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ペドロ・コスタ 遠い部屋からの声
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ペドロ・コスタ 遠い部屋からの声

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 せんだいメディアテーク/地方小出版流通センター
発売年月日 2007/03/01
JAN 9784990210854

ペドロ・コスタ 遠い部屋からの声

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2010/11/13

2005年にひらかれた「ペドロ・コスタ 世界へのまなざし」の記録集。 この映画監督の名前と「ヴァンダの部屋」という映画の名を、私は「中村のイヤギ」を撮った張(ちゃん)さんから聞いた。 ▼伝えるというのは、自分が見たものや考えたことだけでなく、昔の人々はどのようだったか、海の向...

2005年にひらかれた「ペドロ・コスタ 世界へのまなざし」の記録集。 この映画監督の名前と「ヴァンダの部屋」という映画の名を、私は「中村のイヤギ」を撮った張(ちゃん)さんから聞いた。 ▼伝えるというのは、自分が見たものや考えたことだけでなく、昔の人々はどのようだったか、海の向こう側ではどうか、この場所で何を苦しんでいるのかといったことを相手に語る、ごく慎ましい作業のことだ。(「敷居をまたぐ瞬間」p.95) 映画をつくる上での「根気強さ」のことをペドロ・コスタはこう語る。 ▼ 現代の映画作りにおいては根気がなくなってしまいました。根気こそ職人仕事に必要なものです。どうすればうまくいくのか、こうしたほうがいいのか、迷う。そしてうまくいく方法を探すこと、これが職人の仕事です。いま人々は何も探せなくなってしまいました。何もかもがもうできあがっているからです。すべての映像も感情ももうできあがっている。それを見て感じて、また見て、と繰り返すだけです。今日映画作りを志す若者にとっては、すべてができてそこにあるのと同時に、彼は何ももっていない。こういう状況がいま起こっているのではないでしょうか。若者たちの目や視線にあまりにも多くのものが呼びかけてくるから、そのために彼らは何を選んでいいのかわからない、選べないという悲劇的な状況にあるのです。(pp.29-30、「注意と情熱」ペドロ・コスタ×蓮実重彦) しつこさと言ってもいいのかもしれない。「どうすればうまくいくのか、こうしたほうがいいのか、迷う」ことは、時間もかかるし、迷うあいだの自分の不安定さみたいなのを耐えられるか、というのもあると思った。 これでいいのか、この表現でいいのか、こう書いていいのか…原稿を書き、記事を書くときにはいつもいつも迷う。迷うことなくスパッと書けたらと思うこともあるけど、根気づよく、迷おう、と思った。 私はこの人の作品をひとつも見ていないけど、「ヴァンダの部屋」の贅沢さについて語った、こういうところを読んで、見てみたいなーと思った。 ▼ あの映画のなかの贅沢さとは、ふんだんな時間、じっくりと待つ根気、そして人々のあいだに存在する分かち合いです。今日、これらの三つの側面は、映画という職業、映画の世界、映画産業がことごとく捨て去ってしまったものです。映画産業ではいつも時間がない。時間はお金がかかりますから、すべてを早く片付けねばならない。そして、根気のよさもこの世界から完全に消え去ってしまっています。誰かとともにあるためには、時間をかけることと根気のよさが二つの必要条件になるのです。(p.37、「二度生まれた映画作家」ペドロ・コスタ×蓮実重彦)

Posted by ブクログ