「物理」を楽しむ本 力学の基礎から電磁気学・量子力学まで PHP文庫

井田屋文夫【著】

• 販売会社／発売会社: PHP研究所
• 発売年月日: 2007/11/19
• JAN: 9784569669137

商品レビュー

2023/02/01

力学・熱力学・波動・電磁気学・量子力学・相対性理論の六つの章にわけて、基礎から丁寧に説明してくれる本。なるべく数式を使わずに言葉で説明する方針のため、逆にいつもさらっと数式で流しているようなところで戸惑ってしまったくらい。
はかりの上に水の入ったコップを置いて、そこに指を入れるとどうなるか＝指の体積分の水の重さだけはかりの目盛りが増える。など、ちゃんと考えれば当たり前だけど、改めて言われると一瞬考えてしまうような身近な例も多数。
さすがに相対性理論のあたりは数式も使いつつだけれど、各章基本的な考え方をわかりやすく解説してくれている。

2009/11/27

『絵の具の色は、反射光の色なので、赤の絵の具なら、赤色付近以外の色を吸収していしまう。このため、光の三原色を混ぜると白色になるのに対し、絵の具を混ぜると、すべての色を吸収してしまい黒色になる。』

典型的な科学読本。結論から言うと、説明もわかりやすいし、導入もうまいし、文章も下手じゃないし、普通におもしろかったんじゃないかと。ただ、やっぱり電磁気学、量子力学あたりの分野は娯楽的に記述するのは難しいんだなって改めて実感した。現実味がなさすぎるっていうか、むしろ現実味がありすぎて社会性から逸脱しすぎているっていうか。ゆとり的に物理を教えるにはやはり力学が格好なんだろう。