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海に住む少女 光文社古典新訳文庫
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海に住む少女 光文社古典新訳文庫

ジュールシュペルヴィエル【著】, 永田千奈【訳】

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海に住む少女 光文社古典新訳文庫

572

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 光文社/光文社
発売年月日 2006/10/20
JAN 9784334751111

海に住む少女

¥572

商品レビュー

4

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2026/02/28

とても読みやすく薄い本だったが後々まで残る、悲しさと美しさとが書かれていた。 シュぺルヴィエルはウルグァイで生まれたが、1歳前に両親が相次いでなくなり、フランスの祖母に預けられる。その後ウルグアイにいた伯父夫婦にわが子のように育てられるが、また養父母と一緒にフランスに帰る。 ...

とても読みやすく薄い本だったが後々まで残る、悲しさと美しさとが書かれていた。 シュぺルヴィエルはウルグァイで生まれたが、1歳前に両親が相次いでなくなり、フランスの祖母に預けられる。その後ウルグアイにいた伯父夫婦にわが子のように育てられるが、また養父母と一緒にフランスに帰る。 何度もフランスとウルグァイを行き来して、彼の人となりは二つの国と帰る場所を持つことになった。 それを知ってみると解説にあるように、作品にいつもにじみ出てくる裏の顔に気づく。 美しい幻想的な風景の中に深い孤独が潜んでいるが、それはそのまま死後も浄化されることがなく続いていく。 死の後には安らぎではなくまだ意識がある命と宿ったままの魂が死後の世界の中でも孤独を引きずっている。 昨年読んだ、オースターが書く孤独は、孤独を抱えたまま人は消えてしまう。孤独に取りこまれた形で、孤独を抱えたままで消滅して後には何も残らない。 だがこのシュペルヴィエルが書く孤独は、死後も離れることがないものが多い。死んでからも行き場のない深い悲哀と人の心の底に潜む希望や望みや悪意が、形を変えて短い物語になっている。 とても読みやすく薄い本だったが後々まで残る、悲しさと美しさとが書かれていた。  「海に住む少女」 美しい題名に惹かれてこの本を買ってあったが、美しいのは幻想的な海の街並で、そこにたった一人で住む少女は、寂しさを纏ったカゲロウのように存在する。遠い海に船影を見るより先に、少女はコトリと眠ってしまって町と共に海深く沈んでしまう。誰もその街を見たことがない。なぜ町があって少女が住んでいるのか、それは他の孤独からの投影で、二重写しになった悲哀が短い作品に結実している。 「飼葉桶を囲む牛とロバ」 ベツレヘムでキリストの誕生を見守った牛がいた。生まれたばかりのキリストに暖かい息を吹きかけて見守ったが、神の子の誕生を知った世界中の動物たちが祝福する中で、角を持った自分の醜い姿を恥じて死んでしまう。当時ヘロデ王が二歳以下の子供を皆殺しにせよという命令を出し、それを夢で見たヨセフはエジプトに逃れロバは伝説になった。 誕生を祝って訪れる動物の話は今でも語り伝えられるものもあって、それぞれの動物がとても優しく美しく描き出されている。死んで行った牛を見守る牡牛座も天に輝いている。 この牛のことが分からないので、キリストや聖書の本を開いてみたが(ちょっと立ち読みで)何も書かれていなかった。うちにある旧新約聖書(たまたま布教に来られた牧師さんからいただいたものです)のマタイ伝を読んでみたが、やはり牛は出てこなかった。あとがきで「偽マタイ福音書」が出典らしいとあり、それに肉付けしたのはシュペルヴィエルだろうということだった。先に読む解説を珍しく後回しにして、時間をかけて遠回りをした。 「セーヌ河の名なし娘」「空の二人」「牛乳とお碗」は死後も命と魂は生きている何か不思議な世界。 「競馬のつづき」走り続けて河に落ち、馬になってしまう。 「ラニ」顔の半面をやけどして醜くなり、逃げたラニが、寂しさの末に村に戻ってみる。やはり人は自分を避ける。彼は自分の「もしや…」が空想だと知り叫ぶ「去れ!」 ことが全て落ち着くと、何億倍も孤独になったラニのそばには、(これから生きていくべき残りの人生)が、蛇のようにとぐろを巻いているのでした 「バイオリンの声の少女」 出す声がみんなバイオリンの音になってしまう。黙っていても呼吸が息が和音にになって漏れる、ひっそりとできるだけ静かに暮らしていたが、父親に夕食に遅れたことを叱られて、不満を持つと声が戻ってきた。 「足跡と沼」 悪意で人を殺した。それでも罪を隠そうとしたが不用意な一言で捕まった。珍しくピリッとした最後の一言が効いている。 「ノアの箱舟」 ノアの舟に乗せられなかったものの恨みの声を聞きながらも、乗せられた動物たちの態度が旅が長引くに連れて変わっていく、ノアは何か弱弱しく「どうしようもないことはどうしようもない」というばかり。何処までも泳いでついてくる男が天使の働きで二匹のネズミイルカになる、という少し滑稽で、自然な真理が面白い。

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2025/12/14

初めて読む作家さん。名前も何も知らなかったが、古典新訳文庫をぶらぶら眺めていてたまたま手に取った。ウルグアイ生まれのフランス人。両親と伯父さん夫婦がそれぞれ兄弟姉妹で、赤ん坊の時に両親が亡くなり伯父さん夫婦に育てられたのだそう。 訳者の言葉を借りると、フランス版宮沢賢治的作家さ...

初めて読む作家さん。名前も何も知らなかったが、古典新訳文庫をぶらぶら眺めていてたまたま手に取った。ウルグアイ生まれのフランス人。両親と伯父さん夫婦がそれぞれ兄弟姉妹で、赤ん坊の時に両親が亡くなり伯父さん夫婦に育てられたのだそう。 訳者の言葉を借りると、フランス版宮沢賢治的作家さん。詩人兼小説家、大作家ではないけれど国民的作家、寓話をものする。 なんといっても、表題作の「海に住む少女」がよかった。(短篇集で表題作が一番よいのは普通だが) 大西洋の真ん中あたりの小さな小さな海抜ゼロメートルくらいの島に、たったひとりで住む女の子が何者なのか、わからないまま物語は進み、最後の1頁で真実が語られる。娘を亡くした船乗りの強い強い想念が女の子を生み出し、その女の子は一生を海の上で自分が誰なのかも分からないまま、幻影として過ごす。作者は(神は?)「海の上で強く想い過ぎないで」と船乗り一般に語りかける。 敢えて教訓を引き出す必要はないのだけれど、亡くなったこどものことを想い過ぎて残る人生が涙に暮れるだけだとしたら、きっとそのこどもにとってもつらいことでしょう、ということかなと思った。

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2025/10/17

図書館うろついてたらそこにあったから借りてきた!シュペルヴィエルは7年前にシュペルヴィエル抄を読んだな〜って感じ。 7年前の私もなんと秣槽の牡牛と驢馬が好き〜と記録していて、今の私も好きだから人間変わらないなぁと思ったり!! 全体的にちょっと悲しくて綺麗な感じ。あと不条理とか聖...

図書館うろついてたらそこにあったから借りてきた!シュペルヴィエルは7年前にシュペルヴィエル抄を読んだな〜って感じ。 7年前の私もなんと秣槽の牡牛と驢馬が好き〜と記録していて、今の私も好きだから人間変わらないなぁと思ったり!! 全体的にちょっと悲しくて綺麗な感じ。あと不条理とか聖書がちらほら。短編集で読みやすいのであんまり明るい話も嫌だわ〜、静かで落ち着いている話の気分だわ〜な時におすすめかもしれない。 以下今回の話の中で印象深かったもの(ネタバレ) ・セーヌ川の名なし娘 安寧の地はどこにあったんだろう。生前、なぜ彼女が亡くなってしまったのかはわからないけど死してなお苦労を強いられていて可哀想だった。でも最後は彼女を大切にしてくれていた魚たちと一緒に本当の眠りにつけたからよかったな〜。 ・空の2人 泣きそうになった、沁みます 最初はなぁにこの人だったのにね?!よかったよ… ・競馬の続き まさかの展開に驚き!!そして受け入れる! 最後はやったれー!と思ったらそうなった!読んでいてちょっとスッキリしたのでよかったです!

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