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新訳 リチャード三世 Shakespeare Collection 角川文庫

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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 角川書店/角川グループパブリッシング |
発売年月日 | 2007/06/22 |
JAN | 9784042106173 |
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新訳 リチャード三世
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新訳 リチャード三世
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マクベスと並ぶか、たぶんそれ以上に暴虐を繰り返す悪の権化みたいなリチャード三世の物語。王であるお兄さんの死をきっかけに、いかにして自分が王に登り詰めるか、という話。 シェイクスピアの作品でおれが初めて読んだ歴史劇。オセローとかマクベスみたいなその場で始まってその場で完結する物...
マクベスと並ぶか、たぶんそれ以上に暴虐を繰り返す悪の権化みたいなリチャード三世の物語。王であるお兄さんの死をきっかけに、いかにして自分が王に登り詰めるか、という話。 シェイクスピアの作品でおれが初めて読んだ歴史劇。オセローとかマクベスみたいなその場で始まってその場で完結する物語とは違って、この前の時代にも話があり(「歴史劇としては『ヘンリー六世』三部作の続編」(p.227)らしい。)それを背景として話が進んでいくというのが難しかった。薔薇戦争、とかよく分からない上に、何といっても公爵とか騎士とか登場人物が多くて誰が誰なのかよく分からないし、しかもエドワードとか何人かいたり、場面に応じてリチャード三世がグロスターと呼ばれたり、p.8に書いてある相関図を見ながら話を読んでいたけど、この相関図に出てこない人物もたくさんいるようで、何となくしか分からなかった。これを上演するためには一体何人の役者が出てくるんだろ、って感じ(だから登場人物を減らしたバージョンも作られたらしい)。 マクベスをさんざん読んだので、マクベスと比較するとやっぱりリチャード三世の方が極悪の悪ガキみたいな感じがした。注釈のところに「Qには、『誰だ』の前に『うひゃあ!』(Zoundes)という驚きの言葉がある」(p.214)とか、うひゃあ、とかマクベスは絶対言わなさそう。ちなみに辞書で調べるとzoundsという言葉はGod's woundsから来た言葉で、古い「ちぇっ、くそっ」だそうだ。四幕四場で使者が報告しにきた時に、ト書きで「使者を殴る。」(p.192)とか一言書いてあって、ちょっと笑ってしまった。あとやっぱり注釈が面白いが、「原語のissueには『結果』と『子供』の両方の意味があり、このリチャードの台詞には性的意味合いが込められている」(p.133)とか、issueのそういう意味を知らなかったので勉強になった。ちなみに辞書ではin the issue「結局は」、bring a matter to an issue「事件に決着をつける」、die without male issue「男の跡継ぎなしで死ぬ」という表現があるらしい。あと随所に「坪内逍遥が誤訳して以来、誤訳がまかり通っていた」みたいな注があって、やっぱり初めの人が誤訳するとその影響って結構あるものなんだな、と思った。 ということで、もうちょっとあらすじを読んだり、もう何回か読めばリチャード三世も面白いかな、と思った。ロンドン塔に行ってみたくなった。(25/03/16)
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今年は古典を読もうと思っていて、古典と言えばこの人でしょ…、ということで手に取ったシェイクスピア。 COTEN RADIOでジャンヌダルクの百年戦争を聴いたあと、そう言えば完全に穴だな、と思っていた薔薇戦争にも興味があったので、一石二鳥とばかりに選んだのがこちら、リチャード3世...
今年は古典を読もうと思っていて、古典と言えばこの人でしょ…、ということで手に取ったシェイクスピア。 COTEN RADIOでジャンヌダルクの百年戦争を聴いたあと、そう言えば完全に穴だな、と思っていた薔薇戦争にも興味があったので、一石二鳥とばかりに選んだのがこちら、リチャード3世です。 翻訳の戯曲なんか読んだこともないし、ましてや自覚のある通り知識の穴であるところの中世イギリスが舞台のこの作品。何度か最初に戻って登場人物を整理したり、読みながらスマホで人物相関を調べたり…いやぁ、苦労した。 内容を私なりに要約すると、 容姿に恵まれないが血筋には恵まれていたリチャードが、清々しいまでの悪巧みや権謀術数でまわりの政敵を圧倒して王位につくも、その悪行が故に倒されてしまう…みたいな、悪人が主役の懲悪劇。 自分の容姿をけちょんけちょんに貶すところから始めるので、彼の悪行に対する開き直りっぷりがちょっと気持ちよく、彼に比べると周りにいる小悪党の小物っぷりに物足りなさも感じた。 戯曲だから、えらく唐突だな、と思う部分もあるんだけど、wikiやらYouTubeの力も借りつつ、マーガレットの呪いが最後きちんと回収されるところまで、かなり面白く読めた。 いろんな解説に引っ張られているのは自覚しつつ、ただこの印象そのままにリチャード3世を醜い悪者だと思うのは短絡的かもな、と思う。 シェイクスピアが、この戦いの勝者であるヘンリー7世の後継であるテューダー朝のエリザベス女王治世の人であることからも、歴史は勝者が紡ぐものという定説が思い浮かぶし。 ただ、ジョン・エバレット・ミレイのロンドン塔の王子たちのモデルであるエドワード5世とヨーク公への仕打ちはもし本当なら酷い話だ。絵画で見せられるイメージの力は強い。 しかしこの王子たちの最期も、最近ではそうじゃないんじゃないか?との話が出て来ているらしいね。 (山田五郎さん、大人の教養講座より) 掘るといろいろと興味深くて結局訳分からなくなりそうだわ。 ちなみに内容とはあまり関係ないが、 わたしはこちらを三神勲訳の角川文庫クラシックスで読んでいて、翻訳の妙というか、面白いなと感じたのが166頁のリチャードの台詞、 「びくびくしながら小田原評定にふけっていては」のところ。 小田原評定を調べてみたら、この時代より100年以上後に出来た言葉だし、言うまでもなく国も時代も違うのに、軍議が進まない様子を表現する言葉としてリチャードに言わせるの、なんか面白い。 シェイクスピアもまさかこんな翻訳でキリスト教圏ではない極東の島国で読まれることになるなんて思ってなかっただろう。 大雑把なイメージとして、リチャード3世の醜悪さを描いた作品ではあるものの、突き抜けた悪役っぷりと、まわりの小物感を比べてみると、そんな単純な話でもないのかもしれないと思った。 …古典、恐るべし。
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人が多いし呼ばれ方が変わったりするしで、相関図にパラパラ戻りながらでもついていくのがかなり大変 注釈がけっこう詳しい。 さすがに原著に戻る気にはならないけど、言葉遊びが多いようなので英語だとさらに楽しめるのだろうなとおもう。
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