商品詳細
内容紹介 | 内容:フロルヴィルとク-ルヴァル、または宿命.エルネスティナ.ロレンツァとアントニオ.サンセ-ル伯爵夫人、または娘の恋敵 |
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販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
発売年月日 | 2010/09/16 |
JAN | 9784003259719 |
- 書籍
- 文庫
短篇集 恋の罪
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短篇集 恋の罪
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商品レビュー
3.5
8件のお客様レビュー
draft サドの作品は、学生時代に読んだ「ソドム百二十日」以来だった。正直なところ、当時、同書を最後まで読了できた記憶がない。聞きしに勝る残虐非道の描写の数々に、胃がもたれるような感じがして読み進めることができなかったためである。 その体験に比較すると、図書館で見つけた本書は...
draft サドの作品は、学生時代に読んだ「ソドム百二十日」以来だった。正直なところ、当時、同書を最後まで読了できた記憶がない。聞きしに勝る残虐非道の描写の数々に、胃がもたれるような感じがして読み進めることができなかったためである。 その体験に比較すると、図書館で見つけた本書は、「適法の」というだけあり、4編全て悲劇的内容ではあるものの、読み進めるのをためらうほどの過剰さはなかった。 大まかな話の筋で共通しているのは、富や権力の座にある有力者が、若く心が清らかだが、立場の弱い者(女性)を様々に手練手管を尽くして罠にはめようとする。弱い者をダブルバインドというかそうせざるをえないように仕向ける。道徳的に正しい性分であるほど、追い込まれて苦悩する。という構造をしている。 解説にもあるように、私がかつて読んだサドの作品は、もっと肉体的・直接的な責め苦を犠牲たちに強いていて、この作品ではそれが精神的、間接的な手法に代えられている。また、この小説集では犯罪者が急に改心し結末を迎えるが、「違法の」小説では悪徳は、ただひたすら悪行を重ね、改心や手加減はほとんど描かれていなかったと思う。 確かに、
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バタイユの変態小説に刺激され、変態の古典?!サドまでさかのぼってみる。 著者の名前由来の言葉があるとおり、全てそのような傾向を持つのかと思われましたが、解説によれば、そんな単純な変態ではなかったようで。適法と違法小説の2系統あるそうな。これは適法の系列。 でも、やっぱり近親相...
バタイユの変態小説に刺激され、変態の古典?!サドまでさかのぼってみる。 著者の名前由来の言葉があるとおり、全てそのような傾向を持つのかと思われましたが、解説によれば、そんな単純な変態ではなかったようで。適法と違法小説の2系統あるそうな。これは適法の系列。 でも、やっぱり近親相姦(結果そうなってしまった悲劇)や、息子の嫁を狙う父またその逆など、変態戯曲風の短編が納められています。 小説における劇的技法として恐怖や哀れみを駆使するという著者の主張により作品群は著されており、現代のホラーに通じるものを感じます。 なるほど、感情を強く刺激するこの2つの要素を突き詰めていった著者の作品は同じ変態でもバタイユよりは判りやすい。 ということでサドは恋愛ホラーの名手です!
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知っているサドとは一味違った。冒頭はクソつまんない純愛ものかと感じたが、どの作品も中盤に差し掛かると昼ドラも驚きの急な盛り上がりを見せてきて止まらなくなる。問いがすごく明確な短編集で、通底しているのは「美徳」「更生」。「更生」については2,3年前に読んでたらこの問いの立て方には唸...
知っているサドとは一味違った。冒頭はクソつまんない純愛ものかと感じたが、どの作品も中盤に差し掛かると昼ドラも驚きの急な盛り上がりを見せてきて止まらなくなる。問いがすごく明確な短編集で、通底しているのは「美徳」「更生」。「更生」については2,3年前に読んでたらこの問いの立て方には唸ったかも。でも今はそれについての結論は出ているので。 副題として「悲壮小説集」と付いている。これ読んだ後に「淫蕩学校」とか読み返したらまた違って感じそう。サドのイメージを(作風面だけからじゃなく)覆してくれたり補強してくれたりする一冊でした。
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