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どん底 岩波文庫
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どん底 岩波文庫

マクシム・ゴーリキー(著者), 中村白葉(著者)

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どん底 岩波文庫

572

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店/岩波書店
発売年月日 2004/03/18
JAN 9784003262726

どん底

¥572

商品レビュー

4.1

17件のお客様レビュー

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2024/08/16

この作品は劇作品です。しかもこの解説に述べられているようにチェーホフと同じくわかりやすい筋もありません。そのため本としてこれを読んでもなかなかその流れを掴むのが難しいです。私も一度読んだだけではわからず、何度も読み返しました。 この作品もチェーホフと同じく、演劇として舞台で観ると...

この作品は劇作品です。しかもこの解説に述べられているようにチェーホフと同じくわかりやすい筋もありません。そのため本としてこれを読んでもなかなかその流れを掴むのが難しいです。私も一度読んだだけではわからず、何度も読み返しました。 この作品もチェーホフと同じく、演劇として舞台で観るときっとものすごいインパクトがあるのだと思います。 この作品はかなりパワーがあります。チェーホフは静かな雰囲気の劇ですが、ゴーリキーはどん底にいる人たちの魂の叫びを表現します。言葉のパワーがものすごいです。本で読むだけでこれですから舞台で聞いたらこれはものすごいものなのではないでしょうか。

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2023/12/24

社会の「どん底」を舞台化しただけの群像劇。ゴーリキがルカにさせたかったことを何と想像するかで印象が変わる気がする。ただの優しく寄り添うだけだったのか、甘言を弄したのか、立ち上がりを促したのか。だけど終わってみると結局はどん底がこれからも続くのだ。誰も努力をしているようには見えない...

社会の「どん底」を舞台化しただけの群像劇。ゴーリキがルカにさせたかったことを何と想像するかで印象が変わる気がする。ただの優しく寄り添うだけだったのか、甘言を弄したのか、立ち上がりを促したのか。だけど終わってみると結局はどん底がこれからも続くのだ。誰も努力をしているようには見えないとはいえ、何とも無残な印象で締めくくられる。唯一ナターシャだけが行く知らずで、どん底から這い上がった可能性を想像することが可能と言えるかも。たぶん別のどん底で暮らしているのだろうけど。

Posted by ブクログ

2022/12/30

終盤に物語の展開は頂点を迎える。しかし、注目すべきはそこではない。この物語が初めから終わりまで全く進展してないことにある。物語が終わった時、何が変わったか。何も変わっていない。どん底にいる人がどん底にいる人を殺し、どん底にいる人がどん底にいる人を罵り、喧嘩をする。すべてどん底の中...

終盤に物語の展開は頂点を迎える。しかし、注目すべきはそこではない。この物語が初めから終わりまで全く進展してないことにある。物語が終わった時、何が変わったか。何も変わっていない。どん底にいる人がどん底にいる人を殺し、どん底にいる人がどん底にいる人を罵り、喧嘩をする。すべてどん底の中で起こった話であり、現状が良くなりもせず、悪化もしないというこの事実事態が「どん底」なのだ。 事態が収まると、亡くなった爺さんがかつて遺したセリフが語られる。 「生きているものは、みんなより良き者のために生きてるんだよ!だからこそ、どんな人間でも、尊敬しなけりゃならんのさ」 なるほど、いい教訓にも見えなくもない。しかし、これは我々読者に伝えたい教訓というより、このセリフの後に、結局はみなお互いを罵り合い、尊敬できずにいるどん底の現状を引き立てている。 登場人物の中に、「だったん人」が出てきて、イーゴリ公の中にある「だったん人の踊り」のあれか、となって、ちょっと嬉しかった。

Posted by ブクログ

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