商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 光文社 |
| 発売年月日 | 2007/10/20 |
| JAN | 9784334743185 |
- 書籍
- 文庫
龍臥亭幻想(下)
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龍臥亭幻想(下)
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商品レビュー
3.9
15件のお客様レビュー
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(上巻の感想からの続き) しかし、本作の目玉と云えば、やはり島田荘司氏2大シリーズの主役、御手洗と吉敷のコラボレーションだ。 とはいえ、この2人が邂逅するわけではなく、御手洗は下巻の211ページ、全体の6/7あたりで前回同様、電話での出演のみ。 しかし吉敷はもう物語も終盤を迎える段になって妻と子を迎えに貝繁村まで出て来て、実際に石岡と初対面するのである。 この趣向は両シリーズを読み通して来た者にとって、なんとも感慨深い、心憎い演出である。 『涙流れるまま』以降、吉敷と通子のその後をこんな形で知らせてくれるとは思わなかった。これこそ一級のファンサービスだろう。 そして吉敷は事件の1つを解決して去っていく。それも石岡から御手洗の残したヒントを聞いて。 両者のファンの中にはこのコラボレーションに物足りなさを感じる者もいるだろう。 しかし、私はもうこれだけで十分だ。強烈な個性の2人が一所に集まるよりも、石岡という緩衝材を間に介する必要があった方がいいと感じた。 そしてこの2人と石岡が挑む事件、これも豪腕島田氏の健在振りを強くアピールするものだ。 地震で起きた地割れで厚いコンクリートの下から出て来た死体。2つのバラバラ死体を合わせ、甲冑を着せた死体が甦り、悪を討つ。そして最後には100年前に行方不明となった森孝が現れる。 今回はもうほとんど論理的解決は不可能だと思っていた。実際、日照とナバやんの2つの死体を合わせて甦った森孝魔王の真相は石岡も解明できず、手記にて真相が暴かれる。 で、これら3つの大きな謎の真相だが、大いに偶然が重なっているなあとの印象が強い。『暗闇坂の人喰いの木』、『疾走する死者』、『北の夕鶴2/3の殺人』らに共通する豪腕ぶりだ。実に島田氏らしくて呆れるというより微笑ましく思った。まだこういう物を堂々と書く、その若さが嬉しく思った。 そう、そしてこの死体を繋ぎ合わせて1つの魔王を甦らせるというのは奇しくもデビュー作である『占星術殺人事件』のモチーフとなったアゾートを連想させる。 これは御手洗と吉敷を一同に会するために敢えて原点に戻ったということなのだろうか? これら謎の真相については首肯せざるを得ないが、やはり島田氏の物語の力は素晴らしいと思った。どんどんその世界に引き吊り込まれていく。そして必ず胸に去来するものがある。 こういうのを読むと推理小説は驚愕のトリックも大切だが、やはり物語があってのものだと実感する。 推理小説界の巨人とも云うべき存在においてその精神を失わない島田氏。 いやだからこそ巨人とも云うべき存在なのか。 もう一生ついていくぞ!
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御手洗くんと、吉敷さんが推理する。吉敷さんの妻道子が村に住んでるんだね。 真理子を殺したであろう菊川が、森孝の亡霊に殺されて、事件は一件落着。菊川は神官なのに、金貸したり、女性にいいよったり、みんな困っていたので、村には平和が戻る。 石岡くんも横浜へ帰る。 日本は車椅子が動きにくい話。車椅子で電車にはねられ亡くなった老人から石岡くんへ遺書が。で、事件の真相があきらかに。 村って。大変。
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