不毛地帯(1983年)(1) 新潮文庫

山崎豊子(著者)

• 販売会社／発売会社: 新潮社/新潮社
• 発売年月日: 1983/01/01
• JAN: 9784101104157

商品レビュー

2010/05/28

陸軍参謀の壱岐の厳冬…

[文庫ＯＦＦ]

陸軍参謀の壱岐の厳冬シベリアでの抑留生活を中心に描いています。帰れるのに仲間と職責を全うするために日本に帰らず敢えて厳しい捕虜となるところや、東京裁判で有利な証言をするようにわざわざ日本に連れて行き家族にあわすことを条件にする部分。壱岐はそれを断った。ところはすごく胸を打ちました。泣けます。次々に死んでいく仲間たち。壱岐は無事に日本の土を踏めるのか・・・

2025/10/25

シベリア収容所で11年生き抜いた元日本軍大本営参謀の壹岐正が日本へ戻り、体調を直しながら、部下たちの就職斡旋をして2年がたち、自分自身は近畿商事に勤務するところまでが1巻。

シベリア抑留の話が中心のため、読みながら胸が痛くなる思いでした。下級の日本兵の話を聞いてきたため、このような職位のある日本兵がどのように扱われ、利用されていたことは興味深く、当時のことについて勉強になりました。
戦時中も色々なことが起こるが、戦争が終わった後の果てしない闇を主人公の壱岐をとおして感じ、生きることのへの義務、責務というものも感じました。

2020/03/15

半分以上を戦後のシベリア抑留中の話が占めている。重く暗いシベリアでの話の中に、急遽現実の商社の話が差し込まれると、同じ日本且つ戦後十数年ということが信じられなくなる。
商社マンとして歩み始める壹岐の動揺と葛藤が描かれている。