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林檎の木の道 創元推理文庫
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林檎の木の道 創元推理文庫

樋口有介【著】

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林檎の木の道 創元推理文庫

814

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 東京創元社/東京創元社
発売年月日 2007/04/13
JAN 9784488459062

林檎の木の道

¥814

商品レビュー

3.7

16件のお客様レビュー

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2019/11/26

1996年の樋口有介作品で、この2007年創元推理文庫版は中公文庫版に加筆した再文庫版。 樋口氏のデビュー作『ぼくと、ぼくらの夏』と同路線の、男子高校生が夏休みの間に女子高校生の死の謎を解く、というストーリー。 ですが、『ぼくと、ぼくらの夏』と比べて、だいぶハードボイルド風味が...

1996年の樋口有介作品で、この2007年創元推理文庫版は中公文庫版に加筆した再文庫版。 樋口氏のデビュー作『ぼくと、ぼくらの夏』と同路線の、男子高校生が夏休みの間に女子高校生の死の謎を解く、というストーリー。 ですが、『ぼくと、ぼくらの夏』と比べて、だいぶハードボイルド風味が増しています。男子高校生・広田悦至が「ぼく」という一人称で語るスタイルがまずハードボイルドですが、新宿に近いやや寂れた街『梅園銀座商店街』という架空の街を舞台に、クールな主人公とその主人公を取り巻く個性的な人々を配置、ということからわかるとおり、私立探偵が男子高校生に置き換えられたハードボイルド小説、という雰囲気です。 ただ、男子高校生・広田悦至を取り巻く人々の騒がしい雰囲気に引っ張られること無く、クールな変人キャラである広田悦至君が持つ雰囲気が終始作品を支配していて、暑い夏休みであるのにどこか陰鬱な作品になっています。 文庫本の内容紹介にあるような、「青春ミステリ」という言葉からイメージする甘酸っぱさより、だいぶ苦めの味わいでしたが、自分にはこの苦さが快い読み心地となっていました。

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2019/04/07

20190407 ぼくは友崎涼子の平べったい尻にたっぷりとアジシオをふりかけてやり、葡萄棚の影を吸い込むつもりで、大きく深呼吸した。飛んでいたヘリコプターは姿を消し、風が欅にかすかな葉音をひびかせていた。 友崎涼子が休戦を宣言するのは妥当として、ぼくのほうがいつ宣戦を布告したのか...

20190407 ぼくは友崎涼子の平べったい尻にたっぷりとアジシオをふりかけてやり、葡萄棚の影を吸い込むつもりで、大きく深呼吸した。飛んでいたヘリコプターは姿を消し、風が欅にかすかな葉音をひびかせていた。 友崎涼子が休戦を宣言するのは妥当として、ぼくのほうがいつ宣戦を布告したのか、ぼくには思い出せなかった。

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2018/12/01

再読。 でも以前はそこまで面白いって感じなかったんだけどなー。 どこを面白く感じたのかって、主人公と女の子の軽妙洒脱な会話。 もちろん樋口有介センセの作品はそこが魅力のものが多いんだけど、今作のリズム感はその中においてでも白眉なのではないかと再読で感じた次第。 また、他作で米...

再読。 でも以前はそこまで面白いって感じなかったんだけどなー。 どこを面白く感じたのかって、主人公と女の子の軽妙洒脱な会話。 もちろん樋口有介センセの作品はそこが魅力のものが多いんだけど、今作のリズム感はその中においてでも白眉なのではないかと再読で感じた次第。 また、他作で米澤穂信センセが指摘されていた「主人公の臆病さ」というのも、これは逆に軽妙洒脱が過ぎるがゆえに強く表れているようにも感じた。 心の内を隠すために、言葉が多くなる…みたいな。 自分にはそうした主人公の気持ちが強まっているように感じられるところも、今回再読して面白いって思えたのかもなー。 あと今作はそれなりに推理ミステリの体裁を整えようとしたのかなーって印象も。 それが功を奏しているという意味では無く、ちょっとムリクリ感が浮かび出てしまったかなー…というマイナス面。 ギミックがね、ちょっと大味な感。 それでいてハウダニットを証明させようと、樋口センセらしからぬ主人公が強く探偵色を出しちゃってるかなー…て。 まあしかし、それでも樋口センセの「夏」らしい作品ではありましたなー。

Posted by ブクログ

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