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女ひとり玉砕の島を行く

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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋/文藝春秋 |
発売年月日 | 2007/05/12 |
JAN | 9784163691107 |
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女ひとり玉砕の島を行く
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商品レビュー
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7件のお客様レビュー
「司馬遼太郎は、かつて太平洋上の島々での戦いを、「戦争というより棄民」と評した。いくつかの太平洋の島を巡り、戦闘の詳細や現地に残る戦跡を目の当たりにした私にとって、胸に迫ってくる言葉である。そして今、国に棄てられた兵士たちの慰霊碑が朽ち果てるにまかせ、何の対応策もとられずに次々と...
「司馬遼太郎は、かつて太平洋上の島々での戦いを、「戦争というより棄民」と評した。いくつかの太平洋の島を巡り、戦闘の詳細や現地に残る戦跡を目の当たりにした私にとって、胸に迫ってくる言葉である。そして今、国に棄てられた兵士たちの慰霊碑が朽ち果てるにまかせ、何の対応策もとられずに次々と撤去されていくのなら、それは再び彼らを「棄民」することになる。」 本文より抜粋。 作家・笹幸恵さんが、この本を執筆されたのが、戦後60年でしたが、それから現在終戦80年。20年が経過されてますが、今の現状はどうなってるんでしょうか? どちらにしても、この本は後世に語り継がれる図書と思われました。笹幸恵さんの、それらの行動と執筆に敬意を払いたいと思います。
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「桜の樹の下には屍体が埋まっている」と書いたのは梶井基次郎。 「何故って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか」と梶井は続ける。 つまり、爛漫と咲き乱れている桜の樹の根元には、死体が腐爛して水晶のような液を垂らし、桜の根は貪婪な蛸のようにそれを抱きかかえ、...
「桜の樹の下には屍体が埋まっている」と書いたのは梶井基次郎。 「何故って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか」と梶井は続ける。 つまり、爛漫と咲き乱れている桜の樹の根元には、死体が腐爛して水晶のような液を垂らし、桜の根は貪婪な蛸のようにそれを抱きかかえ、いそぎんちゃくの食糸のような毛根を集めてその液体を吸っているというのだ。 多くの人が花見の酒宴を開く横でこのようなことを想像しえた梶井を、果たして「奇特」とか「珍しい」とかで片付けてしまっていいのか? 戦後日本の経済的豊かさを当たり前のように受けている一方で、それほど離れていない年代において兵隊たちの多くが志半ばで故郷から遠く離れた南洋の島で命を落とした事実があるのを、ある日、著者の笹さんは知る。 私も正直に告白するが、私も含めて多くの人は、「ひめゆりの塔」や「原爆ドーム」や慰霊碑を見ても、それを自分自身につながるものと直感的に理解できる人は、家族に関係者がいるなど特別の事情がなければ、なかなかいないのではないか? でも笹さんは戦跡からそこに眠る人たちの“肉声”を聞き取り、自分の責務として、戦跡を訪れて祈りを捧げたいと考えた。 もう言われる前に言っておくけど、桜の樹の下に死体なんて埋まっているはずはないし、身内に戦死者もおらず、自分自身の生活が先の戦争に何も直結しない笹さんが戦死者に思いを巡らせたところで、何か特別なことが起こるわけではないってことはわかっている。 しかし笹さんを梶井と同様だと考えれば、違和感もなく受け入れられる。 つまり、人に見えないものが見え、人に感じられないものに心が動いたということ。 それは他人から見ると意味の無いものに見えるかもしれない。 しかし、私は単純に笹さんの感受性を評価したい。 小人(しょうじん)はともすれば笹さんの活動をイデオロギーとか、反戦思想からみた矛盾とかから照らし、言動をあげつらおうとするだろう。だけど、私はもっとシンプルに笹さんの活動は“ヒューマニティ”がベースだと理解している。 確かに戦争は悪いし、兵隊の行為もそのまま受容すべきではない。相手国や現地の人々などの多くの当事者の内心を考えると、日本兵の戦死の事実はもっと深い複雑な事情が絡む。 だけど、笹さんが祈りを捧げようとするのは、国や家族を守るため、命令に忠実に、そして自己の肉体と精神を極限まで切り詰め、図らずも死を迎えることとなった兵隊たちであり、それ以上でもそれ以下でもない。 兵隊たちに対して衷心から祈りを捧げる笹さんが、その鋭敏な感受性を雑駁なイデオロギーで濁らすことさえしなければ、梶井の感性のように、急には広がらないまでも、長い時間を経ても曇らず受け継がれるだけの強い力を持つと信じている。
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奇特な女性もいるものだ。 名前すら聞いた事がない南太平洋の小さな島々を巡り、たくさんの日本兵が亡くなったことすら忘れ去られようとしている遺構を訪ねるなんて、正気の沙汰ではない。 ぼんやり生きている人間からすれば、その行動力にただ感服する。 こうして本にしてくれただけでもありが...
奇特な女性もいるものだ。 名前すら聞いた事がない南太平洋の小さな島々を巡り、たくさんの日本兵が亡くなったことすら忘れ去られようとしている遺構を訪ねるなんて、正気の沙汰ではない。 ぼんやり生きている人間からすれば、その行動力にただ感服する。 こうして本にしてくれただけでもありがたいのだが、いかんせん最初から最後まで一本調子で書かれていて、読んでいて途中で飽きてくる。 溢れる思いと遭遇しためずらしい体験を元に、グイグイ読者にページをめくらせるのはまた別の問題。
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