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新・平家物語(四) の商品レビュー

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11件のお客様レビュー

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『MASTER PIECE』

とにかく長いお話で、体力を使いました。 それだけに、平安時代後期から鎌倉時代前期の社会を タイムマシンで見てきたなって感じです。 生まれた時代が過酷なカオスだとしても、 考え方が大事なんだと、阿部麻鳥から学ぶことができました。 「ボーッと生きてんじゃねえよ!」っ...

とにかく長いお話で、体力を使いました。 それだけに、平安時代後期から鎌倉時代前期の社会を タイムマシンで見てきたなって感じです。 生まれた時代が過酷なカオスだとしても、 考え方が大事なんだと、阿部麻鳥から学ぶことができました。 「ボーッと生きてんじゃねえよ!」って言われちゃって…。

クラシカルなMK

2023/10/01

当時の多くの作家と異なり、吉川英治は大学を出ていない。最終学歴は小学校中退である。いくつもの職を転々としながら、独りで学んできた。貧困の中、小説や川柳を試作していたが、作品のいくつかが懸賞小説に当選、作家としての頭角を表していく。大変な苦労人である。風貌も村夫子然としている。彼の...

当時の多くの作家と異なり、吉川英治は大学を出ていない。最終学歴は小学校中退である。いくつもの職を転々としながら、独りで学んできた。貧困の中、小説や川柳を試作していたが、作品のいくつかが懸賞小説に当選、作家としての頭角を表していく。大変な苦労人である。風貌も村夫子然としている。彼の作風は観念的な"文学"などではない。歴史を描いていながら、どの登場人物にも感情移入ができるのだ。我々と同じ"日本人"がそこにいる。それも彼自身が苦難の道を歩んできたからだと云えよう。 この巻は乱の後始末も終わり、つかの間の平穏が訪れているかのようでもある。だがのちの治承・寿永の乱につながる源氏の胎動がはじまってもいる。九郎はたぎる若い血の向くまま鞍馬を出奔し、金売り吉次のつてで平泉に身を寄せることになる。一方、清盛は武家として初めての太政大臣に昇りつめ、位人臣を極める。平家が重職を占め、「平家にあらずんば人にあらず」の時代が到来したのだ。いま本作を読了し、後の戦乱を知ってしまうと、様々な諍いはあってもこの頃は平和だったなと思ってしまうのである。

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2022/03/13

平家の世が益々繁栄し、かの有名な「平家にあらずんば人に在らず」という文言が産まれた。清盛は出家し、大輪田ノ泊に港を作る一大事業に注力する。数多の苦労の末、遂に宋船を迎え入れるまでになり、内向きの藤原貴族社会の変容が想起される。一方で貴族と平家の微妙な緊張関係は変わらず、跡継ぎ問題...

平家の世が益々繁栄し、かの有名な「平家にあらずんば人に在らず」という文言が産まれた。清盛は出家し、大輪田ノ泊に港を作る一大事業に注力する。数多の苦労の末、遂に宋船を迎え入れるまでになり、内向きの藤原貴族社会の変容が想起される。一方で貴族と平家の微妙な緊張関係は変わらず、跡継ぎ問題や牛若の脱走など、今後一波乱ありそうな伏線が張られている。 後半は牛若のクソガキっぷりがありありと描かれている。母常磐を想う心と武士である義朝の血を引く心に逡巡する様もあったが、基本的に奔放で危なっかしい。吉次の苦労が伝わってきた。 次巻から源氏にも焦点が当たりそうであり、期待。

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2022/03/12

ついに平家の興隆期。平家にあらずは人にあらず。清盛51歳あたり。太政大臣に上り詰め、政治の実権を握るまでとなる。京都市中はかむろと呼ばれる警備隊が配備される。反目し始めるご白河法皇との対比が福原の港建設の国費の口約束でよく表現されている。度重なる台風、海難事故で、思うように進まな...

ついに平家の興隆期。平家にあらずは人にあらず。清盛51歳あたり。太政大臣に上り詰め、政治の実権を握るまでとなる。京都市中はかむろと呼ばれる警備隊が配備される。反目し始めるご白河法皇との対比が福原の港建設の国費の口約束でよく表現されている。度重なる台風、海難事故で、思うように進まない土木工事。そんな中、鞍馬寺から牛若丸が逃走。想定16歳。、熱田神宮で元服。一路、奥州藤原秀衡を目指す。この巻では、祇王、仏御前と清盛のお話や、常盤御前と牛若丸の再会など、男女、親子関係を丁寧に描写されているので、心が動かされる。

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2018/08/15

平家の繁栄。俗に言う「驕る平家」も。 中盤以降は牛若(義経)にスポットが当てられているが、本巻では思い立ったら後先考えずに走ってしまう人物として描かれている。 最終的に非業な最期を遂げてしまうわけだが、このことの発端として書かれているのだろう。 もっとも、幼少期から大人に忖...

平家の繁栄。俗に言う「驕る平家」も。 中盤以降は牛若(義経)にスポットが当てられているが、本巻では思い立ったら後先考えずに走ってしまう人物として描かれている。 最終的に非業な最期を遂げてしまうわけだが、このことの発端として書かれているのだろう。 もっとも、幼少期から大人に忖度してばかりいたら、のちの“源義経”はないわけだが。

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2015/07/14

前半は、栄華を極める清盛の姿を描きます。有名な、白拍子の妓王にまつわるエピソードや、清盛をしだいにうとましく思い始めた後白河法皇とのつばぜり合いなどが取り上げられます。 後半は、鞍馬山で成長し、やがて16歳を迎える牛若丸が主役となります。源氏の残党である金王丸や、藤原秀衝の信任...

前半は、栄華を極める清盛の姿を描きます。有名な、白拍子の妓王にまつわるエピソードや、清盛をしだいにうとましく思い始めた後白河法皇とのつばぜり合いなどが取り上げられます。 後半は、鞍馬山で成長し、やがて16歳を迎える牛若丸が主役となります。源氏の残党である金王丸や、藤原秀衝の信任の厚い証人・吉次らの手引きによって、牛若丸は鞍馬山を抜け出し、東国へ向けて旅立ちます。 そのほかにも、平家の繁栄の陰でしだいに新たな戦いの予感が強まっていく京の都で暮らす、麻鳥や蓬子ら庶民たちが、脇役ながら要所要所でエピソードに絡んでくるのも楽しみです。

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2013/10/03
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「平家であらずんば、人にあらず」という言葉の様に平家は全盛を極める。鞍馬山を抜け出し、平家打倒を誓う義経の旅立ち。 時の権力者の清盛のもとには、多くの女性が身を捧げる。その彼女たちの悲哀もよく描けています。特に妓王の翻弄され続ける生き方が悲しい。そういう仕打ちにあってきたと言う時代があったから、現代の女性たちは強いのかなと感じました。 義経も、母の常磐恋しさがよく伝わってきます。時代に翻弄され続ける様を見て、改めて現代の日本に生まれて良かったと思います。

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2013/09/16

平忠度が登場。 額打論や、清盛の出家、文覚の配流などを経て、 この巻の後半は、焦点が源義経に当たる。 鞍馬寺から抜け出て、奥州へ行くかと思いきや、 坂東の地に留まることに。

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2012/09/21

全16巻という長い道程だが、4分の1を終了。本巻に主人公たる平清盛はほとんど登場してこず、牛若丸がメイン。天真爛漫な牛若丸像は吉川英治の手によるものだろうか、今まで数多く大河ドラマで観てきた牛若丸とほぼ同じキャラクターだった。ただ、源平合戦で見せたような獅子奮迅な武者ぶりは、まだ...

全16巻という長い道程だが、4分の1を終了。本巻に主人公たる平清盛はほとんど登場してこず、牛若丸がメイン。天真爛漫な牛若丸像は吉川英治の手によるものだろうか、今まで数多く大河ドラマで観てきた牛若丸とほぼ同じキャラクターだった。ただ、源平合戦で見せたような獅子奮迅な武者ぶりは、まだ垣間見えず。まだ見ぬ母を恋しがる貴公子といった感じである。当たり前か、まだ15歳前後なのだから。今後、どこで強さを身につけていくのかが楽しみだ。坂東地方か、奥州か…。鞍馬山を抜け出し、洛内に身をひそめ、母:常盤に会いに行き、吉次と一緒に旅を始め、熱田神宮で元服し、坂東地方で吉次をまく、というストーリーが、まるで冒険小説のように楽しめた。 おそらく次巻も牛若丸(→義経)がメインストーリーラインとなること必至。楽しめそうだ。

Posted byブクログ

2009/11/21

平安末期頃~鎌倉までの滅びゆく平家、源氏との戦いを描いた全16巻の大作です。  続きが読みたくてつい夜更かしをしてしまう作品でした。

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