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日本人とは何か 講談社学術文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社/講談社 |
発売年月日 | 1986/10/01 |
JAN | 9784061580510 |
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日本人とは何か
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日本人とは何か
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商品レビュー
3.5
6件のお客様レビュー
この手の題名の本はいくつも読んだので興味と期待で入手してみたが、難しい。とても難しい。最初から最後までずっと難しかった。通勤電車の中で細切れに読むような本ではない。
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本書は小論8編が収録されたもので、まず「日本人とは何か」という短い小論(1958年)からはじまります。断片的な理解になりますが、著者が主張せんとしていることは、(多くの)日本人は超越的・普遍的な価値観ではなく、経験的・実践的な感覚に大きく依存することです。そして仏教、キリスト教、...
本書は小論8編が収録されたもので、まず「日本人とは何か」という短い小論(1958年)からはじまります。断片的な理解になりますが、著者が主張せんとしていることは、(多くの)日本人は超越的・普遍的な価値観ではなく、経験的・実践的な感覚に大きく依存することです。そして仏教、キリスト教、さらに古代ギリシャから西欧近代の思想・哲学など普遍的な思想は外来種として日本に来ますが、これらは日本人に根付いたとは考えられない(もちろん一部の例外はあるものの)、という主張です。しかし、本居宣長のような国学こそが日本だ、という主張も間違っていることになります。外来思想が混じってこその日本文化であるからです。 本書ではこの視点を様々な切り口から論じますが、特に興味深かったのは日本の「知識人」(特に戦時下の)を通じてこれを分析している点でした。日本の知識人と言いますと、基本的には西欧からの思想を取り込んでそれを日本国内で喧伝している人々ですが、加藤氏に言わせれば、大半の知識人は普遍的な外来思想を血肉として自分に宿してはおらず、それらの「思想」は戦争時には吹き飛んでしまう。そして自分が日々体験している現実が圧倒的に勝ってしまうのです。つまり日本人は自分たちの経験を通じて血肉とした思想がない、それこそが日本人であるということで、ではその先にどんな可能性があるのか、まで議論してもらえるとうれしかったのですが、そこまではあまり踏み込んでいませんでした。本書のどこかに「精神面での開国」が起こるだろうというような記述がありましたが具体的には?というところです。
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著者の日本人にかんする論考を収録しています。日本の近代化についての議論であると同時に、知識人論でもあり天皇論でもあるといってよいようにに思います。 明治以来、日本は西洋の近代文明を受容してきました。しかし著者は、それらが伝統的な文化との対決をくぐり抜けることのないままに受容され...
著者の日本人にかんする論考を収録しています。日本の近代化についての議論であると同時に、知識人論でもあり天皇論でもあるといってよいようにに思います。 明治以来、日本は西洋の近代文明を受容してきました。しかし著者は、それらが伝統的な文化との対決をくぐり抜けることのないままに受容されたにすぎないと述べて、知識人と生活者が分裂してしまっていると指摘します。 著者は『雑種文化―日本の小さな希望』(講談社文庫)において、こうした現代の日本のありようを前提としたうえでそれを生かす道をさぐろうとしていましたが、本書に収録されている論考では、どちらかというとその病状を冷静に分析することに著者の努力が傾けられているように感じられます。
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