商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 河出書房新社/河出書房新社 |
発売年月日 | 2007/05/20 |
JAN | 9784309408477 |
- 書籍
- 文庫
ナチュラル・ウーマン
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ナチュラル・ウーマン
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商品レビュー
3.5
34件のお客様レビュー
同性愛者である容子を中心に、彼女と関係をもった三人の女性たちをえがいた連作短編三作品をまとめた本です。 「いちばん長い午後」は、容子と彼女のパートナーである夕記子とのあいだの緊張感をはらんだ関係が印象的な作品です。つづく「微熱休暇」は、容子の仕事先の知人である由梨子と旅行に出か...
同性愛者である容子を中心に、彼女と関係をもった三人の女性たちをえがいた連作短編三作品をまとめた本です。 「いちばん長い午後」は、容子と彼女のパートナーである夕記子とのあいだの緊張感をはらんだ関係が印象的な作品です。つづく「微熱休暇」は、容子の仕事先の知人である由梨子と旅行に出かける話。表題作「ナチュラル・ウーマン」は、19歳のころの容子と、大学の漫画サークルで知り合った花世との交際がえがかれています。 夕記子は、容子が「忠臣を演ずる気まぐれな皇帝陛下」といって彼女をなじり、暴力におよびますが、容子はそんな自分を「私の行為には敬意が欠けていた」と認めつつも、そのことに恥じ入るでもなく、「しかし、お互い様であるのも確かだった。夕記子の方も常に誠実だったわけではない」と、自分たちの関係を奇妙にも冷静に見つめなおすばかりで、その関係をあらためることはいっこうにありません。ただ、「恋愛ではない、もっと他のとても大切なことをするのが私は下手なのだ」という自覚が訪れるのを受け入れるばかりです。 同性愛であれ異性愛であれ、「性」が必然的にはらんでしまう他者との相克を、まさしくそのようなものとして認識しつつ、その権力性を解体することが著者のねらいだったのだとすれば、それ自体は興味深いテーマだと感じました。
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自分が何者なのかわからない主人公がそれゆえに「好き」のなんたるかも分からず、女性との関係を通してそれらを模索していく話、とまとめてしまうと簡単なのだけど私には難しかった。「本当に好き」とは何なのか。文章は美しく描写は豊かで読みやすかった。
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やっぱり私は同性愛はわからなくて、異性愛のほうが断然いい。 なあんて、見当はずれなことを思いながら読んだ。 いいとかいやとかじゃないんだよね。 それはわかる。 だだ、読書の醍醐味ないし極意は感情移入がだから、 理解薄いと困るよね。 それが文芸作品の泣き所。 投げ出さなかったの...
やっぱり私は同性愛はわからなくて、異性愛のほうが断然いい。 なあんて、見当はずれなことを思いながら読んだ。 いいとかいやとかじゃないんだよね。 それはわかる。 だだ、読書の醍醐味ないし極意は感情移入がだから、 理解薄いと困るよね。 それが文芸作品の泣き所。 投げ出さなかったのは、文章にしっかり捉えられたからで、 しっとりと描き方はうまい。するすると読んでしまったのだ でも、内容は凄い。 どっきりどきどき、あられもない、すさまじさ。 そこへいくと、 橋本治の「桃尻娘」シリーズの磯村君と木川田の同性愛の場面は ほのぼのしていたんだよなー。 恣意的な読みとりで、男との恋愛に置き換えてみれば、 なんのことはない。となって身も蓋もない。 というか、同性の恋愛も異性の恋愛も変らないのだなーと。 「男と女の間には深い川がある」ように、人と人のあいだにも深い淵がある。 とでも理解しようか。(私はこの程度だ!) なぜ、松浦理英子の作品を読みたかったのか。 それは、桐野夏生が関心をよせていると知ったから。 解説によると、作家仲間も注目して大切にしているという作家とか。 確かに1987年頃には異色であったろう。 次作品を読んだらわかるようになるかもしれない、懲りない私。
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