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世界短編傑作集(3) 創元推理文庫
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世界短編傑作集(3) 創元推理文庫

江戸川乱歩(編者)

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世界短編傑作集(3) 創元推理文庫

660

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社
発売年月日 1960/12/02
JAN 9784488100032

世界短編傑作集(3)

¥660

商品レビュー

4.2

11件のお客様レビュー

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2022/11/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

『阿津川辰海 読書日記』攻略の副産物。 地元の図書館には置いてなかったけれど、足を延ばした先に発見。旧版だけど。 どれも一昔どころか、もう一息で100年前の作品ばかりかつ短編なので、現代ミステリと比べるとトリックやプロットが淡白である感は否めない。 でもやっぱりそこに宿る力は侮れない。 ”茶の葉”なんかは驚くべきことに先日読んだ『アンデッドガール・マーダファルス1』のトリックに受け継がれていたし、”二壜のソース”のうすら漂う予感から結末へのゾワゾワ感、”完全犯罪”のいつの間にかひっくり返されてる感なんかは時による色褪せを感じさせず、今読んでも全然楽しめる。 そしてやっぱり”偶然の審判”。 『毒入りチョコレート事件』を読んでいるだけに大いに感慨深いものがあった。 ”別解”に対する自分のあやふやな感じ(あれ、この解ってあった気がするけど。。。でもそもそも毒入りチョコレートなかった説は新鮮に感じたので、そこか!?やばい、ついこの間読んだばかりなのに憶えていない。。。あ、結末がか。)はさておき、『毒入り~』とほとんど同じ骨格を成す物語故に、ここからよくもまぁ6つの多重解決を含ませる物語に膨らませたなぁと。 ただ単に膨らませるだけでなく、多重解決にするために隙を作りつつのことであろうに。 と、改めて良くできた作品だったなぁと回想。

Posted by ブクログ

2021/03/18

・アントニイ・バークリー(フランシス・アイルズ) 「偶然の審判」は「毒入りチョコレート事件」の原型 ・パーシヴァル・ワイルド 「堕天使の冒険」…トランプ詐欺を描いたもの

Posted by ブクログ

2014/11/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

短編ミステリーアンソロジーの第三巻。本巻には1920年代後半の話が収録されている。 「キプロスの蜂」 アントニー・ウイン 医師探偵のヘイリー博士がキプロス蜂を使った毒殺事件に挑む話。1920年代に既にアナフィラキシーショックを組み込んだトリックが存在したことに驚きである。 「堕天使の冒険」 パーシヴァル・ワイルド イカサマのために印を付けられたトランプを巡る話。探偵役のビルとその相棒で探偵役にチャレンジするもうまくいかないトニイのかけ合いも楽しいが、話が進むと共に過去編に入っていく展開が秀逸。クラブのトランプに細工しようとしたら既に全トランプが細工済みだったなら、そりゃ驚くよ。 「茶の葉」 E・ジェプスン&R・ユーステス 浴室で緑茶を飲んでいた男が心臓を刺されて殺されたが、凶器が見つからない話。トリックは現在でも非常に有名なものだが、元ネタが本作であることは始めて知った。江戸川乱歩にも「古典的名編」と呼ばれている。人が死ぬ事件が起こったにも関わらず、誰も悲しまない完全なハッピーエンドで終わる話はかなり珍しいと思う。 「偶然の審判」 アントニイ・バークリー 準男爵のサー・ウィリアム宛に送られた毒入りのチョコレートが偶然他人の手に渡り、事件を引き起こす話。バークリーは長編「毒入りチョコレート事件」で有名だが、本短編はそちらのプロトタイプ版で、事件の内容はほとんど同じなのだがトリックや犯人は全く違うのが面白い。同じ題材でも長編と短編では料理法が異なるという好例でもある。 「密室の行者」 ロナルド・A・ノックス ミステリーの十戒で有名なノックスの密室短編。食料がたっぷりある密室で餓死するという、異様としか言い様のない状況下でのトリックに迫る話。状況もさることながら、トリックも大胆極まりない。犯行においてかなり残酷な事が行われているのだが、全体的に淡々と話が進むためか不快感をあまり感じない不思議な作風だった。変なインド人には気をつけよう。 「イギリス製濾過器」 C・E・ベチョファー・ロバーツ ローマで老いぼれた教授が、自慢のイギリス製濾過器で濾した水を飲んで死ぬ話。イギリスから来た客人にイギリス製の製品を見せても、あまり感動してくれないと思うのだが。それから、古代ローマにはグラスで酒を飛ばすコッタボスという遊戯があった事はしっかり覚えた。 「ボーダー・ライン事件」 マージェリー・アリンガム 街頭で男が射殺されたが、倒れている位置的に容疑者の犯行が否定されてしまう話。ボーダーライン事件という題名が全てを物語っている。明快でよろしい。 「二壜のソース」 ロード・ダンセイニ 少女が行方不明となり、恋人の男が疑われるが死体の隠し場所が分からない話。最後の一行で戦慄させるタイプの作品としては全ミステリーの中でも最高峰の傑作で、正直このシリーズ全五巻の中でも一番怖かった。中島河太郎が絶賛するのも納得である。 「夜鶯荘」 アガサ・クリスティ 素性の分からぬ男と結婚した女性が、男が連続殺人鬼ではないかと疑い始める話。妻の心情がリアルに描かれているために緊迫感のある雰囲気から、最後の鮮やかな逆転劇に至るまでの流れが見事。 「完全犯罪」 ベン・レイ・レドマン 世界でもトップクラスの偉大な探偵ハリスン・トレヴァーが、完全犯罪を論じているうちに些細なきっかけから完全犯罪を実行に移す話。最後には意図せぬ形で完全犯罪を完成させてしまっており、何とも言えない迫力が感じられる。作中に出てくる日本人タナカが口にする諺「フジサンニ、ノボッタラ、サゾ、トークマデ、ミエルデショウ」は日本人の自分でも聞いたことがないので、恐らくタナカオリジナルの諺だろう。 三巻収録の作品は、トリックの意外性や不気味さなどで際立った作品が多く、シリーズの中で一番気に入っている。特に「茶の葉」から「完全犯罪」に至るまでの八作品の流れは、今まで読んできたどの短編アンソロジーより豪華だと言える。一番気に入っているのは「密室の行者」、次いで「二壜のソース」、「茶の葉」、「完全犯罪」。

Posted by ブクログ

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