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近代哲学再考 「ほんとう」とは何か・自由 「ほんとう」とは何か・自由論
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 径書房/径書房 |
発売年月日 | 2004/01/14 |
JAN | 9784770501844 |
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近代哲学再考 「ほんとう」とは何か・自由
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近代哲学再考 「ほんとう」とは何か・自由
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商品レビュー
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ホッブス、ルソー、カント、ヘーゲルが、いかなる時代的要請のもとで、何と格闘し、何を成し遂げたかを明晰に読み解く。その作業を通じて、近代社会が獲得した成果と、陥った矛盾の双方を明らかにし、次の課題に向き合う。 哲学が空虚な学ではなく、今もっとも喫緊に必要とされる思考原理の提案である...
ホッブス、ルソー、カント、ヘーゲルが、いかなる時代的要請のもとで、何と格闘し、何を成し遂げたかを明晰に読み解く。その作業を通じて、近代社会が獲得した成果と、陥った矛盾の双方を明らかにし、次の課題に向き合う。 哲学が空虚な学ではなく、今もっとも喫緊に必要とされる思考原理の提案であることを、自らの思索の深さによって示す。 血と汗が迸る、熱い書物である。
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ホッブズやルソー、カントやヘーゲルといった近代の哲学者たちの思想を見なおすことを通じて、「自由」の本質と、「自由」がわれわれの社会において実現されるための条件について考察している本です。 『言語的思考へ―脱構築と現象学』(径書房)において、ポストモダン思想と分析哲学の言語論の批...
ホッブズやルソー、カントやヘーゲルといった近代の哲学者たちの思想を見なおすことを通じて、「自由」の本質と、「自由」がわれわれの社会において実現されるための条件について考察している本です。 『言語的思考へ―脱構築と現象学』(径書房)において、ポストモダン思想と分析哲学の言語論の批判をおこなうとともに、竹田現象学の立場から言語の意味についての包括的な理論を構築した著者は、その後、社会哲学の領域で独自の思想を展開することに取り組んでいます。そうした試みは『人間的自由の条件―ヘーゲルとポストモダン思想』(講談社学術文庫)に結実することになりますが、本書はそのパイロット版とも言うべき内容になっています。 しかしながら、著者のフッサール解釈と同様の問題が、本書で展開されている社会哲学においても見受けられるように思います。著者はフッサールの「現象学的還元」を、単なる主観のうちにおける確信成立の条件を見てとることに切り縮めてしまっており、そこに竹田現象学の問題性と独自性が集約的に表われているのですが、本書のカント解釈においても、「超越的」(transzendent)と「超越論的」(transzendental)の区別が踏まえられないまま議論が展開されています。そのために著者は、一方では『純粋理性批判』の「超越論的弁証論」において独断的形而上学の誤りが明らかにされたことを高く評価しつつ、他方ではカントの倫理学が理想主義的な傾向をもっており、現実的条件が考慮されていないという不満を述べています。 著者は、このようなカント倫理学の問題がヘーゲルの社会哲学によって克服されたと主張するのですが、当然のことながらこのように理解されたヘーゲル哲学は、経験的なレヴェルにおける個々の欲望の「擦りあわせ」といったような、きわめて平板な社会思想に切り縮められてしまうことになります。じっさいに著者は、「ミルの「正義」と「自由」の概念は、はっきりヘーゲルの「法」の本質理解と重なっていることが分かります」と述べていますが、このような解釈が読者の同意を得ることができるとはとうてい思えません。 本書は、著者の社会哲学の概要を知るためには有益ですが、その近代哲学解釈には問題も多く、つねに批判的な視点を忘れずに読むことが必要ではないかと思います。
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はじめに われわれの時代をいま大きく覆っているのは、「近代」に対する深刻な疑問と反省の念である。それはたとえば、モダンは既に終焉し、いまやポストモダンの時代に入っているといった、あるいはポストモダンすら終わったという言い方で語られている。近代は人間にとって新しい希望の時代だ...
はじめに われわれの時代をいま大きく覆っているのは、「近代」に対する深刻な疑問と反省の念である。それはたとえば、モダンは既に終焉し、いまやポストモダンの時代に入っているといった、あるいはポストモダンすら終わったという言い方で語られている。近代は人間にとって新しい希望の時代だったはずなのに、なぜこのようなことになったのだろうか(中略)そういうわけで本書の中心テーマは二つある。ひとつは近代の人間の「ほんとう」への欲望がどのような諸形態をとることになるのか。もうひとつは、この「ほんとう」への欲望が近代国家がぶつかった困難のまえで挫折し、イデオロギー的思考と相対主義的アイロノイズムのあいだで出口を見失って揺れ動いているという自体を、いかに克服するかという問題である・・・・・・。(p5) 哲学の方法の基本原理は ①物語を使わず、抽象概念を使う。 ②問題を設定し、これを展開する「原理」を提出する。 ③先行する仕事の核心を受け取った上で、つねにはじめの一歩から再始発する。 限定的な意味での普遍性の確保が、哲学の至上命題である。それは一度確立されれば覆ることがない原理である。先人の哲学的思索が全くの幻想でいまや無益であるという言説に著者は決して与しない。本書はかれら哲学者の確かな歩みを確認することができる良書だ。自由と平等の葛藤の中で、新たに生じる課題とはいかなるものか。それを知るヒントが散りばめられている。
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