商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 1968/03/25 |
JAN | 9784121001566 |
- 書籍
- 新書
パスカル
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パスカル
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商品レビュー
3
2件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
哲学を扱うので後半部分がやや難しくなります。 パスカルの人生を振り返るところは 面白いと思いますよ。 モンテーニュが出てくるところも興味深いかな。 難しいパンセの部分ですが 結局いえることは人は実に弱い。 それに尽きるわけです。 そして、深いなと思ったのは 自分のことを知ることは難しいということを 述べていることです。 至極ごもっとも。
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パスカルの有名な「考える葦」という言葉の持つ意味を、『パンセ』の文献学的研究成果を紹介しながら読み解いた本。 「考える葦」という言葉は、『パンセ』の中に2回登場する。ブランシュヴィック版では、どちらも「哲学者たち」と題する章の冒頭に置かれている。この章では、それまでに追求してき...
パスカルの有名な「考える葦」という言葉の持つ意味を、『パンセ』の文献学的研究成果を紹介しながら読み解いた本。 「考える葦」という言葉は、『パンセ』の中に2回登場する。ブランシュヴィック版では、どちらも「哲学者たち」と題する章の冒頭に置かれている。この章では、それまでに追求してきた、人間、来世、認識、政治といったどのテーマにおいても、私たちの心を究極的に安定させる真理は見いだせなかった以上、古今の哲学者たちにその回答を求めなければならないとされる。「考える葦」の2つの断章は、この章の冒頭で、物体に対する人間精神の偉大さを示す言葉として登場する。 ところが、1938年以降、トゥルノールとラフュマによっていわゆる「第一写本」を重視する見解が現われた。ブランシュヴィックは「第一写本」をポール・ロワイヤル版作成途上の中間段階のパスカルの見解を示すものにすぎないと判断したのに対して、ラフュマたちは第一写本こそパスカルの死んだ直後の原稿の分類状況を伝えていると判断したのである。 第一写本では、「考える葦」の断章のうちの一つは「偉大さ」の章に、もう一つは「人間の認識から神への移行」という章に置かれることになる。そして後者は、人間が無限大と無限小との間にある中間者であり、「この無限の空間の永遠の沈黙が私を恐怖させる」とパスカルが語った、人間認識の総体性から、キリストの信仰への「移行」を意味していると考えなければならない。福音書の中でも、メシア預言とその成就、洗礼者ヨハネとの出会い、ピラトの兵士寄りの受難、十字架の最期といった重要な局面で「葦」という言葉が登場する。そしてパスカルは、こうした用法を念頭に置いた上で、人間の脆さの象徴として「葦」という言葉を選び、「傷ついた葦を折ること」のない、キリストの救いを示したのだと解釈することができる。 パスカルの思想と文献学との密接な関わりを、「考える葦」というもっとも有名な断章を例に紹介した本だが、新書版のパスカル入門としては、かなり変則的なスタイルの本だという気がする。
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