虫めずる姫の冒険 スプラッシュ・ストーリーズ1

芝田勝茂【作】, 小松良佳【絵】

• 販売会社／発売会社: あかね書房
• 発売年月日: 2007/10/26
• JAN: 9784251044013

商品レビュー

2009/02/21

面白いー。児童書版「なんて素敵にジャパネスク」という感じ。
うまいなー、この作者！
子ども向けの分かりやすい言葉。うまい説明の具合。太子さまと法隆寺という理想。神（仏）に仕える身ながら、欲を向きだしにして堕落している敵。虫飼いの翁という＜導師＞、けらら丸という男の子、何より自分らしく生きたいと輝く主人公の虫めずる姫（秋津子という名前があるのに）。おとなりの姫のちょうめずる姫っていうのも面白い。時代特有の世界観もうまく説明してあるし、それをきちんと物語にしてる。うまいよ〜！著者の他の本も読みたいかも。
しかし、説明でいきなり、メインストリート、パレード、サロンとかカタカナが出てきても違和感ないのがすごいよ。

１　葵祭り
２　スズメバチ
３　大納言の姫君
４　斑鳩の里
５　金剛虫
６　おとなりの姫君
７　斎院のやかた
８　東か西か
９　三の蔵
１０　夢殿の赤い霧
１１　夜のたたかい

2008/02/16

　『堤中納言物語』の『虫愛づる姫君』をイメージされた平安ファンタジー。葵祭りの行列の中心、斎院の輿をスズメバチが襲う。それを助けた虫めずる姫とけらら丸。スズメバチの群れを導く謎の虫をめぐり姫は斎院の目的に迫る。
　１冊でいろいろと勉強になるなーというお話でした。香炉峰の雪〜とか玉虫厨子など子供には難しいと思います。でもそれを説明だよという感じで書いているのではなく物語の中でうまく絡めて自然と読めるのがすごいなと思いました。あと、おとなりの蝶めずる姫がかわいいです。もちろん虫めずる姫も元気でかわいいです。続きがでるといいなと思います。