商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社/新潮社 |
発売年月日 | 2006/09/01 |
JAN | 9784101194011 |
- 書籍
- 文庫
海潮音
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海潮音
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商品レビュー
4.3
25件のお客様レビュー
文学史でも重要な詩集…
文学史でも重要な詩集「海潮音」。翻訳詩の良さをしみじみと感じました。
文庫OFF
【まとめ】 ・訳詩の特徴: 七五調の適用 ・翻訳の目的: 翻訳をつうじた国文学の改善、文学に対する日本人の啓蒙 ・本書の歴史的な意義: 日本の詩壇にはじめて象徴詩をもたらした 【感想】 日本の近代詩にひとつの画期をもたらした点で重要な作品なのだろうとは思う。でもあいにく私は古語...
【まとめ】 ・訳詩の特徴: 七五調の適用 ・翻訳の目的: 翻訳をつうじた国文学の改善、文学に対する日本人の啓蒙 ・本書の歴史的な意義: 日本の詩壇にはじめて象徴詩をもたらした 【感想】 日本の近代詩にひとつの画期をもたらした点で重要な作品なのだろうとは思う。でもあいにく私は古語の感性に乏しく、現代語の枠内でしか鑑賞できないので、この訳詩集の特徴である、西欧近代詩が日本の七五調にあわさる響きの妙をうまく味わえず、読んでも字面が素通りするだけだった。高校の古文が好きな人ならもっと感動があるのかな、と思った。
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美しい言葉というのは、時が経っても美しい。もちろん全部がお気に入りになったわけではないけれど。短い甘美な抒情詩に、はっとなる名訳が多い気がする。不思議なことに、漢詩を書き下して訳した名文と同じ匂いがするのは何故か。もっと現代語でも良い訳はあるだろうのに。それでも。 『秋の日の』...
美しい言葉というのは、時が経っても美しい。もちろん全部がお気に入りになったわけではないけれど。短い甘美な抒情詩に、はっとなる名訳が多い気がする。不思議なことに、漢詩を書き下して訳した名文と同じ匂いがするのは何故か。もっと現代語でも良い訳はあるだろうのに。それでも。 『秋の日の』 『心も空に奪はれて』 読んでしまったら、これ以上の訳があるかいと思ってしまう。これは詩集なのだから、全部分かる必要もない。分かっても好きかどうかが大事で、この薄い瀟洒な本の中に、美しいなと思う詩がひとつでもあって、愛誦できればそれでいいのだ。少なくとも、一生あと何日生きるか知らぬが、キラキラしたこの言葉が、胸で光っていればいい。 日本史の教科書で習う、事績としての『海潮音』でなく手に取れる書物として実感が持てたのは、ちょっと遅いが、やはりいいことだ。小難しいかなって心配をするより、読んでその絢爛たる詩に触れてみれば、きれいなものだな、哀愁零れんばかりの世界だな、と酔えるだろう。そこから先、好きか嫌いかは、訳文が旧いからと言うより、これは相性だと思う。刺さるか、そうでないか。遠い異国から打ち寄せる波の如き浪漫。 なるほど、『海潮音』と名づくるはずだ。当時は波濤を越えてゆくしか路はなく、島国日本で読むがゆえに、行けそうな、遠くて叶わなさそうな、遥かな異国の書物であったのだもの。上田敏の知性と抒情のバランスと鋭さには、敬服した。読んでみてよかったと思う。
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