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イデオロギー/脱イデオロギー 21世紀問題群ブックス5
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 1995/11/06 |
JAN | 9784000044257 |
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イデオロギー/脱イデオロギー
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商品レビュー
3.3
3件のお客様レビュー
リベラル・デモクラシーのイデオロギーとしての性格を指摘し、それが現代社会に引き起こしつつある問題について論じている本です。 哲学・化学・宗教・思想など、あらゆる「ディスコース」(言説)は、それを生み出し、それを受け入れた社会的・歴史的文脈から切り離すことはできません。そのことが...
リベラル・デモクラシーのイデオロギーとしての性格を指摘し、それが現代社会に引き起こしつつある問題について論じている本です。 哲学・化学・宗教・思想など、あらゆる「ディスコース」(言説)は、それを生み出し、それを受け入れた社会的・歴史的文脈から切り離すことはできません。そのことがわすれ去られ、特定の文化的状況を超えて流通するようになったディスコースが「イデオロギー」にほかなりません。全体主義であれリベラル・デモクラシーであれ、そこで用いられている「自由」「平等」「個人」「市民」といった理念は、すべて近代ヨーロッパという社会的・歴史的文脈のなかで生まれたものだと著者は主張します。 東西冷戦というイデオロギーのもとで、それらの理念がもっているはずのローカル性が表に現われることはありませんでした。しかし冷戦の終結によって、こうした状況がもはや成り立たなくなったと著者は指摘します。F・フクヤマは、冷戦の終結によって、全体主義とリベラル・デモクラシーというイデオロギーの対立に終止符が打たれ、近代的なリベラル・デモクラシーと大衆消費資本主義こそが唯一のイデオロギーとして勝ちのこったと主張しますが、現在世界で起こっている多くの事件は、こうした見方が成り立たないことを示していると著者はいいます。 リベラル・デモクラシーが全世界的に拡張されるなかで、あらゆる権威や道徳的価値が内側から掘り崩されてしまうのではないかと著者は問題提起し、「アメリカ」に象徴される「近代ヨーロッパ」という背骨を抜かれたリベラル・デモクラシーは、民族主義やマイノリティ運動に寄りかかりながら、ヒューマニズムの雰囲気を漂わせるだけのものに堕してしまっていると論じられます。さらに、フランスの中学校で起こった、イスラム教徒の女子生徒のスカーフが問題視された事件を例にあげつつ、ヨーロッパを離れたリベラル・デモクラシーが直面している困難が指摘されています。ただ個人的には、この事件から得られる教訓は、リベラル・デモクラシーが問題を投げ込めば自動的に答えを返してくれる装置などではなく、われわれ自身の手でたえず鍛えあげていかなければならないものであることを示していると考えます。
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※このレビューにはネタバレを含みます
ヨーロッパで産まれた「近代」という枠組みというものが 実際に如何に使われてきたのか、丁寧に解説しています。 とても分かりやすいです。 始まりはF.フクヤマの論文ならびに『歴史の終わり』に対し 世界がそれをどのように受け止めたのか。 その後において、冷戦後の世界がどうなったのか。 ニーチェがその歪みの端緒において見抜き警鐘を鳴らしていたものが現実化している・・・ 要するに、先人達の予感から逃れられない。どうしたらいいんでしょうかと。そもそも出発点からして私達は間違えているのではないかと。
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近代、という言葉が示すイデオロギーとは何か。それは欧州の歴史を背景にした彼らの自意識である、というご回答。彼らの啓蒙思想と不可分なモノなのだと思った。 歴史を持たず、純粋培養された近代である米国はこれからどうなるのだろうか?
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