商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 光文社/光文社 |
発売年月日 | 2007/04/25 |
JAN | 9784334925475 |
- 書籍
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聖餐城
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聖餐城
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商品レビュー
4.3
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17世紀、神聖ローマ帝国、30年戦争、カトリックとプロテスタント、ハプスブルク家、ボヘミア王、選帝侯、ユダヤ人、傭兵、市民権のない刑吏、錬金術師、ホムンクルス、ケプラー。 聖餐城にあるとされる青銅の首とは? ヨーロッパの傭兵について書かれた小説が読みたくて図書館で借りた。辞書みたいに分厚いけど、するする読める。なんかすごいもの見つけてしまったと思わせる本。 ボヘミアで宗教対立から偉い人を窓から投げたことから始まる30年戦争。主人公アディは馬の腹に縫い込められていた出生不明の子(最後までわからないんかーい)。背中の曲がった同年代の金持ちユダヤ人イシュアをたまたま助ける。頭が良くて不思議な力があるイシュアと出会ってから、喋れなかった舌が動いたり良いことづくめのアディ。やられるよりやる側になりたいぐらいの認識しかなかった少年が傭兵になって、不可触民の刑吏の女の子を救おうと偉くなっていくサクセスストーリー() もう一人の準主役イシュアの兄シムション。キリスト教の対立に乗じてユダヤ人の居場所を作ることに奔走する。金儲け大好き。父よりも弟よりも自分!賢いイシュアを「お前こそが青銅の首(為政者の質問になんでも答えてくれるらしい。インターネットかAIみたい)」と頼りにしていたが、段々不気味に思えてくる。ある意味一番人間らしくて共感できる男。頑張ったのは本当。 対して最後までよくわからない男イシュア。異形の身体で家族からも疎まれ唯一の友アディを何度も助ける。その賢さと友情は本物なんだけど、結局何がしたかったのか、首は残せたのか(紙がボロボロになって全ておじゃん?)よくわからん。でもユダヤ人墓地よりあの地下で眠るのを本人が選んだとアディは判断して置いていくんだ。うーーむ。出生自体がホムンクルスとかそうじゃなかったとか(あっさり明かされる)ノタリコン解読とか不思議要素全て背負ってた分、連載のライブ感で削られた部分もあるのかな? ローゼンミュラーの傭兵部隊は主人公って感じでロマンがあって少年マンガのようだったけど実在するのかな? 宗教も国籍も関係なく、ドイツ中が荒廃した史実。皇帝には財貨がなく、傭兵たちは戦争の報酬を得るために掠奪し、次の戦争へ。 アディの敬愛したフロリアン隊長の遺児たちを見守って終わる物語。死ななくてよかった、とほっとする気持ちともっと幸せになれたはず、ともやもやもする。地に足ついた歴史小説ってことかな。
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三十年戦争を舞台装置に繰り広げられる狂乱と残酷の歴史小説。 イシュア、アディに尽くしすぎじゃない??新手のツンデレすぎない???とか思ってしまいましたが・・・。 忠義と愛欲と小さな恋のメロディとが綯い交ぜの濁った空気を吸い込んだアディを思うと・・・凄まじい。
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三十年戦争の話。世界史の知識がないとちょっとつまらないかも。 傭兵たちの暮らしや働きが詳しく描いてある。 ユダヤ人が戦争を利用して各地で経済力をつけ地位を築いていく様子がおもしろかった。
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