商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社/新潮社 |
発売年月日 | 2006/11/30 |
JAN | 9784104563036 |
- 書籍
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夢からの手紙
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夢からの手紙
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古風な文体は色褪せた江戸時代の単調な絵を想い起す。しかしながら此の本は、此の文章は、言葉は、余にも美しく、幻想的である。 時代特有の描写の中で、男女の心描写が無機質に描かれ、それが何とも形容し難い官能美を想わせるのだ。情死、正夢、…取り上げる題材は逸脱したセンスを思わせ、巧み...
古風な文体は色褪せた江戸時代の単調な絵を想い起す。しかしながら此の本は、此の文章は、言葉は、余にも美しく、幻想的である。 時代特有の描写の中で、男女の心描写が無機質に描かれ、それが何とも形容し難い官能美を想わせるのだ。情死、正夢、…取り上げる題材は逸脱したセンスを思わせ、巧みな表現は時代の中に融け込んで尚、其の(江戸)時代を私の中で色付けさせて呉れた。 短編で六つの話があるが、各々がまるで違う"色"を、"におい"を持っていて、其れで居て果敢無げで、繊細で、心に沁み入る言葉の数々は、現代文学、欧米の文学等とはまた違った美しさ―卓越した日本語の"ことばあそび"を感じさせる。 初めはあまり、読み耽る気にはならないものだったが、読んでいくうちに虜となった。それは瞬間的で強力な快楽や耽美ではなく、緩慢とした、穏やかでしみじみと愁う様な、―五月雨がぽつり、ぽつり、と降りかかって濡れそぼってゆく様な、 謂わば、"わび"を感じさせる本だった。 展開を明示せず、雰囲気を漂わせる描写は実に素晴らしい。 違和を覚えない、哀愁漂う淑やかな文章。 此の書に出逢えた事に、感謝する。
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時代劇短編小説集。剣豪小説ではない。 江戸末期の市井に生きる人のスリリングで切れ味のいい5作品が収められている。 西鶴やなにかの下敷きにして作者なりに味付けした感じがした。 人間って哀しい…そんな余韻が残った。
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