商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 角川グループパブリッシング |
発売年月日 | 1984/03/01 |
JAN | 9784041371329 |
- 書籍
- 文庫
湾岸道路
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湾岸道路
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商品レビュー
4.4
10件のお客様レビュー
- ネタバレ
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20240626 湾岸道路 片岡義男 FXSTC・ソフテイル https://www.youtube.com/watch?v=zbvR2OVg1ms https://filmarks.com/movies/31030 草刈正雄と樋口可南子 いわゆる片岡男女とはちょっと違う気もするがこれはこれでかっこいい ビデオソフトにはなってないらしい 観たいな 原作は未読だった 20240708 湾岸道路 文庫持って来るの忘れたが電子版にあったのでそっちでスタート 字が大きのでむしろこっちのほうがベター 20240710 妻が一晩体を売ることを夫婦で楽しんでいるくだり これは女性から見てもどうなんだろう 男から見てもちょっと驚くところがある それを表面的に捉えてとんでもないことだと言うのは簡単だ ただなぜ片岡がこういう描写をしたかだ あえてそういうものを入れたのではないかと言う気もする あの頃の時代だったらどうだったんだろう? どう受け止められたんだろう? 片岡は時々こういう特に性に関してインモラルな描写を入れてくる 描写じゃなくてシークエンスかな あの頃の時代でもやはりちょっとありえないことなのであればなおのことあえてそういうのを入れてきたと言う可能性はある だったらあの頃の性(ではなくてうーんなんだろう?)に関する意識 とくに若者の意識について調べてみると言うのもありだろう 何事もファーストインプレッションは大事だけれどファーストインプレッションだけで判断してしまうのもどうかと言う気もする まあ俺が片岡が好きで贔屓目に見てるところもあるんだろうけれども 20240717 杉本と芙美子の別れの一日 朝から晩まで YouTubeで動画見たこともあってイメージしやすい なんとも胸を突かれた 締め付けられた どういう感情なのか自分でもよくわからない いろいろなことを思い出す 小説でこんな気持になったことあったか? 20240718 これは芙美子の物語 芙美子が口惜しさをオートバイで乗りこえていくのがテーマ なので杉本は途中でその口惜しさを彼女に残しつつ退場しなければいけなかった だからああいう形で離婚した それをどう受け止めるかは読者しだい 片岡作品の免疫がない人には 「なんだこれは? なんてひどい男だ! そしてそんなことをされてこんなにクールな女性がいるものか だから片岡女は! まったく」 というふうになるだろうか 20240718 とても良い小説だった もしかすると最後に杉本と再会するかもと思ったがさすがにそんな事はなかった やはり芙美子は杉本と別れたあと悲しみとみじめさを感じていたのだった そしてそこからひとりで ボディービルディングのコーチやオートバイの中村の力を借りながら ひとつずつ自分を立て直していった その過程がとても良い 体を鍛え自分の中に新たな体が出来上がることを感じ そしてオートバイをお買い物バイクから順番に徐々に乗りこなし免許を取り限定解除をとって杉本と同じハーレーを乗るようになる 別れた日から1年後まったく同じシチュエーションで湾岸道路に入っていく そこからの描写はバイク乗りには多分たまらないのであろう そして湾岸道路を走り終えた芙美子はおそらく杉本がそうしたであろうように北へ向かおうと決める その前にコーヒーを一杯だけ飲むためにファーストフードの店に入っていくところで物語は終わる とにかく読んでるあいだじゅう いろんなことを思い出した 楽しかったこともあったし辛かったこともあった それもあってあまり小説を読んで感じたことのないような何とも言えない感情がずっとあった その意味でもこの小説はちょっと今までの片岡の作品とは違って特別なものなのかもしれない 手放しで★5というわけにいかないんだけれども★4.7とした 芙美子の自分に対してとてもストイックな姿勢 これは片岡作品の女性に共通してるんだけども ストイックに自分を自立(自律)させていくところ 自分を鍛えていくところ これは今俺も体を鍛えていこうと思ってるところだったのでとても共感した 今日EvernoteからNotionにインポートをしているところでYからのメッセージを偶然発見した これも何かの偶然というか印というかだったのかもしれない いろんな意味でとても記憶に残る作品だった やっぱりオートバイ乗りたくなる 千葉方面に向けてサイクリングをしよう 杉本と芙美子が別れたたところからどこまで行けるか計画をしてみよう 湾岸道路をロードバイクが走れるかどうかわからないけれど とにかくそこからどうやって行けるか調べてみよう 女性が主人公でとてもガツンと来た作品ってあったっけ その辺もちょっと特別に感じた理由かもしれないな
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杉本控えめに言ってどストライク…… 滝の近くの古本屋さんのやさしい店主が レジで これ面白いですって言ってくれたから 読むのワクワクしてた 楽しみすぎて 一瞬で終わってしまった
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男は、女は、ということはあまり受け入れられない世の中だけれど、誤解を恐れずに言うと男の愉しみ、女の愉しみというのはあって、男のための小説というのもある。例えばヘミングウェイやフィッツジェラルドやピート・ハミルが描くハードな影に潜む哀しさなんていうのは男でこそ分かるロマンチシズムだ...
男は、女は、ということはあまり受け入れられない世の中だけれど、誤解を恐れずに言うと男の愉しみ、女の愉しみというのはあって、男のための小説というのもある。例えばヘミングウェイやフィッツジェラルドやピート・ハミルが描くハードな影に潜む哀しさなんていうのは男でこそ分かるロマンチシズムだし、片岡義男の小説の格好良さもそう。 ただただ映画のワンシーンのような格好良さを描きたいがために筋書きやリアルさを欠いていても、あぁこれでこそ片岡義男だし、その不完全さは彼だからこそ許せる。なんでただの事務員やジムのインストラクターが代々木公園とか東横とかから徒歩数分の数LDKに住んでクライスラーとか乗って海外旅行や高級レストランの外食しまくってんのかという指摘は彼にとっては野暮なもの。行動倫理は格好いいのただ一つ。急に離婚を切り出しバイクでいなくなった男を追って、買い物魔の美人がハーレー買って練習し、別れた日に別れた場所と同じところから湾岸道路に向かって走り始めるなんて格好良さ以外のなにものでもない。 スローなブキにしてくれやさしむかいラブソングといった傑作に並ぶ一つだと思う。 ところで、彼の小説の口調は男も女もなんで少し変で、すごく優しさを感じるのだろう。
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