠い接近」という作品は未読だったので、探してみるのですが、どうやら廃刊となっているよう。古書店をあたってみるか。 古代史学会との確執に関する言及も併せて、たいへん面白うございました。 (2008年記)

Posted by ブクログ

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