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ゆたかな社会 決定版 岩波現代文庫 社会137
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ゆたかな社会 決定版 岩波現代文庫 社会137

J.K.ガルブレイス【著】, 鈴木哲太郎【訳】

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ゆたかな社会 決定版 岩波現代文庫 社会137

1,738

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店/岩波書店
発売年月日 2006/10/19
JAN 9784006031374

ゆたかな社会 決定版

¥1,738

商品レビュー

4.3

13件のお客様レビュー

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2023/05/06

ガルブレイスの代表作ですが、読み応え十二分でした。「陰気な学問」と呼ばれる経済学、なぜそう呼ばれるかと言えば、リカード、マルサスに代表されるように、社会の困窮、貧困、モノの欠乏をいかに解決するかに経済学が取り組んできたからです。経済学の伝統的な関心は生産、不平等、経済保障の3つで...

ガルブレイスの代表作ですが、読み応え十二分でした。「陰気な学問」と呼ばれる経済学、なぜそう呼ばれるかと言えば、リカード、マルサスに代表されるように、社会の困窮、貧困、モノの欠乏をいかに解決するかに経済学が取り組んできたからです。経済学の伝統的な関心は生産、不平等、経済保障の3つですが、そのなかでも「生産」が最重要トピックになります。なぜなら生産が増大すれば、不平等問題も覆い隠されますし、雇用と所得が生まれることで経済保障問題も解決するからです。 しかしここでガルブレイスは主流派経済学者に「目を覚ませ」というわけです。現代社会(20世紀アメリカ)を見ると物は豊かであふれている。いやむしろ不必要なもの(使用価値がゼロ、実質的な効用がゼロのもの)を生産し、過剰な広告宣伝を通じて販売している状況下において、経済学は依然として「生産極大化」「生産性の向上」から抜け出せていないと批判します。そして消費の良し悪しについてはあえて議論を避けてきたところに経済学の限界があると指摘します。またアメリカは「ゆたか」ではあるけれども非常に歪んでいる、それはあまりに貧素な公共サービス(ガタガタの道路など)と不必要なものまで生み出す民間サービスというアンバランスさを伴っているからです。 このような警鐘を鳴らすわけですが、それでも「生産」は雇用=所得を生み出すという意味で、経済保障と密接につながっていることは間違いありません。ですから生産は「やめたくてもやめられない」(ハムスターがいつまでもグルグル回し続ける回り車)ものであることには違いなく、そこでガルブレイスは現代的に言えばベーシックインカム的な案を提出するわけです。これは生産と経済保障のリンクを断ち切ればよい、つまりハムスターは回り車を回さなくても餌にありつけるんだということです。 足元の世界経済を見ると、リーマンショック後の「長期停滞の時代(ローレンス・サマーズ)」が、コロナ禍でダメを押された形になっています。GDP(生産)は落ち込み、まさにガルブレイスが述べているように、これまで高生産水準によって覆われていた不平等問題が姿を現し、さらに経済保障問題も浮上しているわけです。そして多くの主流派経済学者は「生産を増やせ!」と相変わらず叫びつつけているわけですが、「生産」は大いなる逆風に遭遇していると思います。そもそも国連が提唱するSDGsを実現したいのであれば、「生産極大化」理論は自然環境を制約条件にしなければならず、そうしたとたん、最適解は「生産を減らせ」となるからです。経済学は、ガルブレイスが主張するように、生産ではなく分配、あるいは支出に主眼を置く学問に転身しなければならないと本書を読んで強く感じました。

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2021/07/06

主流派経済学は、その起源からして貧困が当たり前の社会を前提としているのにその前提が変わったことを受け入れず理論武装に終始している。。という著者の憤り、もどかしさが伝わってくる ゆたかな社会における貧困とその解決策、新たな階級、有名な依存効果など、現実に軸足を置いた「反主流派」本

Posted by ブクログ

2021/01/08

経済学の古典。 経済学を知らない人からすると、歴史を含めて学べる。 大半の人が貧しく衣食住さえ満足に得られなかった過去と比べて、余暇など衣食住以上のことに時間を費やすことができるようになったアメリカのゆたかな社会の構造や問題を解説している。 個人的に印象に残っているのは「限界...

経済学の古典。 経済学を知らない人からすると、歴史を含めて学べる。 大半の人が貧しく衣食住さえ満足に得られなかった過去と比べて、余暇など衣食住以上のことに時間を費やすことができるようになったアメリカのゆたかな社会の構造や問題を解説している。 個人的に印象に残っているのは「限界効用逓減の法則」。この効用の対象は財貨だけでなく通貨も含む。つまり通貨でさえ効用が低減する。しかし、それによってまた別のものの効用が相対的に高まる。

Posted by ブクログ

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