商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 理論社/ |
発売年月日 | 2003/08/25 |
JAN | 9784652077313 |
- 書籍
- 児童書
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商品レビュー
3.8
5件のお客様レビュー
アメリカのことをあまり知らないので、登場人物の紹介、訳者の解説を頼りに読みました。 アフリカ系アメリカ人の少女レアノラと、女性農場経営者のセアラの気持ちに寄り添いやすかったです。 レアノラがヘレン・ケラー宛に書いた手紙の文面 「いっそだれも目が見えない方が いいのではない...
アメリカのことをあまり知らないので、登場人物の紹介、訳者の解説を頼りに読みました。 アフリカ系アメリカ人の少女レアノラと、女性農場経営者のセアラの気持ちに寄り添いやすかったです。 レアノラがヘレン・ケラー宛に書いた手紙の文面 「いっそだれも目が見えない方が いいのではないでしょうか。 そしたらだれも、人の肌のことなんて気にしない でしょう」 に考えさせられ、 ヘレン・ケラーから届いたという「私の住む世界」を読みたくなった。 そして、殺人事件の容疑者のアリバイを証明できる立場でありながら 「あたしはしなかった。 あたしが白人の世界に住む黒人の子でいるってことのツケを だれかが払わなくちゃとあたしは思ってたから。 マーリン(容疑者)が払えばいいんだと思った。」 というレアノラに、レアノラが心を開いている白人の老人フィールドさんが言った言葉も、その意味するところをよく考えたい。 「レアノラ、借りを返すのに、人から盗んで返すって法はないよ」
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1920年代アメリカ、黄金の20年代。 11人の老若男女が人種差別加害者・被害者・傍観者として、それぞれ語り進むのだけど、帯にあるように「失われゆく無垢な魂」を持ったユダヤ人少女の視点が、とりわけ良かった。 年を重ねる事でより生じ易くなる、計算とか悪意とか世間体とか抜きにした、多...
1920年代アメリカ、黄金の20年代。 11人の老若男女が人種差別加害者・被害者・傍観者として、それぞれ語り進むのだけど、帯にあるように「失われゆく無垢な魂」を持ったユダヤ人少女の視点が、とりわけ良かった。 年を重ねる事でより生じ易くなる、計算とか悪意とか世間体とか抜きにした、多角面からまだ如何様にも見る事が出来る少女の心。 人は其処に人がいるから、天使にも悪魔にもなれる。
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私はマリーン・ヴァン・トーンハウトの変化が良かったと思いますね。初めは最低の考え方をしています。「オレは、教室の窓を、目いっぱい押し上げて、開いてやった。/レアノラ・セッター{註・表紙の黒人です}の臭いで、臭くてたまらなかったんだ」と。高3にして、KKKの団員。ですが結局彼は、罪...
私はマリーン・ヴァン・トーンハウトの変化が良かったと思いますね。初めは最低の考え方をしています。「オレは、教室の窓を、目いっぱい押し上げて、開いてやった。/レアノラ・セッター{註・表紙の黒人です}の臭いで、臭くてたまらなかったんだ」と。高3にして、KKKの団員。ですが結局彼は、罪人にはならなかった▼伝記キング牧師(偕成社)に依ると、〈クー・クラックス・クランのメンバーたち かれらもふだんの生活では、どこにでもいるふつうの市民とかわりません。教会にかかさず通い、地域社会の指導者であることが多いのです〉と。 以上読書メーターに投稿したもの。 ええと、当方現在15歳です。これはフィクションではありますが、間違いない、こんな恐ろしい世界があったんです。で、レアノラ・セッターみたいな、私と同年代の少女がいたはずです。アンネみたいに、矛盾を矛盾と知りながら、非力な自分を呪っていた少年少女が。(アンネ等のユダヤ人迫害は、この時代のあとなんですね。そういうことも、史実に基づいた話ですし、そして巻末に解説もありましたし、すごくわかりやすく読めました。) ……とりあえず、感受性がおそらく最もゆたかであろう時期に読めてよかった。KKKはこわいですが、少女であるからこそ、正しさを求め、ただしくないものはヒステリックなほどに凶弾できる。 これが大人になってから読んだのだったら、どれぐらい、悪いことを悪いと言えたでしょう。まあ、そんな大人にはなりたくないですけど、人間わかりませんからね。KKKみたいな、どうしようもない考え方をしているかもしれない。毒されないよう、昔の教訓を糧に皆が成長できたらいいのにね。
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