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マリコ 新潮文庫
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マリコ 新潮文庫

柳田邦男(著者)

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マリコ 新潮文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 1983/11/25
JAN 9784101249025

マリコ

¥555

商品レビュー

3.9

12件のお客様レビュー

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2021/09/15

さきの大戦前、戦争回避を願った外交官家族の物語。 マリコ、愛する姪の名前を暗号に使った寺崎太郎。弟もまた外交官で寺崎英成(てらさきひでなり)と言いました。 その寺崎弟の一家のお話です。

Posted by ブクログ

2017/01/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1983年(底本1980年)刊。対米開戦回避に奔走し、戦後は天皇御用係として天皇訴追回避に全力を傾けた外交官寺崎英成(が、彼の属性には謎も。スパイとの風聞)。彼の妻は米国人グエン。戦前は悪化する日米関係の中、激動の上海・北京にて、また、戦中から占領期は日本にて苦難に満ちた生活を。彼女とその子マリコの数奇な半生を描写する本書では、前半はグエンが滞日米国人であるゆえの苦難を、後半はマリコが民主党の政治活動に夫ともに邁進する様子を描述。後者の具体的実態は個人的に新奇。「架け橋」との言葉が秘める意味は重い。

Posted by ブクログ

2016/10/30

 「マリコ」は、何とか開戦を食い止めようとする外交官たちによって、日本に対する「アメリカ側の出方、態度、反応…」(p.80)を意味する暗号として使われた。この暗号の元となった実在する「マリ子」と、外交官の父寺崎英成、アメリカ人母グエンのノンフィクションがこの小説。前半は英成とグエ...

 「マリコ」は、何とか開戦を食い止めようとする外交官たちによって、日本に対する「アメリカ側の出方、態度、反応…」(p.80)を意味する暗号として使われた。この暗号の元となった実在する「マリ子」と、外交官の父寺崎英成、アメリカ人母グエンのノンフィクションがこの小説。前半は英成とグエンの出会いから、マリ子の誕生、英成の仕事ぶり、開戦、白い目で見られながらも日本で生き抜いたグエンの物語。終戦後の後半は、主にアメリカ現代史を背景に、政治活動に参加していくマリ子自身の物語。  以前の職場の上司から紹介されたのを何となく覚えていて、その後どこかの古本屋で10円で投げ売りされていたので買った。そこからおそらく5年以上は読まないままになっていたが、ふと最近読んでみた。そもそもノンフィクションということも知らなかったし、こういう小説はあまり読んだことなかったけれど、とても面白かった。  まず前半のはじめは英成の話が中心だが、外交官という立場で「日本人の権益拡大に力をそそいだが、思想的にはけっして侵略主義者ではなかった。愛国心が強く、大和魂を重んじたが、時流に乗った軍国主義と軍国主義者を嫌っていた。」(p.49)という部分がかっこいいと思った。愛国者だけれども決して「軍服を笠に着て虚勢を張る軍人」(同)とは一線を画し、相手が日本の軍人であっても物怖じせず道理を通し、穏健な国際協調路線を目指そうとする態度に共感を覚えた。また、大使という人は、「交通通信機関が発達した今日においては、『伝達者』の役割が濃厚になっているが、戦前においては、一刻を代表する十九世紀的『交渉者』の性格が、まだ強く残っていた。」(p.83)という部分で、当時の、日本と諸外国のパイプ役として活躍した知られざる大使の姿を知ることが出来た。あとはやはりグエンの生き方というものに感動する。  全体として前半は日米開戦、戦時中といった緊迫感があって面白く読めたが、後半のマリコの話はそれほどの緊張した感じもなく、ただマリコの活動の様子が分かる、といった内容になっていて、やや後半は退屈してしまった。それでも、ノンフィクションというのをあまり読んだことがないが、まるでその時その場所にいたかのようなリアルな描写はすごいと思った。(2016/10)

Posted by ブクログ

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