商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 1973/12/10 |
JAN | 9784122000537 |
- 書籍
- 文庫
鍵
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商品レビュー
3.7
15件のお客様レビュー
当時の挿絵も収録され…
当時の挿絵も収録されたお得な本。一応、純文学なのかも知れませんが、ミステリーのような面白さがあります。
文庫OFF
性生活にお互い不満を持つ熟年夫婦。ふたりは自分の日記をわざと相手に読ませるように仕向けて刺激しあう。「被虐」と「魔性の女」を追い求めた谷崎文学の到達点。 同じように日記の体裁をとっているものの、『瘋癲老人日記』は老人ひとりの日記であるのに対し、『鍵』は夫婦ふたりの日記なので、視...
性生活にお互い不満を持つ熟年夫婦。ふたりは自分の日記をわざと相手に読ませるように仕向けて刺激しあう。「被虐」と「魔性の女」を追い求めた谷崎文学の到達点。 同じように日記の体裁をとっているものの、『瘋癲老人日記』は老人ひとりの日記であるのに対し、『鍵』は夫婦ふたりの日記なので、視点の違いや心理的な駆け引きがありスリリングで面白い。
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谷崎文学の集大成という感じの作品。先に読んだ『瘋癲老人日記』でも健在であった「変態性」は本作でも顕著であるし、また谷崎は初期に探偵小説の傑作を多く著したことでも知られているが、基本的に日記の記述のみで物語が展開する本作は、いったい記述の内容は本当に正しいのか、夫や妻は本当に互いの...
谷崎文学の集大成という感じの作品。先に読んだ『瘋癲老人日記』でも健在であった「変態性」は本作でも顕著であるし、また谷崎は初期に探偵小説の傑作を多く著したことでも知られているが、基本的に日記の記述のみで物語が展開する本作は、いったい記述の内容は本当に正しいのか、夫や妻は本当に互いの日記を読んでいないのかという気持にさせられ、ヘタな推理小説よりもよほどミステリイである。木村も含めた登場人物たちが三者三様に性に溺れてゆく様子ももちろん秀逸なのだが、やはり推理小説好きとしてはこの形式の部分がもっとも気になった。個人的な生涯のベスト・ランキングに入るほど好きな小説に、夢野久作『瓶詰の地獄』という短篇があるのだが、同作は書翰体小説で、素直に順番どおりに読んでゆくと内容の辻褄が合わなくなってしまう。本作も記述のいったいどの部分が真実なのだろうかという点で、同作を想起させられた。
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