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新編 日本女性文学全集(第1巻)
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新編 日本女性文学全集(第1巻)

岩淵宏子, 長谷川啓【監修】, 渡邊澄子【編】

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 菁柿堂/星雲社
発売年月日 2007/08/23
JAN 9784434100017

新編 日本女性文学全集(第1巻)

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2025/06/16

ひとえに清水紫琴の文学を読みたい、それだけを目的として借りてきたので、他の近世初頭の女流作家の小説あれども其処には言及せず。お許しください。   先に「岡山エンタメ文学」において紫琴が岡山県備前市出身であることを知った。唯物論哲学者古在由重の母にして、幼き由重(9歳)に1910年...

ひとえに清水紫琴の文学を読みたい、それだけを目的として借りてきたので、他の近世初頭の女流作家の小説あれども其処には言及せず。お許しください。   先に「岡山エンタメ文学」において紫琴が岡山県備前市出身であることを知った。唯物論哲学者古在由重の母にして、幼き由重(9歳)に1910年のハレー彗星を見せ科学的物の見方と長期的視野を教えたのが、当時古在由直と結婚していた古在豊子(紫琴)だった。清水紫琴がかつては植木枝盛とも親交がある有名な女権論者だったこと、女性文学者のパイオニアだったことは「解説」としては知っていても、その「本文」は読んだことはなかった。詳しく知れば知るほど、これほど小説対象になりそうな女性は居ないし、映画として作っても華があると思う。けれども未だ清水紫琴を主人公にした小説は長短編ともに無い。 清水紫琴 略年譜 1868年(明治元年)備前国和気郡片上村に生まれる 1885年(明治18年)「不本意な」結婚 1888年(明治21年)植木枝盛「東洋之婦女」に序文 1889年(明治22年)2月離婚、男児誕生。大阪事件出獄者出迎え。以後影山(福田)英子と同志として親交。 1890年(明治23年)5月東京に出て『女学雑誌』探訪記者に。自由党党友活動。11月主筆、編集責任者に。明治女学校作文教師兼任。 1891年(明治24年)1月「こわれ指輪」(女学雑誌)発表。11月26日、大井憲太郎との間に男児家邦誕生。レイプによる出産と思われる。 1892年(明治25年)1月から8月にかけて脳病を患い入退院。この頃兄を介して古在由直と親交。10月「一青年異様の述懐」ほか発表。秋、農科大学助教授の由直と会費制で結婚式。 1893年(明治26年)9月長男由正誕生。以後、1901年次男由重、03年三男由良(05年没)、05年長女静子(同年没)、11年4男由信誕生(紫琴43歳)。以後、1901年まで、精力的に小説を書き継ぐ(1899年「移民学園」)。夫の要請により断筆。 1920年(大正9年)由直東京帝大総長。 1933年(昭和8年)65歳。紫琴、脳溢血により没。 1934年由直、脳溢血により没。 ⸺⸺以上、解説略年譜から更に略して記した。 最初の離婚(産んだ男児は元夫に取られたか)からの3年間は、羽が生えたように、女権論者として活躍した。初のフェミニズム小説と言われるものを発表直後に、自由民権論者の大井憲太郎にレイプされ、子を産むが、その時、憲太郎の恋人福田英子からは絶交される。脳病気(鬱病?)で入院している時に、真面目な理系学者の古在由直と出会い身分違いの結婚をする。対等な夫婦関係だったらしい。その後、四男一女をもうけながら旺盛な女流文学活動をするも、夫があまりにも偉くなって、断筆を余儀なくされる。しかし、子供たちは軍国時代にあって、比較的自由に成長し、特に古在由重は治安維持法違反で投獄されるも、母親は最後まで子供を励ましたという。どうです?小説に出来そうじゃ無いですか?岩井圭也さん、柳広司さん、朝井まかてさん、どうです? 「泣いて愛する姉妹に告ぐ」(1890「女学雑誌」) この年は第一回衆議院議員選挙が行われた。その国会傍聴規則に「婦人は傍聴を許さず」とあり、紫琴は条理を尽くして批判している。同じ帝国臣民の1人として、おかしいじゃないか!と。 「こわれ指輪」(1891「女学雑誌」) 一人称告白体、言文一致の離婚小説。彼女の私小説的側面あり、各新聞で幸田露伴、山田美沙、森鴎外らがこぞって「傑作」とした。1人の女性の自立を描く。日本最初のフェミニズム小説。 「1青年異様の述懐」(1892「女学雑誌」) 由直からの手紙をもとに青年の一人称として書いているが、紫琴が2児を不本意ながらもうけたこと含めて全て話しても、「真に貴嬢を敬愛する」と1982年に発見された本当の手紙にも書いているから述懐は真実である。内容的にはこれもジェンダー小説と言っていい。 「移民学園」(1899「文芸倶楽部」) 島崎藤村「破戒」よりも7年早く被差別部落民を素材とした作品。好奇心で被差別者に侮辱を与える作品はそれまでにも書かれているが、これは理想的に描かれている。「破戒」は賞賛される一方、こちらは一顧だにしてこられなかったのはおかしい。 後半3作品は青空文庫でも読める。気になった方にはお勧めです。

Posted by ブクログ