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日本的革命の哲学
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日本的革命の哲学

山本七平(著者)

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日本的革命の哲学

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 祥伝社
発売年月日 2008/02/01
JAN 9784396500962

日本的革命の哲学

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2012/03/08

象徴天皇制と日本独自の規範による「関東御成敗式目=貞永式目」という 固有法の制定とその秩序を施行した唯一の人が北条泰時であり その思想の背景にいたのが明恵上人であったらしい 1224年から鎌倉幕府を支えた三代目の執権であり 合議制を取り入れ天皇を象徴として政治と宗教を分離...

象徴天皇制と日本独自の規範による「関東御成敗式目=貞永式目」という 固有法の制定とその秩序を施行した唯一の人が北条泰時であり その思想の背景にいたのが明恵上人であったらしい 1224年から鎌倉幕府を支えた三代目の執権であり 合議制を取り入れ天皇を象徴として政治と宗教を分離し その法は「罪を憎み人を憎まず」 現在にもまして民主的で刑罰も軽く 見せしめやイベント性や残酷さの薄いものだったと言う しかしその結果として得た平和は それと矛盾する商業資本と高利資本の活動を伴うということになる 庶民の意識が伴わない頭でっかちによる宛がい扶持の民主制は 先の見えない利己的な欲による自殺行為を働き元も子も無くそうとする 依存の強い人間が目先の欲と恐怖に追い立てられるのは今も続いている事だが 武家社会に移る革命の中で本音の民主的思想を貫いた泰時は 世界に先駆けた変革をしたことになり その人間的で寛容な思想は現在もなお日本人の心に道徳として沁み込んでいる 融通の付く性格がときに曖昧でズルイと他民族から誤解されることにつながる 誤解する側は人間不在の物文明が自然の変化に沿って生まれる秩序を押し退け 一方的で融通の利かない法律という言葉で支配しようとする 秩序(ナチュラルオーダー)と法律(管理型ロー) 流動的な自律心による秩序と拘束的な外圧による法律 法が堰き止めるだけのダムとなるか暴走を防ぐだけの森となるかで 社会とその主役であるはずの構成員の自由と調和を可能にもするし阻止もする 法が全員の自主性によるものであれば納得された道徳的秩序(オーダー)となり 法が宛がわれたものでお互いに対立して競争に走れば文字通り力による支配となる 納得による秩序の世界にはもはや外なる圧力などなく 互いの自由な関係によるシンプルな社会がある 過去も未来も今現在に視点をおいて描いた思いであれば 発信も受信も今を中心にして放射状に行われる お互いの発信と受信が立体三次元に織りなして遣り取りしながら その結晶を発展させていく 裁判か示談か・法律か談合か 情状酌量のある大岡裁きか法規と前例に乗っ取った冷徹な形式的裁きか 大きすぎる国家など、顔の見えなくなった組織に属すことなく 目の前の現実的な事実に対して 人間身ある組織の基で道理による納得とゆるしがあれば 束縛のない自由な関係の中でおのずと個人と組織が一致した方向を見出して解決できる 法は最終的なセーフティーネットとしての目安に過ぎなくなり いたって自然な関係の中で個性を十分に発揮しながら活きられる社会を 創造することができる 日本には自分たち自身が自分を支える意識を育てて 自律した心を持ちさえすれば いつでも法律に頼らない自由と秩序の両方を手に入れる下地を 持っていると言うことのようだ それにはまず多数決の論理を止めて 適正規模の集いをフラクタルな結晶体の連続でイメージして 社会組織を創り直さなければならない つまり地域の分権から順々に殻を脱ぎ捨てていく勇気を養う必要があるのだろう

Posted by ブクログ

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