1,800円以上の注文で送料無料

はじめての文学 宮本輝 の商品レビュー

3.8

20件のお客様レビュー

  1. 5つ

    5

  2. 4つ

    6

  3. 3つ

    8

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/09/17

貧しい暮らしをしている人々についての短編集でした。 子供の頃の主人公の話が多かったです。 舞台は大阪が多かったです。

Posted byブクログ

2022/11/10

とても綺麗な文章を書く人だなと思った。おばあちゃんにおすすめされたけど難しそうで読む気になれなくて、でも読んでみたいと思っていたので、ちょうど良かった。 短編集だったから、読みやすかった。 最初の『星々の悲しみ』という話がとても美しいと思った。小説を美しいと感じたのは初めてかもし...

とても綺麗な文章を書く人だなと思った。おばあちゃんにおすすめされたけど難しそうで読む気になれなくて、でも読んでみたいと思っていたので、ちょうど良かった。 短編集だったから、読みやすかった。 最初の『星々の悲しみ』という話がとても美しいと思った。小説を美しいと感じたのは初めてかもしれない。 今の自分と、将来の自分で、大分読んでいる時の感じ方が変わってくると思ったので、宮本輝さんは大人になってからも読みたい小説家だと感じた。 他の話も読んでみたいと思った。

Posted byブクログ

2022/09/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

久々の読書。初手で長編のものはきついので、 とりあえず手に取った作品。 ↓以下、感想文 ネタバレなど自己責任でお願いします。 宮本輝 『はじめての文学』 ・全体的に昭和の色が濃く、大阪が舞台になっている。当時のことを知っているわけではないから物の名前であったり、話し言葉にも知らないものが多かったりする。そのため没入しづらい部分はある。 かなり人間味に溢れている内容が多い。人間味という言葉で済ませるにはもっと泥っぽくて、汗の匂いがしてくる感じだ。NHKの朝ドラに似ている。こういうものを大衆的とか世俗的とか、そう表現されるんだろう。 多くの物語は家族間でのやり取りや出来事が題材になっている。登場する大体の父親が借金だったり、 蒸発したり、ギャンブラーだったり結構ろくでもない。自分がそう感じるのは平成の人間だからだろうか。 真偽は不明だが、まるでその時代の『父』という存在がテンプレ化されているようだった。  個人的に『五千回の生死』は収録されている中でも毛色が違うような気がして好きな物語である。 前述の通り、家族・友人間の物語が多い中で全くの他人同士の物語であるのもそうだが、主人公が体験した出来事を知人に語りかけている、口語文で書かれていることが大きな特徴だ。 語りかけている相手(主人公の友人)と主人公が語る出来事の中で出会った男は別人であるため、 具体的な友人の性格だったり、主人公との関係性はわからないようになっている。  このような書き方によってどのような影響があるのか考えてみた。 友人との出来事は話の本筋の前振りとして使われている。この出来事も主人公が語っている今現在の時間軸からは結構昔だと推察できる。順番としては「友人との出来事(Aとする)」→「男との出来事(本筋=Bとする)」→「主人公が現在軸で友人に語る(Cとする)」になっている。BのためにAがあるが、口語文にしなくても物語はできるはず。そうしたのはAを簡潔に済ませるため。というのが理由の一つとしてあるのではないかと考えた。 全てを現在軸で書こうとすると友人との会話や出来事の描写もする必要があるため、量が増える。 もっと簡潔にしようとして、こういう状況でこうなった、では淡々とした説明ばかりになってしまうように思える。 口語文にすることで文章に温度を持たせられるし、友人の性格もチラつかせることができ、柔軟に対応できるからではないだろうか。  死にたくなったり生きたくなったりを繰り返す男だが、私は死にたくなる方が多い。というより、 生きたくなる感覚がよくわからないから無意識にそう感じられていたとしても気づいていないのだろう。少し考えたが、天気の良い日に散歩している時や、自然の美しさに触れている時、旅行の計画を立てている時などは精神的にいい意味で凪いだ状態でいる。 これが生きたいに値するのかは知らないが、ずっとこの時間が続けばいいのにとは思う。生きたいと感じられるのは感受性が豊かというか、己の精神を反芻して考えてその気持ちに名前をつけられるくらいの認知能力がある人間じゃないと気付けないものなのだろう。  

Posted byブクログ

2020/09/14

あとがきに「井上靖のあすなろ物語を読んで、人間真っ直ぐに生きなきゃいけない、卑怯じゃいけないな、と感じた」という筆者のエピソード(乱暴に略した)があって、借りることにした。最近己の汚さに嫌気がさしているので…。(ついでにあすなろ物語も借りた) 10年近く前に螢川・泥の河を読んで...

あとがきに「井上靖のあすなろ物語を読んで、人間真っ直ぐに生きなきゃいけない、卑怯じゃいけないな、と感じた」という筆者のエピソード(乱暴に略した)があって、借りることにした。最近己の汚さに嫌気がさしているので…。(ついでにあすなろ物語も借りた) 10年近く前に螢川・泥の河を読んで、文章に癖がなくてきれいな作家って印象だった。 期待通りで、読んだ後は「良いものを読んだな」という感覚で満たされた。 でも、この人が何を伝えたいのか私にはわからなかった。どういうことなんだろう?と考えさせられた。収録されている話の確か全てで登場人物が死ぬ。多かれ少なかれ死というものについての問いかけがベースに流れている。というか、この本の中ではあまりにも死が身近で問いかけるって表現が大げさに感じられるほど。 私は死について考えたことがほとんどない。身近に死んだ人もほとんどいない。現代、そうそう人が死ななくなって死んだらビックリしちゃうけど、死ぬってほんとはもっともっと普通のことなんだろうな。 どの話も良いんだけど、「サビだけ集めました」みたいなメドレーって感じで、個人的には少々目まぐるしかったので、もう少しゆったりと個々の作品を味わえると良かったなと思います。まあそれが短編の醍醐味なんですが…。

Posted byブクログ

2016/07/20

読みたいな、という気持ちは何年も前から抱いているものの、なかなか実際の行動には移せないままズルズル生きてきてしまった……という作家さんや本が私には無数に、下手したらこれまで読んだ数よりもたくさんあるんですけど、宮本輝氏もその1人でした。本棚には『春の夢』の文庫本が積みっぱなしにな...

読みたいな、という気持ちは何年も前から抱いているものの、なかなか実際の行動には移せないままズルズル生きてきてしまった……という作家さんや本が私には無数に、下手したらこれまで読んだ数よりもたくさんあるんですけど、宮本輝氏もその1人でした。本棚には『春の夢』の文庫本が積みっぱなしになってるし。 ところが、先日図書館で『はじめての文学』シリーズの存在を知り、何気なく手に取ったよしもとばなな編が大変に面白かったこと、そしてこのシリーズが自選集であることなどに心動かされ、遂に、と云うか、満を持して、と云うか、そういう感じで宮本輝デビューさせていただきました。 「文学の入り口に立つ若い読者へ向けた」アンソロジーということもあってか、本書に収録されている短編はどれも“青春”がテーマ。 舞台となっている時代はいずれも昭和で戦後で日本がまだ貧しかった頃で、登場人物はほぼ全員きつい関西弁を喋ってて、若くはないけど老成してもいない私にとっては、なんだか昔の映画を見ているようでした。 でも、主人公たち(少年or青年)が抱く不安や焦燥や閉塞感みたいなものはやっぱり普遍的なもので、なんだかわかんないけど足掻かずにはいられない姿には打たれるものがすごくあって。 ああ青春って「据わりの悪さ」のことなんだなあ。そこからどうやって抜け出そうかってガチャガチャやることなんだなあ。 なんて、読み終わって余韻に浸っているところです。読んでよかった。欲を言えばもっと早くに読めばよかった。 『力』『五千回の生死』が特に好き。 【収録作品】 星々の悲しみ 真夏の犬 力道山の弟 トマトの話 力 五千回の生死 道に舞う

Posted byブクログ

2014/02/14

昔の大阪を舞台に描かれる青春。 自分が幼かったときのことを思い出す。 何気なく手に取った本だけど、どんどん著者の世界に引き込まれていった。 もっと他の作品を読んでみたくなった。

Posted byブクログ

2013/03/10

読書会の題材を選ぼうと思って読んでみました。高校生のときに『避暑地の猫』を読んで衝撃を受けて、しばらく宮本輝にはまったのですが、それ以来久しぶりに読みました。芥川賞~~っていう感じがします。感覚的。

Posted byブクログ

2014/11/18

嫌に現実味を帯びていて、妙に物事は上手く運んで……運ばれてしまう。 昭和と大阪弁が織り混ざって出来上がる物語は自分の体験したことの無い雰囲気に飲み込まれ、衝撃を受けた。 「星々の悲しみ」「トマトの話」が特に印象に残っていて、自分がオススメとして、挙げるとなればまずこの2作を選択す...

嫌に現実味を帯びていて、妙に物事は上手く運んで……運ばれてしまう。 昭和と大阪弁が織り混ざって出来上がる物語は自分の体験したことの無い雰囲気に飲み込まれ、衝撃を受けた。 「星々の悲しみ」「トマトの話」が特に印象に残っていて、自分がオススメとして、挙げるとなればまずこの2作を選択する。

Posted byブクログ

2011/06/11

職場の先輩が「文章がうまい」と言っていた、宮本輝の作品をいつか読みたいと思っていた。作品が多すぎて選べないまま、そのままきた。今回『はじめての』の言葉に惹かれて手に取り、読み終わって、人生の機微を感じさせるじんわりとした読後感が残っている。次は長編を読もうと思う。

Posted byブクログ

2011/05/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

おそらく本人推薦短編集。食事中はきついなあ、てのが多かった。戦後の貧乏な大阪少年ものが多かった印象が。 ああ、芥川賞作家だなあていう雰囲気が。ゆっくり読めるときがあれば多少きついことが発生しても読めたかなあ。

Posted byブクログ