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活断層
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活断層

堺屋太一【著】

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活断層

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 アメーバブックス/幻冬舎
発売年月日 2006/12/10
JAN 9784344990418

活断層

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商品レビュー

4.3

4件のお客様レビュー

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2009/11/26

お薦めの一冊

連載されてから単行本になるまで27年間を要した長編小説です。四半世紀の間、封印されていた理由は……あまりにも、事実に近いため。戦後の復興で急成長した日本の背景にあったものとは?歴史が好きな人にもお薦め。

yui

2011/11/23

本書(堺屋太一『活断層』アメーバブックス、2006年)は離島の石油備蓄基地建設反対運動に翻弄される事業者側従業員を描いた小説である。東急不動産だまし売り裁判体験のある評者にとって、住民反対運動は善でデベロッパーは悪という価値基準がある。これに対して本書はデベロッパー側の人間を主人...

本書(堺屋太一『活断層』アメーバブックス、2006年)は離島の石油備蓄基地建設反対運動に翻弄される事業者側従業員を描いた小説である。東急不動産だまし売り裁判体験のある評者にとって、住民反対運動は善でデベロッパーは悪という価値基準がある。これに対して本書はデベロッパー側の人間を主人公として、反対運動側を不気味に描く。 それでも反対運動に小気味良さを覚える。村人は石油基地建設で地元は何のメリットも受けていないと主張する。工事によってダンプカーが走り回り、騒音被害が生じ、安全な生活が脅かされる。石油基地が大事故でも起こしたら、銭金の問題ではない。これは原発推進派に聞かせたい言葉である。 より重要な点は一般に開発の恩恵とされていることも不利益と受け止めていることである。建設工事では雇用が生み出されたが、それはサトウキビ畑の働き手が奪われることを意味し、地域にはマイナスである。外部から来た労働者は地元商店で食品などを購入するが、それは商品の品薄による物価の上昇を意味し、地元消費者の生活を苦しめる。現実の日本社会は目先の経済的利益に釣られて乱開発を受け入れてきた。だからこそ活断層の村人の論理には輝きがある。 本書の主人公は開発を進める事業者側の従業員である。彼は誠実に地元の声を聞こうとする人物として描かれる。これは二子玉川ライズなど現実の開発紛争とは大きく異なる。それでも開発推進者は本当の意味で地元に向き合ってはいない。著者も「彼の努力はエリートの努力の域を出ていなったのではないだろうか」と振り返っている(421頁)。その地元への配慮には独り善がりな虚しさが漂っている。(林田力)

Posted by ブクログ

2010/12/04

大手総合商社三共商事に勤める桐野陽一は九州南端に位置する島にCTS(central tank station)の建造のビックプリジェクトをこの島の村長らの誘致もあって取り仕切ることになる。 CTSとは石油備蓄基地のことで、大量の原油を一時的に蓄えるための施設である。日本では石...

大手総合商社三共商事に勤める桐野陽一は九州南端に位置する島にCTS(central tank station)の建造のビックプリジェクトをこの島の村長らの誘致もあって取り仕切ることになる。 CTSとは石油備蓄基地のことで、大量の原油を一時的に蓄えるための施設である。日本では石油危機以来、CTSが国家の安全保障のためにも必要であることが提唱されており多数のCTSがある。原油高の現状では価格の上昇とリスクを回避という目的もある。 日本では2007年の段階で国民生活のおよそ半年分の石油が備蓄されている。 桐野は村の人の理解なくしてこの計画は成功しないことをよく知っており、互いに情報を交換しあう。 しかし順調に進むかのように見えたこの計画に暗雲が立ち込める… 日に日にマス反対運動、その裏にいたのは反対運動のプロの存在が… このプロの手口というのが非常に巧妙で面白い。 以下抜粋 マスコミ対策 『1. 大規模性、新規性の宣伝をさせる。これは事業主の発表として行わしめるのがよい。将来性、影響の大きさ、災害時の被害の甚大さ、新技術の未熟さを指摘して危険感を煽るために必要な伏線であるから、なるべく繰り返し行っておく』 『2. マスコミに対して計画事業と同種の施設の故障や問題の発生を吹き込む。この場合、『同種の施設』は広く考えるべきであり、故障はすべて『事故』、問題は『事件』といい可能な限り『公害』問題という概念に加え る』 『3. 二、三の有識者に計画事業の危険性を吹きむ。それができれば、可能な限り速やかに該有識者とマスコミ記者とを会わせるようにすること。』 マスコミにおける理論展開 1.確率にとらわれず巨大な危険の可能性を述べる 2.既発事故を規模、原因の共通性に拘らず列挙する 3.既発事故を巨大事故に繋げて述べる 4.巨大事故発生時の最悪事態を空想図的に描写する 運動の現地主導者の選び方 1.聖職者 2.教師 3.医師 4.農業漁業関係の有力者 5.理美容店主等 … 大企業の計画VS住民という構図が存在すると、どうしても大企業がプロで住民が素人という固定観念でものを見てしまうが、プロはそれを逆手にとる。(どういう意味か気になったら読んでみてください。) 堺屋氏の小説に『油断!』を思い出す。 旧通産省にいた氏は当時 中東からの石油供給が200日停止した場合、日本では300万人が死に、国富が7割減になるという恐るべき試算をたたき出した。 本書はこれの続きという風に見ることもできると思う。 商社の仕事の一面も垣間見れた気がした。こんな仕事もやってるのでしょうかね…

Posted by ブクログ

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