- 新品
- 書籍
- 新書
終わりよければすべてよし 白水Uブックス25シェイクスピア全集
990円
獲得ポイント9P
在庫なし
発送時期 1~5日以内に発送
商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 白水社 |
発売年月日 | 1983/10/01 |
JAN | 9784560070253 |
- 書籍
- 新書
終わりよければすべてよし
商品が入荷した店舗:店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
お客様宅への発送や電話でのお取り置き・お取り寄せは行っておりません
終わりよければすべてよし
¥990
在庫なし
商品レビュー
3
5件のお客様レビュー
10月に新国立劇場で行なわれるシェイクスピア、ダークコメディ交互上演の予習として読みました。 英文科だったのでシェイクスピアは『オセロー』、『冬物語』なんかを授業で読んでおり、わりと好きだったりします。実際読んでみるとどれも話の展開がおもしろいんですよね。 台詞に関しては...
10月に新国立劇場で行なわれるシェイクスピア、ダークコメディ交互上演の予習として読みました。 英文科だったのでシェイクスピアは『オセロー』、『冬物語』なんかを授業で読んでおり、わりと好きだったりします。実際読んでみるとどれも話の展開がおもしろいんですよね。 台詞に関しては原文は韻をふんでいたり比喩も多いのでなかなか難しい。これは役者さんが流暢に語ってくれてこそ耳にスッと入ってくるものなのでしょう。 原文はほとんど古文のようなもので現代英語ともだいぶ違う。小田島雄志さんの訳は掛け言葉や韻をダジャレのように訳していて、元の意味よりも読んだときに楽しめるようにだいぶ意訳していると思われます。 新国立劇場ではこの小田島訳が原作として使われるようですが、さすがにこのままだと舞台の台詞にはならないので(文字として読んで理解できても耳で聴くと理解しにくい台詞が結構ある)そこはまたいろいろ変更されるのかな。 『尺には尺を』、『終わりよければすべてよし』、どちらもシェイクスピアの問題作と言われるだけあって結末の展開が強引すぎるし、複雑な性格と言ってしまえば聞こえはいいけど捉えどころが難しい登場人物だったり、話自体は難解ではないけれど演出によってだいぶ印象が変わってきそうな物語です。 岡本健一が『尺には尺を』で演じるアンジェロは自分の正義と欲望の狭間で揺れる人物、というか婚約者を捨てておいて若い娘を口説く一方で婚前交渉をした男を死刑にしようとする為政者。健ちゃんがこれをどう演じるのか楽しみです。 男闘呼組ファンからは「王子」とか「フランソワ」と呼ばれる健一さんが『終わりよければすべてよし』で死にかけたフランス王を演じるという配役もまた興味深い。 二作とも中嶋朋子とソニンが演じる2人の女性との間で「ベッド・トリック」があり、私が観劇予定の日には学校団体が入るそうなんですが(学校で劇を見させられたりするあれですね)、「処女」とか「貞潔」なんて言葉が飛びかうこの芝居を今どきの学生たちがどう見るのか、こちらもちょっとドキドキします。 (シェイクスピア時代の倫理観、けっこうひどい。) 以下、引用。 10 泣くのはもうおよしなさい、ヘレナ。いつまでも泣いていると、ほんとうに悲しんでいるというより見せかけの悲しみと思われますよ。 見せかけてもいますが、ほんとうに悲しんでもいます。
Posted by
解説によれば、『トロイラスとクレシダ』、『尺には尺を』と近い時期に書かれた作品との説があり、確かに類似している。『トロイラス』の方は全然覚えていないが、『尺には尺を』とは計略?により結婚して終わるあたりなど、筋としても似ている。とはいえ、作品全体としての強度はそれほど高くはなく、...
解説によれば、『トロイラスとクレシダ』、『尺には尺を』と近い時期に書かれた作品との説があり、確かに類似している。『トロイラス』の方は全然覚えていないが、『尺には尺を』とは計略?により結婚して終わるあたりなど、筋としても似ている。とはいえ、作品全体としての強度はそれほど高くはなく、軽く読める作品。
Posted by
シェークスピアの喜劇。タイトルからして気に入った。登場人物の道化役がその喜劇性を前面に出すように感じるが、ただ読み進めると喜劇というか、人間の愚かさ滑稽さを浮かび上がらせるアイロニカルで教訓めいたドラマ。主人公ヘレナの誠実さというか謙虚さがちょっと回りくどいのは国柄の違いか時代の...
シェークスピアの喜劇。タイトルからして気に入った。登場人物の道化役がその喜劇性を前面に出すように感じるが、ただ読み進めると喜劇というか、人間の愚かさ滑稽さを浮かび上がらせるアイロニカルで教訓めいたドラマ。主人公ヘレナの誠実さというか謙虚さがちょっと回りくどいのは国柄の違いか時代の違いか訳の問題かわからないが、個人的にはやや鼻に付いたが、それはたいした問題ではないだろう。 批評史ではその時代背景によって解釈が異なるようで、社会背景の変遷がそういった解釈の違いの原因としているところは大変興味深い。
Posted by