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ヒストリー・オブ・ラヴ
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ヒストリー・オブ・ラヴ

ニコールクラウス【著】, 村松潔【訳】

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ヒストリー・オブ・ラヴ

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社/新潮社
発売年月日 2006/12/10
JAN 9784105054311

ヒストリー・オブ・ラヴ

¥2,420

商品レビュー

4.3

8件のお客様レビュー

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2022/10/06

ラストの人生が交わる様はサブイボ。 ちょっと詰め込み過ぎ感は、「フォレストダーク」同様だけど、何よりラストのカタルシス。 こちらのが心の琴線に触れました。

Posted by ブクログ

2018/12/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 この小説は美しく悲しく静謐です。だが、しかし。あちこちにユーモアもちりばめられています。  心臓の筋肉の二十五パーセントが死んでしまっているレオ・グルスキという老人が語る一人称の物語、そして小説「愛の歴史(ヒストリー・オブ・ラヴ)」の登場人物にちなんでアルマと名づけられた少女による一人称の物語 ── これらふたつが並行して展開していきます。ストーリーはレオとアルマを核にして広がっていき、やがてそれらの隙間を、レオから「愛の歴史」のイディッシュ語の原稿を預かったリトヴィノフについて語られる三人称の章、まるで散文詩のような「愛の歴史」からの抜粋、自らを隠れた義人と信じるアルマの弟バード(エマニュエル・ハイム)の日記が埋めていきます。そしてついにはそれら全てが大きな環のように繋がって、劇的なラストに向かって収斂していきます。複雑に仕組まれた伏線がみごとに回収されていくことに、陶酔感を感じます。  ひとりの人が死ぬとき、それまで胸に秘めた大切な思い出が一度にこの世から失われてしまうので、死を目の前にして人は苦しまざるを得ないのでしょう。だから誰しも、自分が生きていた証拠を残そうとするのかもしれません。「愛の歴史」はレオにとって、自らが生きたことの証だったに違いありません。  物語のもう一人の重要な登場人物であるワルターは、常にレオのそばにいて彼の心を支えてくれています。だが、それにもかかわらず…… この先はネタバレになるのでやめておきましょう。

Posted by ブクログ

2012/08/25

レオは、もう死ぬことは覚悟していた。心臓発作で何度も死に掛けていたし、いつからか、一人暮らしのレオと旧友のブルーノは、生きているかどうかを互いに確かめ合うようになった。 レオが、故国ポーランドからアメリカにやってきたのには理由があった。 ナチの弾圧が強くなる少し前、愛する人はア...

レオは、もう死ぬことは覚悟していた。心臓発作で何度も死に掛けていたし、いつからか、一人暮らしのレオと旧友のブルーノは、生きているかどうかを互いに確かめ合うようになった。 レオが、故国ポーランドからアメリカにやってきたのには理由があった。 ナチの弾圧が強くなる少し前、愛する人はアメリカに渡った。後を追うと約束していたレオは数年後、やっとアメリカの愛する人に逢えたが、彼女の事情は変わっていた。 レオの子を身ごもったまま渡米してしまった彼女は、出産を手助けしてくれた人と結婚し、その人の子どもをもう一人産んだ。 ふたりの息子の母として、レオの見知らぬ人の妻として生きる愛する女性は、レオが生きていても今の人生をかえるつもりはないと言った。 だからレオには息子がいる。息子はレオの存在もしらない。レオの息子は作家になった。有名な作家だ。 レオも小説は書いた。ずっと昔に書いたのだ。でも、あの原稿は何処へいったのだろう。 レオが50年以上昔に、書いた小説は人の手に渡り、スペイン語に訳されてある男性のものとなり、結婚した彼は、その小説の登場人物の名を生まれた娘につけた。 その娘は、15歳の快活な少女に成長し、自分と同じ名前の小説の人物を探し始める。 80歳のレオ。15歳のアルマ。このふたりの運命を交わらせる『ヒストリー・オブ・ラヴ(愛の歴史)』という一冊の本。 冒頭は、レオの一人称の語りではじまる。 レオは新聞の広告で見たデッサン教室のヌード・モデルに申し込む。 レオは80歳なのだ。レオは、みんなの前で全裸になりモデルをつとめ、15ドルを貰った。 レオのモデルの話は、レオの人生の回顧と共に描かれる。 その数奇な運命は、80歳のヌード・モデル以上に読者の心を掴む。 全く別の人生を歩んでいるアルマの話も興味をひかれる。 イスラエル人の父は亡くなり、弟のバードは変わり者だ。 母親は翻訳をしているが、そこに持ち込まれた『ヒストリー・オブ・ラヴ(愛の歴史)』。 人の人生が、もし、はじめから決められていて、すべてが必然で起こっているとすれば、私たちはそのストーリーとおりに生きているのだろうか? 父親と名乗れないレオは、有名作家になった息子に自分が50年以上ぶりに書いたものを送った。 細い親子の糸を繋ごうと努力するレオがスタバでコーヒーを飲んでいたとき見たものは、レオの息子が死んだと報じる新聞記事だった。 このときのレオの絶望感と悲哀が、読者の心に針のような雨を降らせる。 レオは二度とヌード・モデルにはならなかったが、人生の最期にアルマに会い、誰にも告げることのなかったことを告げた。 レオはアルマを思いつつ、この世を去った。 本書を読みつつ、正直、少し凝りすぎかもと感じたことがあった。レオの人生だけで、十分にいい小説になりそうな予感があったので、たくさんのことを詰め込みすぎてるような気分もしたのだ。 しかし、あまりにもこの書物には感動があった。ひとつではなくいくつもの感動。それがすばらしい。 ニコール・クラウスは、処女作『2/3の不在』で「ブック・オブ・ザ・イヤー」を獲得。次作になる本書は20カ国以上で出版されている。

Posted by ブクログ

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