商品詳細
内容紹介 | 内容:石船の巻.みちのくの巻 |
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販売会社/発売会社 | 講談社/講談社 |
発売年月日 | 1989/05/01 |
JAN | 9784061965508 |
- 書籍
- 文庫
新・平家物語(四)
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新・平家物語(四)
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商品レビュー
4
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『MASTER PIECE』
とにかく長いお話で、体力を使いました。 それだけに、平安時代後期から鎌倉時代前期の社会を タイムマシンで見てきたなって感じです。 生まれた時代が過酷なカオスだとしても、 考え方が大事なんだと、阿部麻鳥から学ぶことができました。 「ボーッと生きてんじゃねえよ!」っ...
とにかく長いお話で、体力を使いました。 それだけに、平安時代後期から鎌倉時代前期の社会を タイムマシンで見てきたなって感じです。 生まれた時代が過酷なカオスだとしても、 考え方が大事なんだと、阿部麻鳥から学ぶことができました。 「ボーッと生きてんじゃねえよ!」って言われちゃって…。
クラシカルなMK
当時の多くの作家と異なり、吉川英治は大学を出ていない。最終学歴は小学校中退である。いくつもの職を転々としながら、独りで学んできた。貧困の中、小説や川柳を試作していたが、作品のいくつかが懸賞小説に当選、作家としての頭角を表していく。大変な苦労人である。風貌も村夫子然としている。彼の...
当時の多くの作家と異なり、吉川英治は大学を出ていない。最終学歴は小学校中退である。いくつもの職を転々としながら、独りで学んできた。貧困の中、小説や川柳を試作していたが、作品のいくつかが懸賞小説に当選、作家としての頭角を表していく。大変な苦労人である。風貌も村夫子然としている。彼の作風は観念的な"文学"などではない。歴史を描いていながら、どの登場人物にも感情移入ができるのだ。我々と同じ"日本人"がそこにいる。それも彼自身が苦難の道を歩んできたからだと云えよう。 この巻は乱の後始末も終わり、つかの間の平穏が訪れているかのようでもある。だがのちの治承・寿永の乱につながる源氏の胎動がはじまってもいる。九郎はたぎる若い血の向くまま鞍馬を出奔し、金売り吉次のつてで平泉に身を寄せることになる。一方、清盛は武家として初めての太政大臣に昇りつめ、位人臣を極める。平家が重職を占め、「平家にあらずんば人にあらず」の時代が到来したのだ。いま本作を読了し、後の戦乱を知ってしまうと、様々な諍いはあってもこの頃は平和だったなと思ってしまうのである。
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平家の世が益々繁栄し、かの有名な「平家にあらずんば人に在らず」という文言が産まれた。清盛は出家し、大輪田ノ泊に港を作る一大事業に注力する。数多の苦労の末、遂に宋船を迎え入れるまでになり、内向きの藤原貴族社会の変容が想起される。一方で貴族と平家の微妙な緊張関係は変わらず、跡継ぎ問題...
平家の世が益々繁栄し、かの有名な「平家にあらずんば人に在らず」という文言が産まれた。清盛は出家し、大輪田ノ泊に港を作る一大事業に注力する。数多の苦労の末、遂に宋船を迎え入れるまでになり、内向きの藤原貴族社会の変容が想起される。一方で貴族と平家の微妙な緊張関係は変わらず、跡継ぎ問題や牛若の脱走など、今後一波乱ありそうな伏線が張られている。 後半は牛若のクソガキっぷりがありありと描かれている。母常磐を想う心と武士である義朝の血を引く心に逡巡する様もあったが、基本的に奔放で危なっかしい。吉次の苦労が伝わってきた。 次巻から源氏にも焦点が当たりそうであり、期待。
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