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財政学
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 有斐閣/有斐閣 |
| 発売年月日 | 2007/04/25 |
| JAN | 9784641162983 |
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財政学
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商品レビュー
4.5
4件のお客様レビュー
財政学に関するこの書籍は、単なる入門書ではなく、現代社会を理解するための深い洞察を提供しています。著者は、財政が経済、政治、社会の三つのサブシステムを結びつける重要な役割を果たすとし、財政を通じて市場社会の全体像を捉えることの重要性を強調しています。歴史的視点から財政を考察することで、現代の制度や社会構造の「なぜ」を解明し、より良い社会を模索するためのヒントを与えてくれます。著者の真剣な姿勢が感じられる内容は、読者にとっても有益で、財政学の学びを深めるための貴重な一冊となっています。
※この内容はAIが作成したものであり、ブックオフ公式オンラインストアの見解や意図を示すものではありません。
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※このレビューにはネタバレを含みます
本書は、財政を経済・政治・社会という3つのサブシステムを結びつける媒介環として捉え、財政学を総合的な社会科学として再構築しようとする体系的テキストである。全406ページのうち大部分を予算論と租税論が占めており、実務的な制度理解と理論的な位置づけの両方を扱う構成になっている。 本書の最大の特徴は、財政を常に、社会システム(家計・共同体)と経済システム(企業活動)を統治し社会を統合するための手段として位置づけている点にある。この立場は「財政社会学」と呼ばれる学問潮流に属する。筆者はこれまで財政学の本を体系的に読んだことがなく、比較対象となるのは大学の政治経済学部の授業で学んだ財政学だ。その授業は経済学の一単位として位置づけられており、公共経済学的な観点、すなわち市場の資源配分の効率性を出発点とする視点から財政を扱っていた。本書はこれとは対照的に、社会統合という視点から財政を出発させている点が新鮮だった。 まず、財政がなぜ生まれたのかという話から。財政は市場社会の誕生とともに生まれた。市場社会が成立するためには、財・サービスに所有権を割り振り、それを維持する仕組みが必要である。所有権が確定していなければ、そもそも交換自体が成り立たないからだ。しかし、自然や労働といった生産手段はもともと誰のものでもなく、自然に存在しているものにすぎない。それを特定の誰かの権利として確定させ、他者がその権利を侵さないようにするには、暴力的な力を伴った権力が必要になる。これが政治システムの役割だ。 市場社会の成立に伴い、政治システムと社会システムは分離する。市場社会が成立する以前は、政治システムが生産手段そのものを保有し、それを家計に等しく最低限行き渡るように分配していた。ところが市場社会では、生産手段の所有権が個々の経済主体に割り振られたことで、財・サービスの分配原理が一変する。等価交換の原則のもと、各人の購買力に応じた分配へ。この分配は、必ずしも人間の生存を保障するものではない。生存が保障されなければ社会に亀裂が生じ、治安が悪化し、社会統合が崩れる。ここに、財政による調整の必要性がある。 もう一つ重要なのが、市場社会の成立に伴い、国家自身も生産手段を持たない「無産国家」になる、という点だ。国家は生産手段を保有していないため、必要な財・サービスは要素市場・生産物市場を通じて調達するしかない。しかし市場での調達には貨幣が必要であり、生産手段を持たない国家は自ら貨幣を稼ぐ手段を持たない。そこで国家がとる手段が、市場を介さない強制的な調達、すなわち租税である。 では、この強制的な調達がなぜ正当化されるのか。本書が挙げる根拠が租税利益説だ。租税が個別的な見返りではなく一般的な利益、すなわち経済システムに不可欠な所有権の保障と、社会システムにおける最低限の生活保障をもたらすからこそ正当化される、という考え方である。そして、この強制的な調達が正当であり続けるための条件が、使い道(アウトプット)の民主的コントロール。これが財政民主主義だ。 本書は、この財政民主主義が現状では脅かされていると指摘する。理由は2段階。第一に、予算審議期間の短さである。予算は1月中に国会に提出され、3月中に採決されるため、十分な審議時間が確保されていない。第二に、予算編成の主導権が行政側にあることだ。内閣が予算編成方針を示すよりも先に、各省庁が概算要求を行う順序になっており、実質的に行政が予算の内容を先取りして決定している。この2段階の構造こそが、財政民主主義を機能不全に陥らせている、というのが本書の主張である。 実際、現在の高市内閣では衆議院の予算委員会の審議時間が過去最短となっており、本書の指摘は現実の政治状況とも符合する。輪読の場では対照的な例としてアメリカが挙がったが、これは議院内閣制と大統領制という制度の根本的な違いに起因する問題であり、財政民主主義そのものの問題として一般化できるかは疑問が残った。 一方で、本書には読みにくさもある。法人税の移転や付加価値税の計算方式(帳簿方式とインボイス方式の違い)など、細かい制度的記述がかなり多く含まれている。また、説明が十分でないまま新しい専門用語が導入される箇所もしばしばあり、1人で通読するにはかなり骨が折れる本だという印象を持った。
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内容紹介 ●制度変更をフォローした,待望の改訂版 政治・経済・社会を統合する媒介環として財政をとらえ,総合的な社会科学としての財政学の構築をめざし,広く迎えられた体系的テキストの改訂版。データ更新や制度変更のフォローを行い,格差問題など新規のトピックを盛り込み,さらに充実し...
内容紹介 ●制度変更をフォローした,待望の改訂版 政治・経済・社会を統合する媒介環として財政をとらえ,総合的な社会科学としての財政学の構築をめざし,広く迎えられた体系的テキストの改訂版。データ更新や制度変更のフォローを行い,格差問題など新規のトピックを盛り込み,さらに充実した内容を実現。 内容(「BOOK」データベースより) 政治・経済・社会を統合する媒介環として財政をとらえ、総合的な社会科学としての財政学の構築をめざし、広く迎えられた体系的テキストの改訂版。財政投融資などの制度変更のフォローやデータの更新を行い、格差問題など新規のトピックスを盛り込んで、さらに充実した。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 神野直彦 1946年埼玉県に生まれる。1969年東京大学経済学部卒業。1981年東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。大阪市立大学助教授、東京大学経済学部助教授などを経て、東京大学大学院経済学研究科・経済学部教授。専攻、財政学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) 目次 第1編 財政学のパースペクティブ 1 財政学への旅立ち 2 財政と三つのサブシステム 第2編 財政学のあゆみ 3 財政学の生成 4 財政学の展開 5 現代財政学の諸潮流 第3編 予 算 6 財政のコントロール・システムとしての予算 7 予算のプリンシプル 8 予算制度の構造と機能 9 予算過程の論理と実態 10 予算の改革 第4編 租 税 11 租税原則 12 租税の分類と体系 13 人税の仕組みと実態 14 生産物市場税の仕組みと実態 15 要素市場税の仕組みと実態 16 オプションとしての公債と公債原則 第5編 財政のアウトプットとサブシステム 17 貨幣支出としてのアウトプット 18 公共サービスの供給としてのアウトプット 19 三つのサブシステムと公共支出 第6編 政府間財政関係 20 地方財政と中央財政 21 地方財政の理論と実際 22 政府としての社会保障基金 23 公企業と財政投融資 終章 財政の過去から未来へ
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財政学の入門書であるが、単なる教科書というよりも、現代社会をどう捉えるかということについてヒントを与えてくれる含蓄の深い本。近代以降の市場社会は、経済システム、政治システム、社会システムという3つのサブシステムから成り立っており、その3つのサブシステムの境界線上にあって、それらを...
財政学の入門書であるが、単なる教科書というよりも、現代社会をどう捉えるかということについてヒントを与えてくれる含蓄の深い本。近代以降の市場社会は、経済システム、政治システム、社会システムという3つのサブシステムから成り立っており、その3つのサブシステムの境界線上にあって、それらを結びつける媒介環の役割を果たしているのが財政であり、財政が市場社会のミッシング・リンクとなっているという大きな認識の下で執筆されている。財政を歴史的に考察しようという傾向が強い。 著者は、財政が市場社会を統合するという役割を果たすことを重視しているため、いわゆる「大きな政府」に親和的であり、その政策的志向には若干違和感も覚えた。しかし、本書の内容は、現代社会の構造をつかみ、より良き社会を考えるのに、有益であるのは間違いない。
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