商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 日経BP社/日経BP出版センター |
発売年月日 | 2008/02/25 |
JAN | 9784822283513 |
- 書籍
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幸運な宇宙
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幸運な宇宙
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商品レビュー
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私たちはなぜ存在するのか。 という哲学的な問いは、物理学的には、「宇宙は、なぜもかくも生物が生じるのに適した物理法則でできているのか」という問いになる。 これに対する主な答えは、 ・宇宙は無目的でランダムであるが、なぜだかとんでもない偶然でそうなっている ・神あるいは知...
私たちはなぜ存在するのか。 という哲学的な問いは、物理学的には、「宇宙は、なぜもかくも生物が生じるのに適した物理法則でできているのか」という問いになる。 これに対する主な答えは、 ・宇宙は無目的でランダムであるが、なぜだかとんでもない偶然でそうなっている ・神あるいは知性が、生物が生じるのに適した宇宙法則を設定した ・宇宙は、ランダムに多数生成されており、たまたま生物が生じるのに適した法則をもつ宇宙に生命が生じているだけ といったもの。(著者は、「マトリックス」ばりのだれかのコンピューターシミュレーションのなかにこの宇宙が存在することの可能性を結構まじめに論じている) これらの説の問題は、「それでは、その宇宙なり、神なり、多宇宙なりは、どこから来たのか」というさらなる起源が分からないと言う事。 ということで、著者が、提唱する可能性は、「自己合成する宇宙」という概念。これは「生命が生じるべくして宇宙が存在する」という一種の目的論なのだが、不確定性原理での、観察者が観察するまで事実が確定しない、といった観察者と物理現象との相互作用などを踏まえながら、論じていて、なかなか面白い。宇宙と生物と心は、一体で、因果関係はループ的に循環しているわけだ。そして、この考えは、物理学の暗黙の前提となっているプラトン主義からの離脱を意味するそうだ。 この宇宙観は、複雑系の例えばスチュアート・カウフマンなどに近い感じで、共感がもてる。 が、結局のところ、私がたどり着いた結論というか態度は、「世界は存在すること自体が驚異であり、その根本的な始まりを問う事は意味がない」という私のもともとのスタンス。ちなみに、このスタンスは、この本で引用されているバートランド・ラッセルに近いのかな。 「この宇宙はなぜも生物が存在するように、さまざまな物理法則がちょうどよく設計されているのか」という問題は、1年くらい前に読んだミチオ・カクの「パラレル・ワールド」で知ったのだが、この「幸運な宇宙」は「パラレル・ワールド」が終わったからさらなる先を探求したという感じで、宇宙論と量子力学、生物学、複雑系、情報理論、科学哲学、論理学、宗教が一緒になったようななんとも知的なエンターテイメントであった。そして、結構、読みやすいしね。個人的には、宇宙論とかの本では、これまで読んだもののなかでは、ベスト1、2かな。
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宇宙についてはわかっていない、ちゅーか観測することができない部分が多々あるらしいんですけれども、そこの話を予想でされてもねぇ。後半はほぼオカルト。
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"この"宇宙の物理法則と定数は、なぜこんなに生物にとって都合がよいのかという問いについて、物理学者がかなり真剣に取り組んで解説をした本。その問いに答えがある問いであるのかも分からない。 ビッグバン宇宙論、素粒子論、超弦理論/M理論、多元宇宙論といった最新物...
"この"宇宙の物理法則と定数は、なぜこんなに生物にとって都合がよいのかという問いについて、物理学者がかなり真剣に取り組んで解説をした本。その問いに答えがある問いであるのかも分からない。 ビッグバン宇宙論、素粒子論、超弦理論/M理論、多元宇宙論といった最新物理理論の素人向けの概要解説としては分かりやすい部類に入る。人間原理や量子論の観測者問題なども限りある紙幅の中で同じくよく説明されている。また、それらがあくまで「なぜこの宇宙は我々にとってこうなのか」という問いのための準備というのも、退屈さから免れている要因かもしれない。 ただ、多元宇宙論ならまだしも、最後の「自己説明する宇宙」観については、ほとんどついていけない。ただこういう考えにもたまに触れてみるのもきっとよいことなのかもしれない。 それにしても量子論の観測者問題というのは、いつ考えてみてもとても不思議だ。本当とは思えない、というのはこういうことなのかもしれない。 * 原題は"The Goldilocks Enigma"で、「ゴルディロックスの謎」という意味だが、これだと何だか分からない。邦題の『幸運な宇宙』という方が(著者は「幸運」という解釈には立っていないが)よいタイトルのような気がする(ビジネス的にも)。
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