商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 集英社/集英社 |
発売年月日 | 2007/01/22 |
JAN | 9784087203776 |
- 書籍
- 新書
「狂い」のすすめ
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「狂い」のすすめ
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商品レビュー
3.7
50件のお客様レビュー
閑吟集のなかにある歌「何せうぞ くすんで 一期は夢よ ただ狂へ」を出発点に、生きにくさを感じる世間を自分らしく生きるための哲学を提供している一冊でした。 キリスト教などさまざまな宗教で説かれているものを用いていたが内容としては禅的な要素が強い印象でした。とくに合一意識を持ちながら...
閑吟集のなかにある歌「何せうぞ くすんで 一期は夢よ ただ狂へ」を出発点に、生きにくさを感じる世間を自分らしく生きるための哲学を提供している一冊でした。 キリスト教などさまざまな宗教で説かれているものを用いていたが内容としては禅的な要素が強い印象でした。とくに合一意識を持ちながら差別の多い現実を生きるという難しい点を狂いの哲学として筆者が提唱しているところが面白かったです。 内容はエッセイ調のため読みやすかったです。
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隣人との付き合い方が特に参考になった。 今まで正しいことを言ってしまった時もあったのが恥ずかしい。 私自身も、正しいことを言われた時すごく嫌な気分になったし、言ってきた相手とは結局縁を切ったのを思い出した。
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- ネタバレ
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-2007.06.30記 昨夜につづき、ひろさちや氏の近著についての追書きである。 第1章の「狂いのすすめ」から、終りの4章は「遊びのすすめ」へと結ばれ、遊狂の精神こそ世間-縁のうちに生きる人間の最良の智恵と説かれるが、その世間-縁なるものを思量するに引かれる具体的事象がいくつか面白い。 たとえば、動物社会学の知見によれば、アリはそれほど勤勉ではない、という話。 まじめに働くアリは約2割、残りの8割は怠け者。正確にいえば、2:6:2の割合で、ものすごく勤勉なアリが2割、6割が普通、怠け者が2割ということだが、6割の普通のアリを怠け者のグループへ入れれば、先述のようなことになる。 そこで、2割の勤勉な者ばかりを集めて新しい集団をつくればどうなるか。勤勉だったアリの8割が怠け者に転じてしまうのだ、という。 もうひとつ、養殖うなぎの稚魚の話。 養殖うなぎの稚魚はたいてい外国から輸入しているが、これが空輸されてきたとき、8割、9割の稚魚が死んでしまうのである。これでは採算もとれないから、窮余の一策で、試しに稚魚の中に天敵のナマズを入れて空輸してみたところ、稚魚の2割はナマズに喰われてしまっていたが、残りの8割は元気そのものだったという。アリやうなぎの稚魚の集団における生態も、人間社会の生態も大同小異、同じようなものなのだ。それが世間というものであり、また縁のうちにあるということなのだ。 あれこれと本書で紹介された事象の中で、それなりに新鮮で刺激的なものとして私を捉えたのは、「老衰とガン」の相関的な話だ。 筆者には、放射線治療の第一人者として現代医療の最先端にいながら、逆説的でセンセーショナルな書として注目を集めた、「患者よ、ガンと闘うな」を著した近藤誠医師と対談した「がん患者よ、医療地獄の犠牲になるな-迫りくる終末期をいかに人間らしく生き遂げるか」日本文芸社新書-があるようだが、これを引いて、近藤医師曰く、ガンという病気は、本来ならば老衰のように楽に死ねる病気だ。高齢者がだんだんに食べなくなって、痩せて枯木のようになって、格別苦しまずに眠るように死んでいく。そういう死に方ができるのがガンなのだ、と。 また、高齢者の死因において、老衰死が極端に少なくなり、代わってガンが増大したのは、摘出手術を当然視した現代医療の徹底した普及から、手術の後遺症や抗ガン剤の副作用、病巣の転移などを誘発することが圧倒的にひろがってきたからだ。むしろ老衰のような死に方を理想とするなら、ガンを無理に発見して治療しないほうがよい場合も多々あるのだ、と説いているが、少なくとも少壮期に発見されたガンならばともかく、壮年の晩期や初老期にさしかかってからの場合など、まこと肯ける話で、斯様に対処するが智恵というものかもしれぬ。
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