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決断の条件 新潮選書
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 1990/05/01 |
| JAN | 9784106001741 |
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商品レビュー
3.8
5件のお客様レビュー
人は日々何らかの決断をしている。しかし「決断の本質とは何か?」を深く真剣に考えたことがあるだろうか? 気が付かないうちに意志決定を行っているという怖さ。 自分自身のことだけならば、それでもよいかもしれない。 しかしそれが、戦争のような重要な決断だったらどうだろうか。 そこまで極端...
人は日々何らかの決断をしている。しかし「決断の本質とは何か?」を深く真剣に考えたことがあるだろうか? 気が付かないうちに意志決定を行っているという怖さ。 自分自身のことだけならば、それでもよいかもしれない。 しかしそれが、戦争のような重要な決断だったらどうだろうか。 そこまで極端な事例は想像しづらいかもしれないが、日々仕事で行っている小さな決断が、実は大きな結果に影響を及ぼしていると思うと、少し見え方が変わるのではないだろうか。 決断の大小に関わらず、人間が「何かを決めている」という行為では同じことだ。 当然、時に迷い、時に間違う。 正しい決断をすることは、大小に関わらず実は非常に難しいことなのだ。 ついつい無意識に決断してしまうこともあるかもしれないが、そこは改めて「決断そのもの」について、一度真剣に考え直した方がいい。 「決断することとは、何なのか?」 この問いを深掘りしてみることが重要なのだと思う。 「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」とは、ドイツの鉄血宰相と言われたビスマルク氏の言葉だそうだ。 「人が決断する」という行為にも、歴史があり、様々な格言がある。 本書では、マキャベリの「君主論」も数多く引用しているが、確かに参考にできるだろう。 さらに韓非子の言葉も引用している。 それらに追加して、著者ならではの解釈というか、意見を交えて展開している。 つまり、単純な解説本ではない点が、ある意味で面白い。 日本では「だます方が悪人。騙される方が善人」という感覚だが、これは日本だけの基準で、海外では逆だという。 圧倒的に「騙される方が悪い」という価値観の方が主流なのだ。 これは小さな事例かもしれないが、こんな知識も知っているか知らないかでは、グローバルでビジネスする場合の決断は大きな違いとなる。 「弱きを助け、強きを挫く」も日本人ならではの考え方かもしれない。 アメリカ人には「人々を助ける人がヒーローだ」だという価値観があるかもしれないが、日本人の感覚とは少し違う気がする。 こういう根付いてしまった価値観に対して、どういう決断をしていけばよいのか。 冷静に考えて、「世界の考え方は逆かもしれない」と想像しながら、決断していく必要があるということだ。 本書内では、数々の戦い方(戦術)についても、意見されていた。 その場面において、ある戦術を選択するという決断。 人間の脳は、そもそも複雑なものを処理できないから、物事を単純化して考えたり、時には思考停止して、問題を先送りにしたりする。 単純化することで決断しやすくする訳であるが、当然大事な部分が省略されてしまう弊害もある。 織田信長の「桶狭間の戦い」は有名な合戦であるが、これは奇襲作戦だったらしい。 信長は、以後一度も奇襲作戦は使わなかったということだが、これは奇襲で勝っても、本当の勝利ではないと思っていたからだそうだ。 その考え方は合理的と言えるのか。 信長の考える本当の勝ち方とは、「勝ち得る条件を先に作っておく」ことだそうだ。 偶然の要素を、出来る限り排除して、合戦に臨む。 つまり「絶対に勝つ」という状況を、先に準備しておくことが大事。 当たり前であるが「孫子の兵法」そのままである。 「戦略」とは、まさに「戦わずして勝つ」ことに他ならない。 奇襲は、勝つか負けるか、成功するか失敗するかも分からない悪手だというのが、信長の考え。 戦いの本質を見抜いているからこその、考え方と言える。 ビジネスでも「スピードが命」「先手必勝」とばかりに闇雲に進む場合があるが、一歩引いて物事を見る冷静さも必要だろうと感じる。 そもそも感情的になれば、正しい意思決定はできないはずだ。 信長は激昂型として知られているが、本当は冷静に考えて行動していたようにも感じる。 そうでなければ、天下統一まで上り詰める前に、とっくに敗北していたと思う。 勝つために冷静さを保つことは、絶対に必要。 ビジネスでも、感情的な上司が嫌われるのは、それが理由だ。 私自身「冷静さを欠いてないか?」と自問自答する日々である。 できるだけ感情的にならないで、広い視野で、視座高くいたいものだ。 (2025/2/15土)
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――――――――――――――――――――――――――――――○ 自分の決断に関係してくる人々の気持ちになり、関係者への配慮なしに、一人合点を決断力と勘ちがいし、みじめな失敗に終る人が何と多いことであろう。48 ――――――――――――――――――――――――――――――○ 『六韜...
――――――――――――――――――――――――――――――○ 自分の決断に関係してくる人々の気持ちになり、関係者への配慮なしに、一人合点を決断力と勘ちがいし、みじめな失敗に終る人が何と多いことであろう。48 ――――――――――――――――――――――――――――――○ 『六韜』の教えは、もう一つ、相手国の賢臣・忠臣と腹を割って事を談じてはならないという教訓にもなる。そんな人間が自国に不利で、こちらに有利なことをしてくれるはずがないからだ。そんな人と腹を割って何もかも話し合い、事を処理したと思っている場合は、大抵相手の術中に陥ったので、自分が自国に対する「裏切り者」となっているのである。相手は自分を「悪臣」とは思わないまでも、「賢臣」ではないと断じていることは確かであろう。119 ――――――――――――――――――――――――――――――○ このような情報過剰時代には、その情報が正しいかどうかは、その情報をもたらしたものが、はっきりしたその情報に対する態度、判断を持っているか否かにかかわるということである。190 ――――――――――――――――――――――――――――――○
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決断には、清水の舞台から飛び降りるなどということではなく、冷静な現実把握と計画を実行する知的能力が必要である、などなど。マキャベリを中心として、韓非子、六韜など中国の古典も交えて、決断に関わる事例を紹介しつつ、決断の条件を端的に示してくれる。決断が苦手で、孤独な思考が苦手な、日本...
決断には、清水の舞台から飛び降りるなどということではなく、冷静な現実把握と計画を実行する知的能力が必要である、などなど。マキャベリを中心として、韓非子、六韜など中国の古典も交えて、決断に関わる事例を紹介しつつ、決断の条件を端的に示してくれる。決断が苦手で、孤独な思考が苦手な、日本人の意識構造にもふれていく。読んでいて、身にしみる。頭が痛い。必読の本だと思う。
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