商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋/文藝春秋 |
発売年月日 | 2007/02/15 |
JAN | 9784163598406 |
- 書籍
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はじめての文学 宮本輝
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はじめての文学 宮本輝
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商品レビュー
3.8
20件のお客様レビュー
貧しい暮らしをしている人々についての短編集でした。 子供の頃の主人公の話が多かったです。 舞台は大阪が多かったです。
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とても綺麗な文章を書く人だなと思った。おばあちゃんにおすすめされたけど難しそうで読む気になれなくて、でも読んでみたいと思っていたので、ちょうど良かった。 短編集だったから、読みやすかった。 最初の『星々の悲しみ』という話がとても美しいと思った。小説を美しいと感じたのは初めてかもし...
とても綺麗な文章を書く人だなと思った。おばあちゃんにおすすめされたけど難しそうで読む気になれなくて、でも読んでみたいと思っていたので、ちょうど良かった。 短編集だったから、読みやすかった。 最初の『星々の悲しみ』という話がとても美しいと思った。小説を美しいと感じたのは初めてかもしれない。 今の自分と、将来の自分で、大分読んでいる時の感じ方が変わってくると思ったので、宮本輝さんは大人になってからも読みたい小説家だと感じた。 他の話も読んでみたいと思った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
久々の読書。初手で長編のものはきついので、 とりあえず手に取った作品。 ↓以下、感想文 ネタバレなど自己責任でお願いします。 宮本輝 『はじめての文学』 ・全体的に昭和の色が濃く、大阪が舞台になっている。当時のことを知っているわけではないから物の名前であったり、話し言葉にも知らないものが多かったりする。そのため没入しづらい部分はある。 かなり人間味に溢れている内容が多い。人間味という言葉で済ませるにはもっと泥っぽくて、汗の匂いがしてくる感じだ。NHKの朝ドラに似ている。こういうものを大衆的とか世俗的とか、そう表現されるんだろう。 多くの物語は家族間でのやり取りや出来事が題材になっている。登場する大体の父親が借金だったり、 蒸発したり、ギャンブラーだったり結構ろくでもない。自分がそう感じるのは平成の人間だからだろうか。 真偽は不明だが、まるでその時代の『父』という存在がテンプレ化されているようだった。 個人的に『五千回の生死』は収録されている中でも毛色が違うような気がして好きな物語である。 前述の通り、家族・友人間の物語が多い中で全くの他人同士の物語であるのもそうだが、主人公が体験した出来事を知人に語りかけている、口語文で書かれていることが大きな特徴だ。 語りかけている相手(主人公の友人)と主人公が語る出来事の中で出会った男は別人であるため、 具体的な友人の性格だったり、主人公との関係性はわからないようになっている。 このような書き方によってどのような影響があるのか考えてみた。 友人との出来事は話の本筋の前振りとして使われている。この出来事も主人公が語っている今現在の時間軸からは結構昔だと推察できる。順番としては「友人との出来事(Aとする)」→「男との出来事(本筋=Bとする)」→「主人公が現在軸で友人に語る(Cとする)」になっている。BのためにAがあるが、口語文にしなくても物語はできるはず。そうしたのはAを簡潔に済ませるため。というのが理由の一つとしてあるのではないかと考えた。 全てを現在軸で書こうとすると友人との会話や出来事の描写もする必要があるため、量が増える。 もっと簡潔にしようとして、こういう状況でこうなった、では淡々とした説明ばかりになってしまうように思える。 口語文にすることで文章に温度を持たせられるし、友人の性格もチラつかせることができ、柔軟に対応できるからではないだろうか。 死にたくなったり生きたくなったりを繰り返す男だが、私は死にたくなる方が多い。というより、 生きたくなる感覚がよくわからないから無意識にそう感じられていたとしても気づいていないのだろう。少し考えたが、天気の良い日に散歩している時や、自然の美しさに触れている時、旅行の計画を立てている時などは精神的にいい意味で凪いだ状態でいる。 これが生きたいに値するのかは知らないが、ずっとこの時間が続けばいいのにとは思う。生きたいと感じられるのは感受性が豊かというか、己の精神を反芻して考えてその気持ちに名前をつけられるくらいの認知能力がある人間じゃないと気付けないものなのだろう。
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