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ドイツは過去とどう向き合ってきたか
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ドイツは過去とどう向き合ってきたか

熊谷徹【著】

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ドイツは過去とどう向き合ってきたか

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 高文研/高文研
発売年月日 2007/04/01
JAN 9784874983782

ドイツは過去とどう向き合ってきたか

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商品レビュー

3.5

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2023/04/11

左綴じで教科書みたいなつくり。(字体もまさに教科書体!) フリージャーナリストの著者が、ドイツおよび国民がどのように負の歴史と対峙してきたかを取材。本書ではその行為を「過去との対決」としきりに表現されている。 著者自身90年のドイツ再統一前後から在独しているのもあってか、「ドイ...

左綴じで教科書みたいなつくり。(字体もまさに教科書体!) フリージャーナリストの著者が、ドイツおよび国民がどのように負の歴史と対峙してきたかを取材。本書ではその行為を「過去との対決」としきりに表現されている。 著者自身90年のドイツ再統一前後から在独しているのもあってか、「ドイツでは…、一方で日本では…」と、わが国をよく引き合いに出されていた。少々気に掛かりはしたものの心の底から自戒し誠意を見せるとはどういうことか、学べる点は非常に多い。 過去の過ちを無かったことにするか、表面上だけでも謝罪するか、一身を投げ打って贖罪するか。 初版は2007年だが、今でも無視できない上記の問いをこの”教科書”は投げかけている。 「今日ドイツに生きている市民の大部分は、ユダヤ人虐殺に直接の罪はありませんが、特別の責任を負っています」 これは2005年、シュレーダー首相(当時)が発言したものだが、こんな感じで明言できる人が果たして日本にいるのだろうかとふとよぎった。 政治・教育・司法の分野、そして民間においてどのように「過去との対決」が繰り広げられてきたのかを本書は追う。通して思ったのは、彼らは過去の過ちと決着をつけるのではなく、未来永劫伝承していく方を選択・徹底しているのだということ。 行政機関が集中する首都に追悼碑(=負の歴史を象徴するもの)を設置。ナチス戦犯には時効は設けられず、存命する限り捜査対象とされる。歴史教科書は何十年も前から被害国との会議を重ね制作。高齢化する被害者達の介護や交流、収容所の修復作業といったボランティアにドイツの若者が赴く…etc. ボランティアはNGO活動の一環だが、年々関心を持った参加者が増えているというのが驚きだ。歴史の授業ではナチスによる暴力支配を細部まで理解した上で自身の意見を述べることが求められるらしいから、これは当然の成り行きだろうか。 対決の仕方が、統一前の東西ドイツで全く違っていたのが一番ショックだったのかもしれない。 著者曰く旧東ドイツでは、社会主義時代の政権が自分達を「ナチスと戦った共産主義者の国」だと強調してきた。そのせいで本当の「過去との対決」がおろそかになり、極右派が未だに(2007年の時点では)存在感を示している。 そればかりか極右派による外国人への暴力事件も後を絶たず、著者もニュースを注視する日々が続いたという。 本書には生々しい写真も掲載されているが、ネオナチによる落書きを写した画像にも相当心を痛めた。ネオナチと聞くと「時代錯誤のおかしい人達」という印象しかなかったが、ここまで心を蝕まれていたとは…と考えを改める章でもあった。 「歴史について沈黙したら、我々は罪を背負うことになります」 対決に全てを賭してきたドイツですらまだ問題を抱えているのに、我が国ときたら…と不安を隠せずにいる。 第一に意識改革か。だとしたら、本や映画で触れるだけの段階ではもうないのだろうな。

Posted by ブクログ

2019/02/05

いつも不思議に思うことがあります。 第2次世界大戦後、長い時間だけが流れましたが、未だに周辺諸国から戦争責任や歴史認識を問われます。しかしドイツは、ホロコーストや侵略などヨーロッパのたくさんの国々に惨禍をもたらしたのに、今は周辺諸国からゆるぎない信頼を得ています。この日本とドイツ...

いつも不思議に思うことがあります。 第2次世界大戦後、長い時間だけが流れましたが、未だに周辺諸国から戦争責任や歴史認識を問われます。しかしドイツは、ホロコーストや侵略などヨーロッパのたくさんの国々に惨禍をもたらしたのに、今は周辺諸国からゆるぎない信頼を得ています。この日本とドイツの違いは何なのだろう? その答えをこの本は教えてくれます。

Posted by ブクログ

2015/04/04

2000年8月、ドイツの経済界は過去と対決する上で重要な一歩を踏み出した。約6400社のドイツ企業は連邦政府とともに、ナチス政権下で強制労働などの被害にあった市民のために、賠償基金「記憶・責任・未来」(Erinnerung, Verantwortung, Zukunft)をベルリ...

2000年8月、ドイツの経済界は過去と対決する上で重要な一歩を踏み出した。約6400社のドイツ企業は連邦政府とともに、ナチス政権下で強制労働などの被害にあった市民のために、賠償基金「記憶・責任・未来」(Erinnerung, Verantwortung, Zukunft)をベルリンに創設した。この賠償基金は約100億マルク(約5000億円)で、政府が50%、企業が50%負担した 。1999年に基金の創設が決まった時、当時首相だったシュレーダーは以下のように述べた。「ドイツは20世紀に、世界に大きな災厄をもたらしました。この基金によって、被害者たちに物質的な援助だけでなく、何等かの満足も与えたいと思います。賠償金は、被害者の苦しみを完全に癒すことはできませんが、和らげることはできます」

Posted by ブクログ

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